【FF14】ヒーラーストライキ #FFXIVHEALERSTRIKE が話題になっている件について
FF14のENフォーラムでは、メインヒーラーのプレイヤーたちが現在や今後のヒーラーの在り方に不満を持ち、ストライキをしようという動きとそれに対する議論が活発になっているっぽいです。
詳しい概要は以下で。
今回ちょこっと書こうかなと思ったのは、海外のプレイヤーと日本のプレイヤーではヒーラーロールの在り方というか、ヒーラーとしてのロールプレイやゲーム体験をどう捉えているのかの違いがとても興味深くて面白かったので、そういう比較の観点を残しておきたかったから。
ちなみに、自分自身はそれなりに不満はあるけど、現状のゲームシステムの枠で面白さを見つけたらいいじゃない派なのでどちらかというとCBU3擁護派に近い立場かもしれない。なんだかんだでFF14自体は楽しんでいる。あと英語は出来ないので全部機械翻訳。
彼らが掲げる5つの問題・マニフェスト
なぜ彼らがストライキを呼びかけるに至ったかというと、それにはまず5つの理由がある。
自己軽減・回復アビを他ロールに持たせてしまっている
持続性(耐久性)や自己回復を他のロール(主に戦士)が所持することにより、他者を回復する役割であるヒーラーの仕事や立場が侵害されている。
過剰に簡易化された攻撃スキルローテーション
あまりにもシンプルすぎる攻撃スキル。他のジョブと同じように、間に挟む攻撃スキルはもっとやりがいのあるものであるべき。私たちはヒーラーだけど、同時にキャスターでもある。
均質化されたヒーラージョブ
全てのヒーラージョブの個性が失われてしまっている。例えば、学者のセラフィズムは妖精モチーフではなく天使的である事も。
過剰な数のアビリティヒール
その手段は豊富になり、かつ強力である。さらに他のジョブの軽減や回復能力も増えたことで、相対的にヒーラーの存在価値を弱めてしまっている。
ほぼすべてのコンテンツにおいて被ダメージ等が少ない
現存するコンテンツのほとんどにおいて、ヒーラーを強く必要とする場面が少ないということ。もちろんMSQ(メインクエ)の進行を妨害するような難易度にはできないと思うが、ヒーラーとしての役割を果たす能力を活かすにはもっと革新的な方法を取るべきである。
つまり、
・戦士が自己回復とか軽減持ちすぎてて仕事ない
・攻撃が111連打でつまらんのでもっとテクニカルにして
・どのジョブも個性がない上に見た目もヒラらしさを強く意識しすぎている
・アビヒール強すぎる、他ジョブも回復あったらワンポチゲーじゃん
・もっと積極的にGCDヒールさせるようなメカニクスの戦闘を作ってよ
という問題点を、スクエニ側が解決するそぶりがないからストライキしてヒラ人口減らしてやる!というのが今回の騒ぎ。
実際日本ではどうなのという話
海外ではShB(漆黒)あたりからこの辺は常に言われ続けてきたようで、結構根深い問題と認識されているが、実は日本のフォーラムやSNSでも全てではないが一部の事柄については問題視されていた。
問題とされている部分
特に直近でいうと、黄金のレガシーのメディアツアー情報が解禁された現時点で一番大きいのが、3番目の「ヒーラー4ジョブに個性がない」というところ。
実際に能力の観点で見ても、BHには3分アビのGCDシールド強化+継続回復が渡され、PHには2分軽減アビにproc追加という形で追加効果を重ねられるものとそれぞれのカテゴリに共通したアクションが渡されている。
PH2ジョブとBH2ジョブに分けて考えても、追加される新しいアクションがほぼ同等になるよう想定している効果のものなので各ジョブのユニークさというものが無く、かつ差別化しようとして変更された能力で若干の優劣がついてしまう事に対しての不満は少なくないように見える。
実際、白のテンパランスに追加でバリアと回復がつくのに対して、占星はアスヘリでバリアをする必要がある上に追加が割合軽減のみという部分に関して、そもそもBHの観点で見てもproc30秒の猶予を活かせる状況が限られており、バリアスキルとしてもかみ合っていない部分があるように思う。
この辺について個性を出す事をやめたのは、やはりレイドでの採用率やたまに話題に挙がる『ジョブハブ』を過剰に意識している節があるのではないか? と思うくらいにはあまりにも全てが横並びで、本当にVFXとわずかな効果の違いしかないのではないかというくらい黄金の追加スキルについてはワクワクしなかった。まだ暁月の疾風怒濤の方がテンション爆上がりだったわ。その割にはだいぶツイッ……Xで話題にしてたじゃんというのはナシ見た目についても、挙げられている通りセラフィズムは日本でもやや否定的な意見が多く、見た目の変化について強制変化させるなというのはもちろんの事、「軍学者と妖精がモチーフのはずなのに急に天使(しかも綺麗でない羽つき)になるのは納得いかない」というような部分と、「そもそもカッコいい系ヒーラーが良かったのに強制ヒラヒラローブはやめて」という部分が入り混じっている。自分は男キャラなので後者の嫌悪感が一番強かった。まあもう使ったらたぶんどうでもよくなりそうだけど……。
そこまで問題じゃないけど、たまに不満が出る部分
次に、2番目の「攻撃のバリエーションが少なく単調であること」と、5番目の「ヒーラーを強く必要とする場面が少ない」という部分も、あまり表面化はしていないものの時々日本のフォーラムでホットな話題になるくらいには問題視されている。
攻撃のバリエーションについては、「あまりに多すぎても使いこなせないかもしれないが、昔のエアロガやミアズラのようにバリエーションがもう一つはあっても良い」というような声が一番大きいと思う。エアロガに関しては正直あの杖をくるくる回すモーションがお気に入りだったというプレイヤーが多いと思うのでその補正もあるようには感じるけど。ちなみにゾットの塔でクルルさんが使ってくれるのでモーション知らない人は見に行ってほしい。
