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ブラックジャック展
長崎県美術館にて「ブラックジャック展」が開催されています。僕は大の手塚治虫ファンです。先日開催されたお嬢様の手塚るみ子さんのトークショーにも行かせていただきました。そんな手塚ファン、ブラックジャックファンの僕が声を大にして言いたい事があるんです!
この展示会はめちゃめちゃ嬉しいんですが、この展覧会の宣伝ポスターの「世界一の腕になってみせる!」というコピーを作った人は本当にブラックジャックを読んでいるのかと、違和感を感じました。
ブラックジャックはそもそも第一巻から既に世界最高峰の腕の持ち主だし、そもそも彼にはそういう野心は無いと考えます。一貫しているのは、弱者に対する優しさと強者や世の中の矛盾に対する復讐心みたいなものを軸とした人間模様のはず。そういう意味で、このコピーは違うのではないかとオレは思ったのです。
・・・てなことを、某SNSに書いたところ、多くの見知らぬ方々から様々なコメントをいただきました。
まず知ったこと。このコピーは、これまで開催されたその場所場所で違うということ。例えば京都では「それでも私は人を治すんだ」で、松本市では「
行こう、患者が待ってるぞ」だったそうです。いずれもブラックジャックのセリフです。そんな中で、長崎では「世界一の腕になってみせる」何故このコピーだったのか?そしてその言葉もブラックジャックの口から出たセリフだということ。
それには理由があったのです。
このコピーは、「やり残しの家」というエピソードに出てくるセリフでした。ブラックジャックが原爆症に立ち向かうエピソード、しかし力及ばず患者は大病院に転院して行った。その時に患者と約束したセリフがこの「世界一の腕になってみせる」だったのです。長崎での開催。県美術館の皆さんは是が非でもこのエピソードから引用したかったのだと思います。
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改めて、このエピソードを読み返しました。原爆をテーマに描いた1本でしたが、ここから引用するブラックジャックらしい言葉、展覧会のコピーとなり得る強い言葉はそれほどありませんでした。多分このコピーも誤解を呼びそうな懸念はあったと思います(僕のように) しかしそれでも、批判覚悟でこのエピソードから引用したのは、美術館の皆さんの大きなこだわりを感じさせました。
県美術館の小坂館長にこの話をしたところ、「そこまで見てくれる人がいるとは!」と喜んでいただきました。しかし館長、俺みたいなのは全然で、この展覧会を観にくる人の中にはとんでもないオタクがいますよwと、脅しておきました(笑)
ところで僕、まだこの展覧会行けてないんです。来年1/5まで。早く行かないと!