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「やさしさの夢療法」、はじめに

 「やさしさの夢療法」はじめに

 例えば人への中傷とか、悪口、いじめの動機とかも自分と同質のもの・・・それは相手や自分の欠点や弱点だったりする・・・を他人に発見した時に起きます(同族嫌悪)※1。或いは異質のものを排除排斥攻撃しようとする心が働いています。関係性の中に起きるという点でクライアントとセラピストとの関係に似ています。
 セラピストは通常、クライアントの話に耳を傾けます※2。これがセラピーの基本だと思います。夢を見る場合にも、夢を見た人(夢見手)がどういう人かということが大切になる場合があります。セラピストは夢のワークでも本人の気づきを得る深めることを援助する役割を果たします※3。そこには様々な癒しの技法など人類の英知が詰まっています※3。「夢」分析という時、様々な心理療法・技法の集積という側面の他にそれをみる人と傍で聴く人との「関係性」があると思います。
 夢の中に立ち現れる人物像を、もう一つの別の視点でみることも出来ます。これを「転移の視点」といいます※2。この転移には夢の人物像をセラピストに置き換えるセラピスト・イメージなどがあります※2。悪口や中傷、いじめにも相手との関係性があったように、フロイト学派においてはこの転移や逆転移など関係性にもっぱら重点が置かれます※2。どこに視点を置くかを理解することは心理療法の基本の1つです。
 セラピストとクライアントの関係性は、学派や技法に依らない共通事項です※2。よってこの関係性から逃げて、人を癒すことは出来ません。自己認識改善法にも、幸せや不幸をどう捉えるか、人生経験をどう意味づけるか、援助する役割がセラピストにはあります。「やさしさの夢療法」読破に期待するのは、夢を独立したイメージとして勝手に恣意的に捉える単純な機械的な療法ではなく、関係性に踏み込んだ複雑怪奇な豊かな世界への挑戦です。
※1:YouTube動画
※2:放送大学テキスト
※3:やさしさの夢療法
Note.comにて掲載。

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