バッグインバッグについて。

 カバンの中で本と革の財布が擦れて財布の色が本の小口に移ったりしたことはないだろうか。カバンの中にちゃんと本の居場所を確保するのはなかなか至難の業であった。「であった」と過去形であるのは、ようやく解決策を見つけたからである。それが今回紹介するバッグインバッグである。
 まずは失敗談から。ネット広告や宣伝記事などで無印良品のバッグインバッグをまず使ってみたのだが、A5サイズのメッシュタイプのもので、確かに自立はするのだが、自分の使っている二つ折りの財布を横倒しに入れようとするには寸法がぎりぎりで、縦に収納するにもメッシュ素材のため出し入れするたびに擦れてしまって財布の端が傷んでくるようになったので、しばらくして次なる候補を検討し始めた。もちろん、カバンの中で空間が仕切られるというのは素晴らしいアイディアなので、財布や本が別々の空間に収納されるようになって本は傷みにくくなった。それでもバッグインバッグ自体がカバンの中の仕切りになって空間を分割する形であったので、本は必然的にバッグインバッグの外側に、そっと小口を下向きにして入れていたのでそれなりに課題を感じていた。
 そこで次なるバッグインバッグを探していたのだが、まずフェルトタイプを検討した。フェルトタイプはある程度の硬さがあり、軽くて評判も良さそうであったのだが、なんとなく避けた。というのも熱がこもりやすくなりそうなのと、フェルト自身がそれなりに擦れていくであろうこと。先の問題点である、収納スペースの広さと財布などの収納物を傷つけないというハードルは難なくクリアしそうであったのだが、どうしても色味や肌触り、それから硬さと空間の仕切り方は実際に触れて見てみないとわからないなと思い、見送った。
 そこで次に検討したのが今回購入したバッグインバッグである。これはある程度の硬さのある少し厚めのポリエステル素材でできており、広めのポケットが特徴である。この製品は500mlのペットボトルが縦に収納できることを念頭に置いたポケットをはじめ、ゆったりとした設計になっている。何よりもうれしいのが、文庫や新書を縦にきれいに収納できるポケットが二種類あり、真ん中の大きなポケットも四六判の単行本を横倒しにも収納できることである。柔らかくかつそれなりに硬さのある生地なので収納物に合わせて自立して空間を程よく仕切ってくれるため、カバンの中でどこに何があるのかわからないということがなくなった。ポケットの一つに長財布を縦に収納することができ、本も別の空間に収納できるようになったので、カバンの中でページがぐしゃっとなることも本の小口に財布が擦れるということもなくなったのは言うまでもない。カバンの中で何がどこにあるのかわからないということになった経験のある方はぜひ使用を検討してみてはいかがだろうか。


いいなと思ったら応援しよう!