akari-chan @ 災害時の光 (LPA)

ライティング プランナーズ アソシエーツ (LPA) に所属する照明デザイナー集団。日…

akari-chan @ 災害時の光 (LPA)

ライティング プランナーズ アソシエーツ (LPA) に所属する照明デザイナー集団。日常のデザイン業務を越えて、災害発生時とその復興の道のりにおいて照明デザインができることを探る取り組みを進めています。災害時の照明を取り巻く現状課題の解決に少しでも近づけるように活動しています。

マガジン

最近の記事

避難生活体験会レポート Vol.5

場所:神奈川県川崎市 日時:2023年9月2日(土)16:00~9月3日(日) 起床後、2日目の予定は朝食、閉会式、片付けです。 8時半からの閉会式では、参加者全員でアンケートを書いたのち、意見交換を行いました。 意見交換・アンケートでは、照明については概ねよかったという感想をいただきました。大きなものは吊るした時にぶつかってしまう、明るさのバリエーションがもっとあると良い、など今後の改善事項としてよい指摘もいただきました。照明の他、夜間の環境として温度(全体空調の効き

    • 避難生活体験会レポート Vol.4

      場所:神奈川県川崎市 日時:2023年9月2日(土)16:00~9月3日(日) 実際に照明配置した様子、使い勝手、感想 各ユニットに照明や寝具が用意できたら、22時の消灯までは自由時間です。順にシャワーを浴びた後はユニット内でくつろいだり、談話室で交流していました。 その間に、体育館内の常夜灯を配置しました。アウトドアランタンとセンサーライトをメインに、体育館の入り口までの動線をたどれるように四辻や入口前に置きました。必ずどこかの常夜灯が目に入るように検討していきました。

      • 避難生活体験会レポート Vol.3

        場所:神奈川県川崎市 日時:2023年9月2日(土)16:00~9月3日(日) 今回の避難生活体験のために用意した照具ですが、ユニットの外に置くもの、中に置くもの、色々な使い方を想定して数種類の器具を選びました。 ・引っ掛けたり持ち運んだりができるもの ・素材が柔らかく、ぶつかっても安心なもの ・マグネットつきのセンサーライト 加えて、別企画の自宅での非常照明トライアルにおいて使い勝手が良かった、以下の照明も用意しました。   ・キャリー・ザ・サン(CARRY THE

        • 避難生活体験会レポート Vol.2

          場所:神奈川県川崎市 日時:2023年9月2日(土)16:00~9月3日(日) 紙管ユニット設置の後はお楽しみの夕食タイムです。長期の避難生活でも栄養が偏らないよう、また温かい食事がとれるよう、良品計画さんが検討して提供してくださいました。  食事後のワークショップでは、災害避難についてのショートレクチャーを行いました。 今回、照明に関しての主な目的は3つです。 1.体育館の照明 体育館の天井にある照明は、各種競技に必要な明るさを確保するため、避難所として日常生活を行

        避難生活体験会レポート Vol.5

        マガジン

        • 非常時照明を日常の中に
          8本
        • 災害時のあかりのはなし ‐ヒアリングプロジェクト‐
          6本
        • 災害のための照明デザイン 照明デザイナーたちが考えたこと
          8本
        • ある照明デザイン事務所の震災復興照明プロジェクト
          1本

        記事

          避難生活体験会レポート Vol.1

          場所:神奈川県川崎市 日時:2023年9月2日(土)16:00~9月3日(日) 坂茂さんが主宰される NPO VAN (https://shigerubanarchitects.com/ja/van/) は紙管間仕切りシステムを構築し、国内外で災害があった地域においての避難生活の支援を継続的かつ非常に強い情熱をもって継続されてきています。 そのNPO VANの方々にお声がけいただき、2023年9月に、神奈川県川崎市で開催された避難生活体験会にて、避難所の照明という観点にお

          避難生活体験会レポート Vol.1

          非常時照明を日常の中に Vol.8

          非常用照明で過ごす夜 #3 @H宅 <実施バックグラウンド> 体験日時:2021年2月22~25日 終日 の計4日間 ※冷蔵庫・パソコンの電源確保は通常通り。 ※既設の照明器具・エアコンは使わない。 日没時刻:17時30分ごろ 体験人数:1人 先の2回のトライアルから、防災キットの中で使いやすいアイテムがある程度わかってきました。前回のトライアルでは、充電が一晩持たなかった照明器具もあったので、連日の使用や再充電の具合が気になるというコメントもチーム内から上がりました。

          非常時照明を日常の中に Vol.8

          非常時照明を日常の中に Vol.7

          非常用照明で過ごす夜 #2-2  @K宅  緊急時を想定して一晩過ごしてみる中で、ほかにも気づいたことが多くありました。 ・多機能照明について (マルチパワーステーション2)  懐中電灯やデスクライト、ソーラーバッテリー、ラジオ、手回し発電機など、1台何役もする、防災グッズとしてよく見かける多機能照明を試してみました。暗くて説明書が読めないなどの緊急時を想定し、あえて使い方を調べずに使用しました。  便利に思える多機能照明も、多機能な反面、ボタンやモードのパターンが多く

          非常時照明を日常の中に Vol.7

          非常時照明を日常の中に Vol.6

          非常用照明で過ごす夜 #2-1  @K宅 <実施バックグラウンド> 体験日時:2021年1月9日(土)日没から翌朝まで ※冷蔵庫はONのまま、空調はOFF。 天気:晴れ 気温:最高7℃ 最低-3℃ 人数:2人(夫婦)  前日の夜に受け取ったアイテムを開封し、自宅にあった防災アイテムと合わせ、必要なものはコンセントに刺し充電しながら当日に備えます。  当日の朝、ソーラー系を充電するときに気が付きました。  私の家は、北と西側にしか窓がありません。冬場は太陽高度が低く、直射

