SHRMがインドで行ったHR Tech Conferenceが示す、AIを活用した人事業務の5つのポイント
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは!Lraough LLC Founder, CEOのShimotaku(しもたく)です。
今回は米国を代表するHR専門組織であるSHRM(Society for Human Resource Management)が最近インドで開催した人事関連テクノロジーのカンファレンスについてリポートします。そこではAIが人事部門でどのように活用されつつあるかが活発に議論されていました。
本記事では、同カンファレンスで示された人事業務におけるAI活用事例を紹介するとともに、AIがもたらすであろう人事業務の進化について考えてみたいと想います。
詳しい内容についてはこちらのYoutube(チャンネル登録と良いねも是非お願いします!)からご確認ください。
LraoughではスタートアップやTech企業などの進出支援をHRの観点からお手伝いしています。是非少しでも面白いなと思って頂けた方は、記事のシェアをお願いします!
今回のテーマの概要
AIが人事業務でどのように活用されているかが議論された
チャットボットを使って従業員とのコミュニケーションを支援
リモート採用時の詐欺検知などをAIで支援
候補者の選考・評価をAIで効率化
個人のスキルや能力のマッピングにAIを活用
反復業務の自動化で人事業務を効率化
SHRMとは? 人事専門家が集まる巨大コミュニティ
今回カンファレンスを主催したSHRMは、米国に本部を置く人事管理関連分野の非営利団体で1916年の設立以来100年以上の歴史があり、世界最大のHRプロフェッショナルコミュニティとして知られています。
人事管理研究から政策提言、教育・研修、情報交換、資格認定等、人事管理領域の専門性向上を目的とした多様な活動を展開。170を超える国と地域で活動しています。グローバル時代を向かえた現在、人事管理領域での課題とトレンドを先取りするうえで、SHRMの動向を注視しておくことは欠かせない要素の一つです。
インド現地でのAI 活用事例を見る
そんなSHRMが先日インドで開催したカンファレンスでは、同国のHRTech企業がAIをどのように人事部門で活用しているかが報告されました。以下、その主な内容を整理していますので参考にされてください。
1.チャットボットで従業員とのコミュニケーションを支援
AIを使ったチャットボットが、人事部門と従業員との間のコミュニケーションを支援。例えば、社員が「今日体調悪い」と打ち込むと、「有給を取得したいですか?」ときちんと応答してくるという。
チャット上で社員の意思決定を支援し、適切なアドバイスを与えることも可能です。これは定期的に従業員の意識調査を実施することにも活用でき、HRの負担を大きく減らせるアプローチといえます。
2.リモート採用時の詐欺検知をAIで支援
HireProというインド企業が、リモート採用時の詐欺検知をAIで支援するソリューションを提供。応募者のビデオ面接映像や画像を分析し、本人確認書類との整合性をチェックする仕組みをサービスにしています。
対面採用が難しい中、リモート採用の重要性が高まるが、同時に詐称のリスクも生じやすい。この点をAIがある程度チェックできれば、採用業務の精度が向上します。コンプライアンス的な課題はあると思うが、有用なアプローチといえます。
3.AIで採用候補者の評価と選考を効率化
ZingHR社の人事管理プラットフォームでは、AIが応募者の履歴書と求人要件のマッチングを行い、適任者を選定している。さらに適性試験であるコーディングコンテストの結果も分析し、候補者をスキル面で評価するという。
大量のエントリーが集まる採用において、人的資源の投入がボトルネックとなりがちだが、このアプローチなら効率的な選考が可能になる。AIの判断の精度にもよるが、有望な取り組みといえる。
4.個人の能力とスキルをAIでマッピング
AIによって個人の保有スキルと能力水準を特定し、そのマッピングを実施するソリューションもあるようです。これにより、企業は従業員一人ひとりの特徴を明確に把握でき、採用後の教育訓練体系を策定する際や、キャリア形成を考える上で大いに参考になるようです。
AIが本人よりも的確にスキルを判断できるのかという疑問は残るものの、少なくとも効率的な手法であることは間違いなさそうでs。
5.定型業務の自動化で業務効率を抜本的に改善
最後に、文書処理やデータ入力といった反復定型業務の自動化も進んでいるとのこと。例えば従業員の提出書類の画像をOCR(光学文字認識)でテキスト化し、所定のデータ形式でシステム登録を自動で行うという仕組みがあります。
この手の業務は人的ミスも多く、非効率な面が否めない領域ですが、システム化することでミスも減り、処理速度も格段に向上する。まさにスマート人事の有効なアプローチといえるでしょう。
AIで加速する人事業務の進化
今回紹介した事例は、いずれも人手を要する業務プロセスをAIが部分的に支援するものが多かったようです。完全に自動化されているわけではないですが、その部分最適化の積み重ねが、最終的には人事業務の抜本的変革をもたらす可能性があるとLraoughは考えます。
AIは確かに人間の仕事を奪う負の側面もあるかもしれませんが、生産性を劇的に高め、物事の判断を正確・高速に行うという大きなメリットもあるのは事実です。重要なのは、テクノロジーを上手く活用して、「どうやったらもっと戦略的な人事管理ができるか」という視点を持つことではないかと感じました。
面接などの採用プロセスをある程度システム化することで、採用担当者は戦略的な業務へシフトしていける可能性が開ける。人材開発、働き方改革、多様な人材マネジメントなど、より望ましい人事施策に注力していくことが求められるでしょう。
インド企業のAI人材は豊富で、日本よりも先進的な動きも散見します。今後も世界の人事施策の変化に注目したいと思いますので、ご興味ある方は是非お気軽にLraoughにお問い合わせください。
お知らせ
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