その香りは偶然に 「紅茶はアールグレイ!」

どうも、お疲れ様です。
書き入れ時を迎え、推し活すらままならない過酷なシーズンに突入してしまった心配商人です。
やりたい事ができずフラストレーションを溜め込みまくっている自分だが、どうにかして落ち着かなくては。
こんな時よく口にするのが、紅茶である。

自分は大の紅茶好きだ。年中飲んでいると言ってもいい。
そして割と嗅覚に優れるので、香りにはちょっと五月蝿い。
ローズのように鼻をつく強い香りは苦手だし、ハーブ(特にハッカ)系の強烈に爽快さが抜ける感じもあまり好まない。
ともすれば、ジンジャーの刺激的な香りは合うのに、シナモンのお香的な感じは合わない。スパイスは我ながら線引きが謎な部分である。
そんな高感度特殊鼻センサーの最高評価を受けたのが、アールグレイ。
一番のお気に入りだ。

これだけ言っておきながら、実はつい先日までそこまで茶葉やフレーバーにこだわり持って紅茶を選んではいなかった。
喫茶店で選ぶなら気分でウバやダージリンを決めていたし、家で飲むならお手軽なBlendy stickの紅茶オレを長年愛飲させて頂いている。
ではなぜ急に、「紅茶はアールグレイ!」と言い始めるに至ったのか。
それは、とあるお店との邂逅があったからだ。

ある休みの日。
たまたま自分が紅茶好きである事を知っていた友人の誘いで、ルイボスティーの専門店に足を運ぶこととなった。新しくできたばかりのお店である。
正直な事を言うと、この時はまだそこまで関心が無かった。
紅茶好きが聞いて飽きれる、と言われれば本当にそうなのだが、何かの思い込みからか「ルイボスってなんか好みの香りじゃなかった気がするんだよなー」と考えていたのが原因だった。
とはいえせっかく紹介してもらったし、ちょうど喉も乾いてたし試飲できるならいっか!という大変失礼極まりない気持ちでお店に入る事を決めた。
クソ客で本当にごめんなさい。

店内には思いのほか、多種多様なフレーバーが並んでいた。
よく冷えている事が分かる、結露たっぷりの大きな試飲ボトルは一層目を引く。
勝手に選んで飲んでまわって良いとの事だったので、まずは一際涼しげな青色を放つボトルの前へ。バタフライピーだ。
一口サイズの紙コップを蛇口に控え、くいっとコックを傾ける。

こぽこぽ
きゅっ

スンスンと香りを嗅ぐ。
なんというのかな、ほんのりラムネのような、爽やかな甘みのある香り?
色からの先入観かもしれないが、これブルーハワイじゃね?と思ってしまった。(ブルハワに香りはないだろ)

こくり、と一口。

うん、やっぱブルハワだ!
無糖なのだが、確かにこれまた爽やかな甘みを感じさせるフレーバーだった。
清涼飲料水みたい、ゴクゴク飲みたくなる喉ごし。美味しい。

…あくまで個人的な感想だからね?感じたままに書かせて欲しい。

その後も試飲できるアイスティーを一通り口にし、フルーツの甘い香りで満たされた頃合いで、今度はあったかい紅茶が飲みたくなった。
そこで目に入ったのが、アールグレイだった。

「一通りフレーバーティーは楽しんだし、ちょっとリセットすっかー」
そんな軽い気持ちで手に取り注いだコップから、温かな蒸気に合わせて驚くほど芳醇な“紅茶”の香りが鼻腔を突き抜けていった。
衝撃だった。決して大袈裟ではなく。
自分の中にあった純然たる紅茶の香りのイメージそのものが、手元から渾渾と湧き立っていたのだ。
ついさっきまで楽しんでいたすべての残り香が、跡形もなく吹き飛んでしまった。

買う!これは買う!絶対買って帰る!
出涸らしの処理は?そんなん何とでもする!
茶漉しは?専用のボトルがある?それも買う!

普段買い物は後先の事をしっかり考えてからするタイプなのだが、この時は予算もリスクも全部ぶっ飛ばしてレジに直行した。
荒ぶる衝動買い男相手でも、店員さんは優しく一通り説明して下さったので、後でこんな筈じゃなかったとかは勿論なかった。
むしろめちゃくちゃ良い買い物をさせて頂いた。

この専用ボトルというのが優れ物で、ステンレス水筒内上部に茶漉しがセットできる構造になっている。
そしてルイボスティーはお湯に入れっぱなしにしても出過ぎる事がなく、渋くならないと教えてもらった。茶渋も出ないそうな。
これは朗報だった。

自分は寒いのが本当にダメだ。
でも仕事先は屋内で、あろうことかエアコンが真上にある。
外が暑くなるにつれて、冷気の出力もガンガン上がる。
汗をかくとシャツが絞れるほど濡れる自分には、最早この環境は冷蔵庫。
ついこの間まで暖をもたらしていた自販機は、美しいまでの青一色掌返し。
一個くらい赤残しといてくれてもいいじゃん!と常々思う。
そう。
自分にとって夏場の最大の敵は、寒さなのだ。
なのでこの入れっぱなしホット紅茶ボトルを手にしてからは、この問題が大幅に改善されることになったのだ。命救われましたホントに。

そしていつもなら洗い物一つ増やすのも面倒くさがる自分なのだが、いざ使ってみると本当にボトル内に茶渋がつかない。
買ってからほぼ毎日使っていて、もう20日以上経つのに。
これだったら無理なく続けられる。
ズボラな一人暮らしにとって、心強い味方だ。

そんなこんなで、紅茶は今まで以上に欠かせない存在となっている。
冷たい物を食べがち飲みがちなこの時期こそ、体を内側から温めてくれるホットティーはありがたい。
自分に合う香りを嗅ぐと、気持ちも和らぐ。
束の間のフリータイムくらい贅沢したいし。
まぁおっさんが紅茶片手に優雅な休日、なんて見てくれひっでぇ絵面なんだが。
誰も見てないし、いいでしょそんくらい。

というわけで
もしここまで読んで下さった方がいたなら、きっと貴方は紅茶が好き、あるいは興味がある方なんだと思う。
であればぜひ、H&F  BELXというお店を調べてみて欲しい。
近くに店舗があるのであれば、ぜひ試飲してみる事もオススメする。
ちょっとお値段張るなぁと思うかもしれないけど、簡単に続けられるし美味しいから。
自分のようになんとなく紅茶を知っている身でも、世界がガラッと変わるかもしれないし。

さて、今回はこんなもんかな。
初めてまともに書いてはみたつもり。
次回はあってもこうとは限らないので、期待しないでいただきたい。
気分屋なので。
それでは


緑茶の爽やかな飲み口も、コーヒーのコク深い苦味も好きだけど、
やっぱり自分は紅茶かな。

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