アジサビキはルアーフィッシング? ~アジングへの接近~
海釣りで一番な好きな釣り方は何ですか。そう聞かれれば、恥ずかしくもなく「サビキ釣りです!」と答える私です。最もポピュラーな釣り方の一つではありますが、実は意外と奥が深く、様々な知識・経験・工夫・技術を組み合わせて釣果に結び付けていく面白さがあります。あなどるなかれ、サビキ釣り。
一般的にはコマセで魚を寄せて釣る方法が用いられますが、時にはコマセ無しのサビキ釣りが成立することもあります。私が住んでいるエリアではあまりアジの回遊はないのですが、ある季節のある場所に絶品アジが現れる傾向があります。アジが回ってきた季節にはそれこそ熾烈な場所取り合戦が起こるのは悩みどころ。常夜灯の灯りを中心にして天然のアミに執着したアジがたむろします。そこにコマセを入れたら爆釣じゃないかと思うのですが、これがうまくいきません。自然のアミエビにはかなわないのか、冷凍コマセのアミにはちっとも反応してくれないのです。だから、コマセを使うのはお金の無駄、手返しの無駄、ということでコマセ無しのサビキ釣りが繰り広げられます。
本当にコマセなしで釣れるのでしょうか。問題なくアジは釣れます!ただし、クセの強い釣り方をしていかなければなりません。釣るための優先重要事項が以下の通りです。
1.アジのいる棚(深さ)にサビキ仕掛けを直撃させること
2.アジのとどまる潮筋に仕掛けを流すこと
3.アジが口を使うアクションを織り交ぜること
4.状況にあった針・仕掛けを用いること
そう思いますと、これって完全にルアー釣りの思考ではないですか?アジングをはじめメバリングやルアーシーバスなど、はたまたフライフィッシングでやってることと一緒だと感じるのです。
何個もの電気ウキが水面に並びます。気まぐれな動きをするアジに対して、複数の釣り人たちでその日の棚や筋を探しあっていくことが釣果アップの第一歩です。これが案外と難しく、表層からボトムまで、またヘチから流心までを手分けしてアジの存在を探します。ようやくアジの所在が特定できれば、各々のアクションを織り交ぜて食わせていくわけです。最後に、アクションについてです。食い気の立っているアジならばナチュラルドリフト、スローなただ巻きで食ってきます。大きくしゃくってフォールを見せる釣り人もいます。その中でも強烈に効くのが小さなトゥイッチです。サビキ針が水中で2~3センチ動くかどうかの微細なアクション。あるいはラインスラッグだけをはたくようなピクッとだけサビキ針が動くアクション。結局は、近くでアジングをしているお兄さんとかと同じような動きになっていくのです(笑)最近では、サビキ釣りとアジングは極めて近い関係であると感じ、アジングの方々の話も興味深く聞いて取り入れています。
そして、コマセ無しでサビキ釣りを成立させようとしていく中で、実はコマセを使うサビキ釣りであってもそこにはルアーフィッシングの要素を織り込んでいくことができるのだと気づかされます。サビキ釣りもルアーフィッシング、そう捉えるとまた楽しみ方が増えるのではないでしょうか。