中国の創作物で男性主人公やヒロインに多い名

 実は中国のアニメ見ながら、細々と統計を取っている。ものすごく途中なんだけれども、すでに一番多い名前は決まったも同然なので、発表したいと思う。
 ※私が見ているのは男性向けの俺TUEEEアニメが主なので、知識もそちらに偏っている。

男性主人公に多い名

楓(feng1:フォン※ンは弱く)フウ
 楓は現実でもとても流行っているので、そのうち廃れそうではある。使われ過ぎなので、俺TUEEEクソアニメの主人公とも被ってしまうかもしれない。むしろ避けるべき名になっている。
 他に多い名は作風にもよるのだけれども、「川(河)」「山」「峰」「元」「昊」みたいなごく普通の名である。
 男性向けの作品での男性キャラの名前は基本的には普通が多い。次にすごい中二病の名前もそこそこいる。中二病の名前については「みんな大好き!中二病の名」で解説している。

ヒロインや美女に多い名

児(er2:※日本人には発音できません)ジ
 正確には「〇児」という名がとても多い。〇に入る漢字は「玉」「月」「雪」「冰」「霊」「婉」「容」などで他にも沢山ある。
 歴史や武侠、仙侠、ファンタジーなどに登場する女性キャラによく使われている。現代物にはあまり使われない。
 児の意味は多数あるけれども、元々は愛称として一族の目上の人や師匠に当たる人が愛情をもって「(可愛い)○ちゃん」と呼ぶ際に「〇児」と呼ぶことから、その後、女性の可愛らしい名前として定着した。愛称としては男性にも使われる。夫婦で呼ぶこともある。古代では男性の名前にも使われていたけれども、現代では(多分)あまり使われていない。「(可愛い)〇ちゃん」系の名前についてはおまけを参考にして欲しい。
 この「〇児」という名のいいところは、なによりも簡単に女性キャラであるという事が分かり、丸に入る漢字もそんなに奇をてらったものにする必要がないところだ。
 統計途中なのではっきりとは言えないけれども、ヒロインや美女の名で一番多いのは「玉児」「月児」「雪児」「冰児」「霊児」のどれかで、トップ5はこの5つでほぼ決定だと思われる。(いまのところ霊児が一歩リードしている)

おまけ。「〇ちゃん」系の名前について

 「〇児」「小〇」「〇〇」「阿〇」の4種類がある。ちょっとずつニュアンスは違うんだけれども、はっきりと「これはこう」とは説明できない。ざっくりとした説明になる。日本語訳はだいたい「〇ちゃん」になる。
・「〇児」
 本名としては女性が大多数で、やや時代がかった印象の名になる。現代人でもいる。
 愛称として使う場合は〇の中に名(諱)が入る。男女両方に使う。詳しい説明は上の「ヒロインや美女に多い名」を参考。
・「小〇」
 本名としては男女両方、時代は問わない。
 愛称として姓名どちらにも使い、姓に使う場合は年下に対して、名(諱)に使う場合はかなり親しい間柄の人物に使う。現代では中国の北の方の地域でよく使われている。ちなみに年上に対しては姓に「老〇」と老をつけて敬意と親しみを持って呼ぶ。
・「〇〇」
 ○には同じ漢字が入る。
 本名としては女性が大多数で男性にも稀にいる。ちょっと前に流行ったため、やや中年から年配の印象になる。
 愛称としては男女両方に使う。
・「阿〇」
 本名としてはあまり使われない。いないわけではない。
 古代、男女どちらともの幼名として使われ、中国南方の地域に伝統として現代にも残っている。
 幼名としては〇の中には呂蒙の「阿蒙」のように名(諱)か、曹操の「阿瞞」のように全く関係のない漢字が入る。
 現代でも愛称として使われている。一時期アイドルなどの愛称として盛んに使われていたけれども、最近はやや下火。たぶんもう少ししたら復活する。

 ちなみにどれも愛称としてはだいたい1000年以上の歴史がある。

#中国の創作物の人物名

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