ただ、黄金での賢者におけるEドシスにEディスクラシアを重ねて2つDoT管理することについては結構賛否両論というか、Eディスクラシアを当てるために近付く必要がある関係上「付与・管理がめんどくさいのでやめてほしい」という意見もチラホラ見る。ミアズラあった時代の学者に謝ってって思ったけどミアズラMPコスパ悪いからバーストくらいにしか入れてなかったな
ヒーラーがいる必要があるのかないのか問題は、漆黒の時くらいに、フォーラムで「もっとヒーラーらしい事をさせてほしい」という主旨のスレッドが1人のプレイヤーの手で乱立していた事があったので意外とこれについては日本でもそれなりに話題になっている。その主張としては「もっとヒールをさせてほしい」「攻撃ばっかりでつまんない」「これだったらヒーラーいらないんじゃないですか。。。」というようなもの。
これについて当時はやや否定的なコメントもそれなりに多かった(敵を倒すのが最終目標なんだからヒール切り詰めて殴るのが正しい、という論調)が、割と最近になってGCDにおける攻撃と回復の比率がだいぶ変わってきたせいか、もっとヒーラーとしてヒールをしている実感を得られるような昔のコンテンツの方が良かったなあという話も少しずつ出てきてはいる。どれくらい比率が変わったかは一番最初に挙げたサイトでLogsのデータと共に比較が出ているのでそちらを見てほしい。
特に言うほど問題視されていない部分
逆に、言うほど問題視されていない部分が、「他ジョブに強力な軽減や回復能力があり、それがヒーラーの存在意義を脅かす」「oGCD(アビリティ)ヒールが豊富すぎてGCDヒールの必要性が薄い」という部分。
これについては、あまりヒーラーに軽減・回復の役割を大きく持たせすぎるとヒーラーが何か一つ抜けただけでパーティが壊滅する可能性が大きくなる。その状況に陥ったり、または他者から叱責されることを恐れるプレイヤーが潜在的に多いのが要因だと思われる。これが起きるといわゆる「消化PTに緑の川が流れている」という状況に陥る。
それを他ロールからの補助で相互に支え合う事により、ある程度『パーティ全体のHP維持』という部分の負担がヒーラーから他ロールにも分散されて責任を感じる精神的な重圧も薄れるからという面でも、他ロールがヒーラーの一部の仕事を受け持てる事は悪い事ではないと感じている人がおそらく大半なんだろうと思う。これに関しては正直民族性というか日本人特有の考え方なのかもしれない。
豊富なアビによる回復手段についても、GCDヒールはほぼ詠唱を伴うのでinstantであるoGCDヒールが豊富である事はすなわち瞬間的な対応力の強化でもある。つまり便利である事に異論を唱える人は少ない、という事である。
また、最終的な目標が『制限時間内に敵のHPを0にする事』なので、出来る限りoGCDで全てのヒールを済ませて、GCDはできるだけ攻撃に回すのが一番システムに対して合理的であるというところからも、現状そのメカニクスを崩して革新的な方法が与えられるのを待つよりも自分たちが適応する方が早いと考える、もしくは合わないから辞めるという手段を取る方が精神衛生上もっとも良いと考えている。
だからこそ、ストライキ(ヒーラーであることをやめてタンクかDPSをする)という選択肢はハナから存在しないし、そもそもヒーラーがつまんないのならアーマリーシステムがあるんだからストライキとか言わずに普通に着替えたらいいじゃんというのが一般的である日本のプレイヤー界隈では受け入れられにくいところがあるのかもしれない。
個人的な感想
実際紅蓮の学者はちょっと忙しかったけど、今思うと結構面白かったなぁ、と自分は思っていて、その面白さの要素を考えると海外プレイヤーが挙げていた問題点がそっくりそのまま当てはまるのである。
自分の中でも、FF14の高難易度コンテンツで「ヒーラーとしてのやりがい」を一番強く感じたのは紅蓮の絶バハを学者で初めてやった時だと思う。
GCDバリアが1つでも抜ければ誰かが死ぬかもしれない、自分が死んだら衰弱で弱まったバリアのせいで壊滅するかもしれないという恐怖は常にあったけど、ギミックを処理しながらもダメージコントロールをいかに効率よく乗り越えるか常に試行錯誤していくプロセスは自分の中で最もチャレンジングであったし、絶コンテンツの最初の挑戦はいつだって面白いと思っていた。
だからこそ、彼らの言い分は過激だと思いはすれども間違っているとは思わない。言われてみれば確かにそうかもしれないと共感できる部分はあり、それに対する具体的な解決策の案は持ち合わせていないにせよ、ヒーラーとしての役割を強く意識できるようなコンテンツも触りたいなあと思うのは事実だったりする。
今のヒーラーは、ストイックに極限を突き詰めるのであればもっともシンプルである程度の高みに至るに容易い部分があり、それはそれである程度自己肯定感を高められてそれはそれで良い部分はあるんだけど、結局のところ火力至上主義でもあるので、例えばアナザーダンジョン零式のようなマジでヒールしないと死ぬようなコンテンツがもっと増えてもそれはそれで面白いし、歯ごたえのあるプレイ体験が出来るんじゃないかな、と思ったり。
CBU3も大変だと思うけど、海の向こうの彼らの切実な思いが少しでも届いて少しでも多くの人が楽しいと思えるような方向に動いてくれるように願っています。
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