クソデカ感情拗らせ日記②
「おもしれーやつ」と名付けられた星の子はとても神出鬼没な星の子だった。
彼と出会ってから少ししてINが被った時があった。私も相方も、サブたちも、全員彼のIN通知が鳴った。
skyでは、相互でお気に入りにしておかないとIN通知はならない仕様なので、シンプルに嬉しかった。
なんとなく会いたくなったので普段はあまりフレに会いに行かない私なのに、「ちょっと挨拶してくる!」といってサブのSolの姿でおもしれーやつに会いに行った。
私は自分のサブであるSolが大好きだ。
Solに自我があるように振る舞うクセもある。
あまり理解されないけど、LunaでやりたいこととSolでやりたいことがそれぞれあるのだ。
なんとなく、あの人には、Solで会いに行きたかった。
あの人、とても明るくて楽しい人だったから、もしかしたらフレンドに囲まれてるかもなぁ、もしそうだったら気配を消して帰ろう、そう思いながら彼の元へワープした。
そこは捨て地のエビ4エリアだった。
ぽわっとひと鳴きしてみると、1人分の気配しか無かったので、彼の近くまで飛んで行った。
おもしれーやつと名付けられた星の子は安全な所で待っていてくれて、まるで「嬉し〜!!」というように沢山エモートをして歓迎してくれた。
私も嬉しくなって沢山エモートをし、再会を喜んだ。
ふと、彼のフレンドツリーを開くとハートハグを渡していない事に気がついた。
私はハートハグがとても好きで、好きだと思った星の子には絶対貢ぐのにこの人にはまだ渡してなかった!!と思い、迷わずハートハグを渡した。
そして、この日はハートハグが出来たので満足してバイバイした。
ホームに戻ろうとしゃがんだSolと一緒にしゃがみ、たくさんキスエモをしてくれたおもしれーやつが可愛すぎて、Solはこの日からこのおもしれーやつが大のお気に入りになった。
それからしばらく、おもしれーやつはINしたり、しなかったりなかなか会えない日は多かったが
INすればお互いに行ったり来てくれたり、少しずつ親交を深めていった。
チャット解放はしていなかったが、その距離感が私たちにとっても心地良かった。
彼はとてもエモート使いが上手で、チャットしなくても十分意思疎通が取れる星の子だった。
私たちがパン焼きをしている時に会いに来た彼がとても印象に残っている。
少し離れた所から近付いてきたおもしれーやつは、Lunaが歓迎の意を込めてエモートしながら駆け寄ると、そっと覗く郵便屋のエモをしてこちらの様子を伺ってきた。
「御一緒してもいいですか?」と聞こえんばかりのその仕草で思いがけず大好きになってしまったのだった。
もしかしたらXやってるかも?と思って雨林とか野良さんとかでエゴサした時もあった。その時は何も見つけることが出来なかったけれど。
あの人が話す言語が何か知りたくて、デイリーに瞑想があった日は、片っ端からメセキャンを引っこ抜いて探しまわった。
一度だけ、あの人のメセキャンを見つけた事がある。
でもそのメセキャンは絵文字ひとつしかなく、盛大な肩透かしをくらったような気になった。
私はひとりで、「やるやん…」と思わず呟いていた(?)
そんなこんなで、私はおもしれーやつとINが被ることを、ただ楽しみにしていた。
そしてある日、私はある実録に出会った。
私は朝、目を覚ますとまずXを開く。(みんなそうだよねっ!)
そしてTLをぼんやり眺めていると、見覚えのある星の子が主人公の実録漫画が目に止まった。
これは……間違いなく彼だ!!!
彼と私たちの星の子だ!!!!
私は飛び起きて隣で寝ていた相方にこの驚きを伝えた。
しかし早朝(5時)だったので相手にされなかった。
私は通勤電車の中で何度もこの漫画を読んだ。
おもしれーやつがどんな思いで空を飛んでいたのか、彼にとって私たちがどう見えていたのか
まるで答え合わせをするような気持ちだった。
なにより嬉しかった事は、あの実録の中ではSolがちゃんと生きている星の子だった事。
Lunaのサブではなく、血の通った生きた星の子がそこにはいた。
これが私にとってどんなに嬉しかった事か、きっと想像つかないだろう。
それと同時に、ある気持ちが生まれた。
罪悪感だ。
Solは私のサブでこの世のどこにも存在しない。
なのに、あたかも生きているかのように振る舞うことは、何も知らないあの子を騙しているのと同じではないか?
「素敵な団体さん」と、私たちのことを呼んでくれたのに、中身は2人しかいないなんて、本当のことを知れば、あの子はガッカリしてしまうのではないか?
野良で出会った星の子をXで見つけたのは、これが初めてではない。
過去に出会った人とは、その投稿に「その星の子、私です!」と気軽に話しかけて相互フォローになっていたのに
今回ばかりは出来なかった。そして、今はまだ自分のアカウントも知られたくないと思った。
本当のことを知られるのが怖かったし、その事で嫌われるのはもっと嫌だったから。
続きます
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