心の声を聴いて
北海道、小樽に来た。憧れの広い広い大地、高いところを目指して歩く。
「人生は山登りだ。」誰でも一度はそう激励されたことがあるだろう。
本当にそうだろうか。
当たり前に存在する表現へも今はそんな捻くれた疑問を投げつけてしまう。
自分は今標高何メートル地点にいるのか。何メートル級の山を登っているのか。
いや、そもそも今、山に登っているのか・・・?
それなりに頑張ってきた東京での生活は、ずっと続く平坦道に思えてきた。
その道にはたくさんの人が、レールを逸れるまいと必死に歩いている。
きっとレールなんて気にしなくてもいいのだろうと心のどこかではとっくに分かっているのだ。それでも、怖くて止まれない。過ぎていく日々。
開けた展望台に着いた。
季節外れの桜という文字が私の心を暖かくした。
この心の開花予想日は、いつなんだろうか。
催花雨と信じてやまない雨が、今日も頬を伝う。
深呼吸して、一旦止まってもいいのかな。