アイデアの出し方を考える
こんにちは、LTSデザインチームの川本です。
先日、株式会社永和システムマネジメント様の「さきのこと」ベースキャンプに参加してきました。ベースキャンプを通じ、アイデアの出し方について改めて考えることができたので、今回はそのお話をしていこうと思います。
はじめに
そもそもベースキャンプって?という方もいらっしゃるかと思います。かくいう私も最初はなんだろうと思っていました。初めて聞く方が最初に思い浮かべるのはアウトドアのベースキャンプですよね。ビジネスにおけるベースキャンプとは、同じ課題(=山)に挑む仲間を作ること、またはその取り組みのことを指します。
今回は社会課題の解決にAgilityをもたらしたいをMISSIONに掲げる「さきのこと」メンバーのみなさまと、ICT技術を使って社会課題を解決するための企画(JUST IDEA)を考えるべく、株式会社永和システムマネジメント様とLTSの混合チームを組んでベースキャンプを行いました。
社会課題の解決に向けてアイデアを出すときとデザイナーがデザイン(アイデア)を考えるときでは、最終的なアウトプットが異なるだけで、プロセスとしては近しいと感じたのがこの記事を書こうと思ったきっかけです。
目的達成のためのアイデア
社会課題の解決における「アイデア」とデザインをするときの「アイデア」は別物では?と思われる方もいると思います。デザインのアイデアって芸術的な発想が求められそうなイメージがありますよね。
確かに食欲をそそるパッケージや思わずクリックしたくなるWeb広告など、キラリと光るデザインを見ると社会課題など問題解決のためのアイデアとは異なる印象を受けるかもしれません。
しかし、どちらのアイデアも「目的を達成するため」に考えられていることは同じであり、素敵なパッケージやWeb広告も売上や宣伝という目的のために生み出されたものなのです。
では一体どういったプロセスでアイデアを出していくのか、今回参加したベースキャンプを振り返りつつ、説明していきたいと思います。
アイデア出しのプロセス
1. 課題を探す
前項で述べたようにアイデアを出すときもデザインを考えるときも、何かしらの目的を達成するために行います。
例えば、今回のベースキャンプではICT技術を使って社会課題を解決するための企画をチームで考えることが目的です。まずはその目的達成にあたり、普段感じている悩みなど、自分たちの周りにはどんな課題があるのかを探すところからはじめていきました。
「売上を上げること」を目的とするデザイン場合、どうしたら売上を上げることができるのか、デザイン面での課題を考えていきます。パッケージデザインであれば、いかにお客さまに商品を手に取ってもらえるかが課題として挙がるかと思います。
2. 問題点を考える
次に1で出した課題に対して、どんな問題が起こっているのかを考えます。この段階では問題の大小を考えずに、頭に浮かんだことを言葉にして共有します。複数人でブレインストーミングを行う場合は、肯定から入ることが大切なのだと今回のベースキャンプで改めて感じました。お互いに受け入れ合うことで発言が活発になり、新しい観点が見つけられます。
デザインを考えるときも同様です。まずは思いつくままに頭の中のイメージを出していくことで、別の案がひらめくことも多々あります。
3. 問題の本質を捉える
どんな問題にもその問題を引き起こしている根本的な原因があります。2の「問題点を考える」ステップで出てきた内容を、さらに掘り下げることで、その問題の本質はどこにあるのかが段々と見えてきます。その際に自分ごとに置き換えて考えると、より問題に対して掘り下げを行いやすいのでおすすめです。
パッケージデザインで考えるのであれば、商品棚に陳列されたときに目立たないことを問題点として挙げた場合、その原因を追求することでどこを改善すべきかが見えてきます。実際に店舗に行き、自分の目で確かめ、顧客体験をすることで問題の本質に近づくことができます。
4. アイデアを発散する
掘り下げた問題点に対してのアイデア(解決策)を出していきます。この段階でも2の「問題点を考える」ステップと同様に、どんなアイデアに対しても肯定から入り、質よりも「量」を意識して出していきましょう。迷ったり突飛なアイデアでも勇気を出して提案してみると、他の人がそのアイデアから連想し、さらに良いアイデアが出てくるということはよくあることです。
デザインも同様にアイデアを発散する段階では、思いついたものをひたすら出していきます。少し違うかもと思ったアイデアに対しても、消さずに残しておくことで、後々デザインを完成させる際の反例としても役立つので、どんなアイデアも大切にしましょう。(といいつつ、よく消してしまうので自戒でもあります…笑)
5. アイデアを収束する
4で出したたくさんのアイデアを整理し、結論(最終的な解決策)へと持っていきます。ここの段階でも肯定的な視点でたくさん出たアイデアの良いところに目を向けられるとよいでしょう。アイデアを収束させるための手法は様々ありますが、一番簡単なのは目的に対する解決策として優先順位をつけて、何から着手すべきかを考えていくことだと思います。
アイデアを「出す」と聞くと発散のイメージがありますが、発散したものをきちんと収束させることでアイデアの質が上がり、まとまった結論になるということを今回のベースキャンプで改めて感じました。
デザインの場合も同じように4で出したアイデアをグルーピングや優先順位をつけて質を上げながら、バリエーションを持たせ最終化していきます。
まとめ
以上がベースキャンプを通じ、アイデアの出し方について改めて考えてみた内容です。上記で述べた4と5については、一度だけではなく問題にぶつかる度に繰り返し行うと、よりよいアイデアが生まれるかもしれませんね!
また、アイデアの出し方には様々なフレームワークもあるので、気になった方は色々調べたり試してみると自分に合った進め方が見えてくると思います。
アイデア出しはデザイナーに限らず、多くの職業の方々が日々業務をこなす中で必要になるスキルです。仕事だけではなく、プライベートでもアイデアの多い人は素敵ですよね…!
私自身、アイデアの出し方を改めて考えてみたものの、問題の掘り下げに苦手意識があったり、アイデアを上手く収束ができないことがあったりとまだまだ課題が多いです。私のように苦手意識やアイデア出しが上手くいかないといった方の参考に少しでもなれば嬉しいです!