成功・成果の先に示される道
芸人さんフリートークが心地よくて色々見ていたら
ある芸人さん同士の話が心に残った。
芸人さんはパニック障害を患うことが多いそうだ。心の病気。
その症状を患った有名な芸人さんは、
学生時代に見に行った芸人さんの劇場で、「いつかこのようにネタをやって人を笑わせられる人になりたい」と芸人を志す。
その方は、とにかくいっぱいネタを書く人。どんな構成でネタを作れば良いか、テンポはどうか、表情は抑揚はと研究に研究を重ねるタイプ。
そして有名なショーレースで優勝することに。
ネタで頂点に辿り着いたのだ。
しかし、そこからさらにステップアップするために示された道は
芸人の成功の王道「テレビ出演」でのフリートークやひな壇トーク
計算して研究してネタを披露することに長けており、長けて来られるように努力してきたその方は、自分の真面目な人生の中にフリートークの面白いエッセンスが全くないことに気づき、テレビ出演が苦痛になる。
ネタで認められ、テレビの仕事が増えるという悪循環の中で心の病を発症したという。(私の言葉で書いているので事実と異なる部分があるかもしれないため、名前を伏せました)
仕事で一生懸命努力し、成長し成果を出し成功すると、次の道が開けてくる。その道は必ずしも自分が「得意」だったり「やりたかったこと」だったり「好きなこと」とは限らず、自分の志とズレていくこともある。苦手なことが主になってしまうような道を示されたら、これまでの倍の努力が必要になり、それでも成果があげられずに逆に大きな挫折を味わうことも・・。人生の中で大切なものが増えて、時間に対する考え方が変わることによる板挟みの状態も考えられる(結婚したり子供が生まれたり親の介護だったり・・・)。
そんなことはお構いなしに世の中はできる人に仕事が振られていく。成長の道を誰かが作ろうとする。成長の道と言いながらも・・・本人への責任は重くなっていく。
時間の使い方、過ごし方、成功・成長の概念そのもの、あらゆることが選べるようになっていく時代は近くまで来ているような気がする。インターネットによる多様な生き方が時代を動かしている。でも常にその陰には終わりなき成長の道を示されて苦しんでいる人もいるのかもしれない。
色々深く考えさせられた話だった。
そんな苦労をした方が、毎日YouTubeやテレビで多くの人を笑顔にしている。人生ってすごいな、とも思う。