          非常時照明を日常の中に Vol.6

          非常時照明を日常の中に Vol.5

          非常用照明で過ごす夜 #1 @M宅 <実施バックグラウンド> 体験日時:2020年12月12日(土)日没から翌朝まで ※ 冷蔵庫はONのまま。空調はOff。 天気:曇り 気温:最高15度 最低〇〇度 人数:3人(夫婦+子ども(6歳男児))  チームで組み込んだ非常照明キット一式を受け取り、日没に向けて充電を進めます。  いつでも使えるように、充電作業も日々に織り込む必要がありますね。  子どもには、今日はおうちの中でキャンプだよ、と伝えておりわくわくしています。この機

          非常時照明を日常の中に Vol.5

          非常時照明を日常の中に Vol.4

            購入した器具が一式揃いました。(配送業者さん、いつもありがとうございます!) 新規に購入したのはこの13点 説明書一式もファイリングして、衣装ケースBOXに非常時照明体験トライアルキットとして格納します。 会社の備蓄としていた非常食もストックのローリングとして一回の体験人数分キットに入れることにしました。 非常用トイレもこの際セットに入れたら、、という話になりましたが、ひとまずそれは今回は組み込まず、初回の非常時照明体験トライアル先へと発送します! つづく。

          非常時照明を日常の中に Vol.4

          非常時照明を日常の中に Vol.3

           非常時照明を日常の中に混ぜ合わせるために、何が一番有効でしょうか。非常時照明は気にしているし、いくつか持ってもいるけど、実際使ったことってどれだけあるかしら。。 便利そう!役に立ちそう!と思って入手したものも、実はあまり使ってみてなかったりするな、、と先のチームワークショップでも話題に上がりました。 非常時照明の特性やキャラクターの軸は、だんだんと見えてきました; ・連続点灯時間長 ・明るさの強さ ・光のキャラクター(拡散光なのかスポットライトタイプか、揺らぎ、うつろ

          非常時照明を日常の中に Vol.3

          非常時照明を日常の中に Vol.2

           みなさん、非常時のためにどんな照明を備えていますか?懐中電灯、ヘッドライト、充電式、手巻き式、ラジオも聞けて、、とにかくたくさん種類がありますよね。  多様な種類がありそれぞれに強みはありそうですが、何が自分にとって一番良いかとなると、なかなかそこまで比較検討できず備えている、または購入に二の足を踏んで備えきれず、、というところで止まってしまう気がします。  そこでまずは、私たちのチームの中で、各自がすでに備えているものを持ち寄ってみることにしました。(新型コロナにおけ

          非常時照明を日常の中に Vol.2

          非常時照明を日常の中に Vol.1

           私たちが“復興照明プロジェクト”を立ち上げる契機となったのは2011年3月11日に発災した東日本大震災です。照明デザインを生業とするプロフェッショナルとして、災害時・非常時にも私たちの職能が力になれることはあるのか、と立ち上げたプロジェクトは、有志が折に触れ集まりながら社内活動として続いてきました。      2016年にはヒアリングプロジェクトとして気仙沼に出向き、発災後や避難所のあかりの経験を聞かせて頂いたこともありました。お話を伺ったうちのおひとりに小学校4年生の

          非常時照明を日常の中に Vol.1

          災害時のあかりのはなし #5

          2016/08/16 @気仙沼 A先生 A先生は小学校の先生です。先のMさんと同じく”小泉Coolなおやじの会”として、夏祭りの再開にご尽力されていました。 現在気仙沼の小学校にお勤めのA先生は、東日本大震災発災当時、南三陸の小学校に勤務されていました。 勤めていた南三陸の小学校は高台にありましたが、地震が起きたあと、校長の判断で子供たちをつれて更に高台の学校に避難しました。津波の土埃で空が黄土色になりました。当時は小学校4年生の担任。女の子たちは泣いていました。毛布に

          災害時のあかりのはなし #5

          災害時のあかりのはなし #4

          2016/08/16 @気仙沼 Mさん お話を聞いた前日は地域の夏祭りの日でした。地域のみなさんの手で夏祭りを再開したいとご準備を進められて、石巻に収蔵頂いていたあかりカフェのキットを地域の方々で運搬、設営してお使いいただきました。その夏まつり主催の気仙沼”小泉Coolなおやじの会”のおひとり、Mさんにお祭り翌日にお話を伺いました。 2012年7月の山田大名でのあかりカフェ(初めての開催)に、娘と参加してたんですよ。 私は地域の消防団に所属しています。東日本大震災発災時

          災害時のあかりのはなし #4

          災害時のあかりのはなし #3

          2016/08/15 @気仙沼 Kさん、Hさん 気仙沼のあかりカフェなどを通して知り合った方々にお願いをして、次にお話を聞けそうな方を紹介して頂くことを続けました。皆さんご多用の中、厭わずお話を受けて下さり、私たちも非常に身の引き締まる思いでした。 Kさんは、永らく遠洋漁業の漁師さんとしてお仕事をされていました。東日本大震災発生当時は気仙沼市本吉町前浜地区の自治会代表をされていた関係で、避難所の代表をもおつとめになりました。避難所を運営されていた際の記録ノートを持ってきて

          災害時のあかりのはなし #3