「ロ・ギワンに会った」をよんで
Netflixで映画が配信になっている。
映画は「ロ・ギワン」という題です。
北朝鮮は未知の部分が多い国ですが、最近はドラマや映画のヒットで、
すこーし知られるようになっている気がします。
が、それはあくまでドラマであり映画です。
実際に北朝鮮で撮影できるわけはなく、脱北者の証言や体験談をもとに想像して作り上げるしかないはずです。
もちろん、できるだけ取材に忠実に作り上げるものも多いですが。
それでも作品が尽きないのは、どこかでみんなが、
気になっているからなんだと思います。
映画では主人公のギワンがメインで話が進みますが、
小説では1人のライターの女性が、
ある記事を読んで知ったギワンに会いに行こうとする過程が描かれています。
ライター自身が抱える苦しい思いになる出来事と、ギワンの人生を振り返っていく過程が並行して進んでいき、ライター自身の気持ちの整理もゆっくりと進んでいきます。
映画よりも静かに流れていくストーリーはとても良いものでした。
脱北。
出来ればみんながすぐに生活が良くなるわけではありません。
言葉も分からないうえ、日常での買い物や通信のための電子機器などもおそらく使い方が分からない。
栄養不良のために体も強くない。
色んな大変さがギワンの難民申請を難しくしていく。
それが読んでいて本当に悲しい。
でも人間って強いなと、力ももらえるような。
実際にベルギーでさまよう脱北者の、実際の取材記事がきっかけで書かれることになったこの小説は、とてもリアルでした。
映画を観た方も、ぜひ原作を読んでいただきたいと思います。
映画はNetflixなので、観れないよという方も本が好きならぜひ。
わたしは図書館で借りたのですが、いつか買って手元に置きたい。
そう思う一冊でした。