数百万の年俸でも求人は難しい！COBOLの人材不足、AIが引き継げるか？
COBOL（Common Business Oriented Language）は、最も古い高級プログラミング言語の一つであり、最も早く標準化されたコンピュータ言語の一つです。コンパイル型言語に属します。
歴史:
1959年5月、米国でCOBOL言語の標準が制定され、1961年に米国データシステム言語協会によって公開されました。正式には1960年4月にリリースされ、Cobol-60と呼ばれています。現在の最新バージョンはCobol-2002です。
1963年、米国国家規格協会によって標準化されましたが、ANSI規格はほとんど守られていません。そのため、COBOLプログラムは部分的にしか移植できません。
40年以上にわたる絶え間ない修正、拡張、標準化を経て、COBOLは巨大な言語となり、複数のバージョンが存在しています。会計業務、統計レポート、計画立案、情報検索、人事管理などのデータ管理や商用データ処理の分野で幅広く使用されています。
COBOLは主に金融・会計業界などの非常に重要な商用データ処理分野で使用されています。COBOLは長年時代遅れの言語とみなされてきましたが、現在でも金融業界のコアシステムの大部分でCOBOLが使用されています。これは、既存システムが大規模すぎて変更が容易ではないことに加え、COBOLプラットフォームの安定性も、その寿命が予想を超えて延びている重要な理由の一つです。
特徴:
COBOLは、データ処理指向、ファイル指向、手続き型（POL）の高級プログラミング言語であり、非常に強力で冗長な言語です。
COBOLは、循環処理サイクルを持つ環境（給与小切手の印刷など）やデータ操作量が非常に大きい環境に適しています。COBOLは主にビジネスデータ処理の分野で使用され、さまざまな種類のデータの収集、保存、送信、分類、ソート、計算、レポート印刷、画像出力などが得意分野です。
COBOLの構文は英語に非常に近く、プログラミングに詳しくない人でもコードを読むことができます。
強力なファイル処理機能を備えており、大量のデータは通常、ファイルの形で磁気ディスクに保存されます。
加算、減算、乗算、除算、べき乗の5つの単純な算術演算のみを提供しているため、科学計算には適していません。
将来のCOBOLは、XMLなどのWeb時代の新技術をサポートする予定です。
COBOL人材の現状:
大企業が依存している従来のITシステムは、重要なスキル不足という課題に直面しています。古い開発者が引退し、その専門知識を持ち去るためです。
コンピュータソフトウェア会社Advanced Softwareが最近実施した調査報告によると、大企業の約9割（89％）が、従来のITシステムを維持・管理するスキルを持つIT担当者の不足を懸念しています。これらのシステムは通常、COBOLなどのプログラミング言語によって支えられており、現在も大規模組織で、請求書、口座、給与明細書、顧客取引などの重要なデータを処理するために使用されています。
Advanced社長のTim Jones氏は、COBOLなどの言語を理解する開発者は、主に着実に引退しているため、見つけるのがますます難しくなっていると述べています。「さらに悪いことに、多くの大学がこのような指導コースの提供を中止しています。COBOLなどの言語を研究開発プロジェクトに使用することを夢見る人はいないからです」。
Advancedが調査した400の組織のうち、4分の3がCOBOLは依然としてメインフレーム分野で最も顕著な言語であると述べています。
COBOLが最も一般的な言語ですが、典型的なメインフレーム環境には通常、CA-GenやCA-Telonから、アセンブラ、Natural、PL1に至るまで、さまざまな種類の言語の組み合わせが含まれています。
Advancedの調査対象組織の3分の1以上（36％）が、労働力市場に参入する人々は「現代的な」スキルしか持っていないことを懸念しています。一方、29％が従業員が従来のスキルを学びたがらないと述べ、28％が人材がJava、Python、C＃などのより現代的な技術を使用する競合他社に奪われる可能性を懸念しており、これらの分野での人材需要は増加し続けています。
60年以上の歴史を持つプログラミング言語であるCOBOL（共通ビジネス指向言語）は、今日でも多くの企業や組織で重要な役割を果たしています。ITBEARテクノロジー情報によると、フォーチュン500企業の70％以上がCOBOLを使用してビジネスシステムと取引をサポートしています。さらに、COBOLはビッグデータの処理においても重要な役割を果たしており、毎日3兆ドル以上のビジネス取引を処理し、ATMカード取引の95％、クレジットカードの対面取引の80％を処理しています。
2020年4月、何十万人もの住民がニュージャージー州の失業システムに申請を提出したため、失業救済の人数が1,600％増加し、COBOLベースのメインフレームに過重な負担がかかり、フィル・マーフィー知事が40年以上使用されている失業保険システムの修復のために、時給55ドルから85ドルでCOBOLプログラマーに助けを求めることになりました。
周囲のビジネス技術、インフラストラクチャ、アーキテクチャが変化するにつれ、圧力は高まり続けるでしょう。従来の専門知識を持つ開発者が職場を去る一方で、新しい開発者は古いシステムを維持するための訓練を受けておらず、そうする意欲もほとんどありません。
上記の状況は主に米国の状況ですが、日本の状況もほぼ同じです。日本の求人サイトを見ると、COBOLの人材不足の深刻さがわかります。以下は2024年4月のある求人サイトのCOBOL人材の求人情報です。現在でも多くのCOBOL需要があり、給与も非常に高いことがわかります（下の図）。
このような膨大なCOBOLコードの移行問題をどのように解決するか。人的処理を最小限に抑え、処理効率を上げるにはどうすればよいか。これは非常に差し迫った深刻な課題となるでしょう。IBMは昨年10月、現在のCOBOL言語に精通したプログラマー不足の問題を解決するために、生成型AIプログラミングアシスタントを発表しました。人材不足を解決する良い方法は、GPT生成AIを使って、人間による解析やコード移行を支援することです。これにより、効率が大幅に向上します。
将来、生成型AIを使って人間によるCOBOLコードのレガシー問題の解決を支援することで、非常に大きな市場が生まれると確信しています。顧客の切実なニーズと厳しい現実、そしてGPTの知能化の急速な進歩が、私たちの大きな原動力となるでしょう。
結論：
COBOLの未来は暗くありません。AIテクノロジーの支援により、COBOL人材不足の問題を効果的に解決し、これらの重要なシステムの安定した運用を確保することができます。AIとCOBOLの融合により、新たな章が開かれ、ビジネス分野の技術革新が促進されます。COBOLの解析と移行に関する詳細については、私たちにお問い合わせください。私たちは、多くのベンダーと協力して、この巨大なビジネスチャンスがありながらも困難な世紀の難問に取り組むことを願っています。