【モノローグ】2022.06.09
消えたいという気持ちは大きかった。
力いっぱい握った包丁を
お腹に突きつけた
涙が溢れて手が震えた
母が帰る音で我に返る
「この感情は誰にもバレてはいけない」
小学3年生の少女は知っていた。
だから、精一杯いつも笑顔な活発少女。
気づけば自分を見失った成人女性
消えたい気持ちはまだ消えない
ある日、
大好きな人が自ら命に終止符を打った。
少しだけ羨ましかった
少しだけホッとした
少しだけ生きたいと思った
苦しみをハンブンコにして
喜びを分かち合った
あの時間がこんなにも尊いものとは
今ある命がこんなにも尊いものとは
生きていなかったら気づけなかった。
ありがとう。ごめんね。
また会う日まで。さようなら。