【深刻になる前に】子どもの暴れ癖はこう向き合う!
A男くんは4歳の保育園児。発達障害の指摘を受けていて、自分の気持ちを表現するのが苦手。お友達にすぐ手が出てしまったり、おうちでも嫌なことがあるとモノや人にあたって暴れることもしばしばあります。どのように対応していけば良いでしょう。
こういったケースの場合、どういう時に乱暴が起こるのかをしっかり観察することが大事になります。
例えばお友達と玩具の貸し借りをするときによく起こるのであれば、もしかすると「貸して」と上手に言えないまま手が出ている可能性がありますから、玩具を奪い取るのではなく「貸して」「いいよ」「どうぞ」「ありがとう」「ごめんね」といった会話をする体験を通じて物の貸し借りがうまくできるようになるように促していきます。
あるいは自分のしたいことが思うようにならなかったときなどに暴れて訴えるケースでは、言葉でうまく伝えられないといった理由のほか、自分流のこだわりが強かったり、我慢することに慣れていなかったり、モノや人にあたることで自分の思いどおりになったといった子どもながらにも成功体験を持ってしまっている場合も結構あります。
どのような理由であれ暴れることで表現するのではなく、どうしたいのか、どうしてほしいのか、自分の言葉で相手に伝えるようにできるようにならなくてはいけません。
まず手を優しく握るなどして暴れるのを静かに静止し、落ち着くのを待ってから本人の気持ちを聞くということを周囲の大人が根気よく行います。
暴れてしまった理由が分かったら、「そうか〇〇が辛かったんだね」というように、まずは子どもの気持ちに寄り添います。そして「今みたいに言葉で伝えることが大事」ということを教えていきます。
人や物にあたると周囲の人が悲しい気持ちになることや困ることを具体的にきちんと伝え、「今度暴れたくなったら、先に教えてね」と約束しておくことも次の問題を回避するのに有効的です。
「暴れたくなったら大きく深呼吸だよ」というように我慢の仕方を具体的に決めておくのも効果的ですし、子どもなりに我慢ができたときには「今日はガマンができて偉かったね」と忘れずに褒めてあげることも大事になります。
暴れる行為は生涯を通じて社会生活を営む上でなんとしても改善させなければならない行為です。幼いうちは大人が力づくで抑え込むこともできるかもしれませんが、大きくなったらそれも難しく、また問題も深刻化しやすくなります。
保育園とご家庭とで連携協力し合って同じ方向で接するようにし、1日も早く子どもが言葉で解決できるように、またモノにあたる行為を防げるように、周囲の大人が一丸となって接してあげてみてください。