観戦記者:八木② #指す将順位戦6th A級2組 面妖流さんvsエフさん戦観戦記
本日は6/26(土)22時から行われた指す将順位戦6th A級2組面妖流さんvsエフさん戦をお送りする。面妖流さんの観戦記依頼を受け、その後両対局者の了解が得られたため、観戦記を書く運びとなった。両者にこの場を借りて感謝申し上げる。
対局は梅雨時のじめじめした環境でもスマートフォンがあってネットにつながっていれば接続できる将棋倶楽部24大阪道場で行われた。持ち時間は一人15分その後1手60秒であり、観戦範囲内であれば面妖流さんとエフさんは初対局である。
観戦記2回目登場の面妖流さんは(以下ミスターとお呼びする)は指す将順位戦常連で、突飛な構想と本人の納得により力強い棋風。一方、エフさんは指す将順位戦初参加であるものの、観戦席にてよくお見掛けしてヤギの戯言を聞き流してくれている(いつもありがとうございます!)。改めて下記の図を見てほしい。
先手はミスターで、後手がエフさんなのであるが、これはエフさん、実は何か警戒をしている、ということがうかがえる(さっき気が付いた)。とても楽しみな対局といえる。
対局は開始時刻の10分を過ぎたところでミスターが登場し、その時のヤギのツイートは下記を参照されたし。
対局放棄まであと8分に迫った。刻一刻としかし平等に時は刻まれる。
— ハソポソ(ロウポン) (@highpong1231) June 26, 2021
ミスターめんよーの姿はまだ見えない(案)
巌流島を筆者は思い出している。まさか船を漕いでいるのではあるまいな。夢の世界へと旅立っているかもしれない。
— ハソポソ(ロウポン) (@highpong1231) June 26, 2021
巌流島とは大げさであるけれども、その後日、巌流島の思いを抱いている参加者もいたので、待たされた人はみな、佐々木小次郎である。これは縁起が悪い。たしか小次郎は負けている。
これはミスターお得意の形。角をなられたときに香車がとられない、という意味だそうな。ほかにもあった気もする。
ヤギ歓喜の図である。袖飛車か、と思ったものの、これは冷静に5九の角を快速で活用するためのもので、例えば後手から7五歩など来た際に3七角と覗くという考えだろう。牽制球である。
ちなみに、上の図、開始何分だろうか。わかったかたは指す将マニアである。下記のヤギのツイートを参考にしてみよう。
10分遅れで始まった。そのせいか序盤の指しては快足である、いや、特急か。
— ハソポソ(ロウポン) (@highpong1231) June 26, 2021
寝起きでねぼけている説も飛び交う中、駒組が進んでいく。
これは、実はハッチが閉まったタイミングの図である。穴熊の住熊不在のままハッチが閉まる。ただ、これは形としてあるもので、7七桂馬を飛んでおくと駒落ちの定跡で似たような形があったような。
さて落ち着いた局面である。控室では、後手から8六歩から歩を交換してよいのではないか、という指摘もあったけれども、単に飛車引いた局面である。ここで、ミスターが動く。
6五歩。
例えば銀を引くと7三角成で投了まっしぐらである。なのでとるしかないのであるが、同銀であると、やはり7三角成である。そういうことで、桂馬交換となり馬を作れるという読みである。
記者としてはここで△7五歩はあったかもしれない、と思いながら見ているとそのように指し、記者は上機嫌である。簡単な哺乳類である。ただ、これには飛車の追いかけっこが始まる。(下図)
これは、と沸き立つ控室。サウザンドデイハンズだったり、千年リングであったりキャッキャするとともに、ルール確認も行われた。この場合、後手のほうが時間が助かるので、先手としては千日手はどうなのだろうか。ただ、先手は変化していく。千日手を避けた。
先手が6六歩と銀を自陣に近づけて、飛車のとどめにと桂馬を打った局面である。ただ、飛車をしとめる、という意味よりかは飛車に退場願った格好である。単純に香車をとる手があったのかもしれないと識者。
ということで後手に手番が回り、6七銀成から攻めが続くかどうか。これには同金と進み、7六歩、と圧迫している。こういうのはとると桂馬からつながりができそうであるので、ほっておき、馬の活用を先手はもくろむ。ただ、後手は堅城に守られすぐさま倒れない格好である。馬の活用を銀で押し返して7五馬といったところで下の図である。
観戦記者はここで、5五歩が突ける可能性があると指摘する。狙いは5七の銀の移動や、桂馬を置くきっかけになったりすればということである。控室で褒められてデヘヘとなったところで、後手は5五歩を着手。控室はざわめいた。
なかなかとりづらい歩であるので馬を最大限に生かす6五歩。そして後手は△5六歩▲同銀△5五歩である。
4五歩には桂馬がはねて心地よい。とるしかないけれども、待望の6三桂馬が入る。
7六馬とすると銀をぼろっと取られ、金にまで狙いが定まってしまう。いうならばすでに堤防は決壊しているのであろうか。止むを得ない▲6六馬には重しとなる△7五金がのしかかってきた。
拠点を守りつつ、馬に圧力をかける。▲5六馬△5五桂▲同馬に△4四金と押しつぶしに行く。控室ではもしかすると投了するかも、という識者の声。記者も同じような光景を思い出していた。
時は流れそのまま投了となった。
全体的に千日手の判断と、後手の△5五歩が会心であり、心地よさを胸に記者は対局室を去った。ちなみに、上図の時間は開始から4分である。
https://t.co/d2L6aj5cnX #指す将順位戦6th A2第2局対面妖流さん
— F馬 (@swallowswollaws) June 26, 2021
変則的な序盤に対し早繰り銀の形を作るも攻めの糸口をつかめず、仕掛け直後に馬を作られ、その馬で受け切りを見せられている図の局面。
対局中は消去法的に△5五歩としたが、攻めを継続する良い手段だったよう。
勝手に貼ったので怒られたら消します。
というわけで、上記のような観戦記で良ければ時間の許す限り書きます。よろしくね。