読み手の視点トリック「僕の殺人計画」
しばらく読書もnoteもサボってしまっていたが、一冊読み終わったのでメモ。
今回読んだのは「僕の殺人計画」
いつも通りKindle Umlimitedでチェックして読んでみました。
主人公はミステリオタクの出版社の編集者。
ある事件でミステリ出版部門から外されてしまった、30代半ばの男性。
妻子と共に燻るものはあるものの、それなりに自分の想定通り平和に過ごしていたが、ある日会社へ「自身が完全犯罪の被害者として殺害される」という原稿だった・・・
折角の設定が埋もれてしまった。けれど、それもおそらく作者の想定内?
正直、あらすじにあるものはきっかけに過ぎない。
この本の面白いところは「語り部の顔が見えないこと」が読者を引っ掛けるものになっていて面白かったです。
結構賛否分かれるものだと思うし、最終的には十角館〜と通じるものがあったような気がするので、どこかオマージュしていたのかもしれない。
けれど作品としてはちゃんと楽しむことができました。
一番の感想としては、普通の人が一番怖いってことですね・・・というところ。
(あと女のカンと行動力を舐めてはいけない)
いくつか「あれは結局なんだったのか?」と中途半端な回収になってしまった伏線もあったけれど、視点の切り替えなどもわかりやすくて読みやすく楽しく読了できました。