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「サラスポンダ」聖歌説
1990年代にサラダスパゲッティーのCMソングに使われた、「サラスポンダ」という歌があります(↓)。
日本では1950年代くらいから知られていたようです。一度聞いたら忘れられない意味不明の歌詞(↓)で有名でした。
一般に、「サラスポンダ」はオランダの紡ぎ歌で、意味不明な歌詞は、糸紡ぎの音を模したものだといわれていますが、ちょっとミステリアスなのは、オランダ側からそれを裏付ける証拠が出ていないこと。
なので、本当のところは分からなくて、アメリカで創作された可能性もあります。その場合、オランダ紡ぎ歌説がどこから来たかということになりますが、例えば「Sarasponda」を「Sarah spun the…」などと解釈して、紡ぎ歌といえばオランダに違いない!!とか、考えた人がいたのかもしれません。あくまでただの想像ですが。
さて、ここからが本題です。ちょっと面白いのは、1940~50年代のアメリカの歌集に載っていた「サラスポンダ」を見たであろう、日本のおそらく教会関係者の方が、これを聖歌と解釈してクリスマス歌集に載せているんです(共同音樂編集部 編著「クリスマス名曲集」、共同音樂出版社、1953年)。
しかも、ちゃんと訳詞がついていて、後半のサビ以降が日本語になっています。その趣旨は「主の声を讃えよ」です。
「主の声を讃えよ」がどこから来たのか想像すると、おそらく、サラスポンダを、Sa responda、サビを、Adora-o! などと解釈したのかなと思います。ラテン語なのか、ポルトガル語なのか、分かりませんが。
結局、聖歌バージョンはその後忘れ去られてしまいましたが、とはいえ、最有力とされてきたオランダ紡ぎ歌説に何も証拠が見つかっていないのだから、ひょっとすると聖歌説が正しい可能性もあるかもしれません。そうだったら面白いよね。
以上をまとめると、「サラスポンダ」の起源は
1,オランダ紡ぎ歌説 最有力とされてきたが証拠がない
2,アメリカで創作された説 1じゃなければ多分これでしょう
3,その他いろんな珍説の中に
謎の聖歌説もあり 1950年代、日本で聖歌として解釈されたことがある
という内容でした。