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詩の臨場感を高めるテクニック①〜風景描写〜

以前に、「歌詞が書けなくなるほどの衝撃を受けた話」という記事を書いた中で、「何が違うんやろ?」と分析したことがあると書きました。
その中で、いくつか思うことはあったんですが、今回は、その中の一つを書いてみたいと思います。よければご覧ください。

映像を描く

例えば、目の前に美味しそうな飲み物があるという表現をするときに、

「美味しそうな飲み物がある」

と書いても伝わりますが、

「夏の炎天下、冷たいペットボトルの蓋を開けたら、シュワシュワと泡の弾ける音がした」

とかにしてみると、目の前の状況を描写しているだけで、美味しそうとか、書いてなくても、美味しそうと伝わる気がします。

実際の歌詞で〜ケース1〜

例えば、徳永英明さんの「Rainy Blue」という歌詞の出だしの歌詞。

人影も見えない 午前0時 電話BOXの外は雨

この一文で、時刻や、天気、状況が見えてきます。

切ないとか、悲しいとか、そういう言葉は出てこないのに、なんとなく、詩の主人公の気持ちが出ている気がしますし、切ないとか、悲しいとかだけだと伝わらないような、まるで、映画のワンシーンにいるような錯覚を起こさせてくれるようです。

私が好きなというか、聴いていて面白いと思うのは、こういった具体的な風景描写が出てくる時です。

実際の歌詞で〜ケース2〜

次に、中島みゆきさんの「悪女」という歌詞の出だしですが、

マリコの部屋へ 電話をかけて 男と遊んでる芝居 続けてきたけれど

とあります。
主人公が、女友達に電話して、見栄を張っているような場面に思えますが、場面を書いてくれていることで、その情景が、まるで映画のワンシーンのように浮かんでくるような気がします。

特に、中島みゆきさんのフォーク色が強かった頃の歌詞には、そういう表現が多くみられるので、聴いていてとても楽しいです。

余談ですが、美輪明宏さんの著書で、「天声美語」という本があり、その最後に、おすすめの音楽などがリスト化されているのですが、数少ない日本の曲の中で、「中島みゆきさんの初期の頃のアルバム曲」が入ってました。

私と同じ理由で、ピックアップされたかどうかはわからないのですが、なんだか嬉しくなってしまいました。

実際の歌詞で〜ケース3〜

その書籍のなかで、同じように挙げられていた「神田川」の歌詞も、主人公が暮らしていた場面や、情景がすごく浮かびます。
そういう歌詞というのは、歌詞を読むだけでも面白みがあります。

ぜひ自分の作品にと意気込んで・・・

これに気がついてから、私も自分の曲に歌詞をつける時には、風景描写を意識してみようと思って、チャレンジしようとしてきましたが、なかなか難しくて、苦戦してます。
理想はあっても、実際に実現しようとすると難しいです。その場面のイメージが浮かばないです。いつか、そんな歌詞を量産してみたいなぁと思いますが、、、。日々勉強ですね。

進まない筆…

おまけ

そういえば、昔、風景描写についてとても興味深い記事を見つけたことがあったので、紹介したいと思います。
風景描写や、心情描写をうまく取り入れることで、詩の世界へ、読者の気持ちをグッと感情移入させやすくするという内容で、非常に面白かったです。
今回の記事に興味があった方は、みてみても面白いかもしれません。

↑こちらは、物語の作り方のコツとして、事実描写や、風景描写、心情描写について書かれています。

↑こちらは、具体的な表現を入れることで、読み手の頭に鮮明に映像が浮かぶ技術的なことに書かれています。

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