タイから海外リモートワークをするのに必要なLTRビザの取得方法【資格要件編】
LTRビザがあればタイからリモートワークが可能ということは分かったけれども、そもそも検討の余地があるのか?(資格があるのか?)が気になると思います。
結論、以下の3つのハードルをクリアすれば、あとはなんとかなります!!
所得要件
企業規模要件
継続的な業務実績要件
しかし、この3つの要件が結構、難易度が高いです。
なので、サクッと検討の余地の有無をご確認ください。
資格要件をクリアした方は、続いて、具体的な手続きについてみていくのが良いと思います。
LTRビザの資格要件
では早速、ビザを取得するための資格要件があるかどうかをチェックしてみましょう。
※こちらは、日本の企業に勤めながら、タイからリモートワークをするという場合のカテゴリ(Work From Thailand Professionals)でビザを取得するための資格要件についての説明です。
所得要件
まず、以下のいずれかの基準を満たすかどうかをチェック!
過去2年間の所得が8万USドル(≒1200万円)以上かどうか
修士号以上の学歴保持者、知的財産権の保持者、またはシリーズAの資金調達を受けている人の場合、過去2年間の所得が4万USドル(≒600万円)以上かどうか
日本では院卒は理系の方が多いので、こちらの資格要件の充足者は理系の方が相対的には多くなるのではないかな、と思いました。
LTRビザを発行している当局が投資委員会(Board Of Investment “BOI”)であることから、BOIが注力しているターゲット産業(※)との関係で、資格要件上も、理系人材に焦点が当たっている印象を受けます。
※LTRビザの高度専門職カテゴリでは、こちらに記載のターゲット産業(Targeted Industries)の専門家であることが求められており、これらのターゲット産業が、BOIの重点投資先と考えられます。
企業規模要件
次に、所属企業が以下の基準を満たすかどうかをチェック!
上場会社、または創業3年以上の非公開会社で、過去3年間の連結収益が1億5千万USドル(≒225億円)以上であること
こちらの連結収益要件は、英文の要件を読む限り、上場企業ではない場合にのみ必要となると解釈されます。
私の会社は上場企業でかつ連結収益も上記金額以上だったので、この点は論点になりませんでした。
ただ、上場企業であるにも関わらず、ビザを申請した際に追加で求められたのが過去3年間のFinancial Reportだったので、金額基準が上場企業にも適用されるかはBOIに確認をしてみてもよいかもしれません。
継続的な業務実績要件
続いて、ご自身のキャリアが以下の基準を満たすかをチェック!
過去10年間で現職の関連分野で5 年以上の実務経験があること
ここは少し解説しますが、要は、現在ご自身が従事している業務の関連分野における業務実績が、過去10年間の間で、通算して5年あるかどうか、ということになります。
私の場合は、現職での業務実績は1年半しかなく、その前の職場には1年強しか勤務しておらず、さらにその前は育児休職していました。ただ、育児休暇を取得する前に勤めていた会社での就業期間は3年以上あり、一貫して同一の職種(法務)で就業していたので、10年間の間で、通算して5年以上の実務経験がある、ということになりました。
なお、当初こちらの要件を見た時に、relevant fieldsというのが、前述のTargeted Industries の関連分野である必要があるのか?と一瞬思いましたが、結論、不要でしたのでご安心ください。
(relevant fieldsというのはあくまでも現職との関連分野(relevant fields of the current employment )という意味ですので、業務に一貫性・関連性があれば大丈夫です。)
私の場合は、業界は異なるものの、職種に一貫性があるということで要件を充足しました。
他方、たとえば職種は異なるものの、一貫して同じ業界(製造業等)に従事しているような場合に関連性ありと評価されるかどうかは不明です。
ただ、要件の文言上は広く解釈できそうですのでTryしてみると良いと思います。
以上が前提となる資格要件です。
その他に、「銀行預金又は医療保険加入」の要件がありますが、保険に加入さえすればよいので、デッドロックになり得る要件は上記3つとなります。
ソース
前回の記事でも引用した、BOIのページに詳細が掲載されておりますので、最新情報については以下をご覧いただくのが良いと思います。
※あくまでも投稿時点での情報である点、ご留意ください。