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「すいかの名産地」とミンストレル・ショー

アメリカでは、スイカは黒人差別アイテムなんだそうです。日本人としては意味不明すぎてポカーンですが、現実にそういうのがあるらしいんですね。

そうなってくると、「すいかの名産地」の原曲「Down Where the Watermelons Grow」にも、何か含みがあったのかどうか気になります。

ミンストレル・ショー

「Down Where the Watermelons Grow」について、オリジナル&カバー楽曲のオンラインデータベースsecondhandsongs.comで、次のように説明されています。

Written for Eddie Foy for his May 24, 1909 performance in the "Lambs' Star Gambol" at the Metropolitan Opera House in New York City. Later in 1909 this song was popularized by John King through his performances with the highly successful Cohan and Harris Minstrels. Ren Shields wrote many verses for this song including some that were specific to the local areas where the Cohan and Harris Minstrels were to perform.

secondhandsongs.com

意味を要約すると:

(「Down Where the Watermelons Grow」は)1909年5月、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で行われた"Lambs' Star Gambol" に出演したEddie Foyのために作られた。その後、Cohan and Harris Minstrelsの公演を通じてJohn Kingがこの曲を広めた。そのために多くの作詞が行われ、中には地方公演用に特化したものもあった。

「Down Where the Watermelons Grow」は、20世紀の初め、今から100年ほど前、ミンストレル・ショーの地方公演で歌われて全米に広がっていったことが、ここから分かります。

ミンストレル・ショーは、顔を黒塗りした白人が滑稽なお芝居をする、人種差別的な見世物です。

ということは、「Down Where the Watermelons Grow」は、人種差別的な見世物で、差別の象徴アイテムを歌った歌ということになります。

このような事例はアメリカではそれほど特殊ではなく、ミンストレル・ショーで使用された楽曲は、マイルドにアレンジされて、キッズ向けソングとして現代に生き残っているものが幾つかあるそうです。

音源

1929年のミンストレル・ショーで「Down Where the Watermelons Grow」が使用された音源がYouTubeで聴けます。
※差別的内容を含むためご注意ください。