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らくだ書店 東郷店の閉店に際して

今から25年前の話です。結婚して半年後の1999年の4月に、僕はトヨタ自動車での研修のために奥さんと二人、全く土地勘のない愛知県に引っ越しました。約2年間の愛知県での生活でしたが、一番最初に強く印象に残ったのが、僕が住んでいた日進市の団地の近所にあった「らくだ書店」でした。

この店が当時革新的だったのは、立ち読みは勿論のこと、「座り読みOK」のお店だったのです。店内に椅子も沢山置いてありました。今でこそ、蔦屋書店などは新品の雑誌や本を併設のカフェに持ち込んで座り読みしても良いとされています。これを1999年以前からやっていたのがらくだ書店だったのです。僕は東京にも長く住んでいましたが、そんなお店は東京にもありませんでした。名古屋という土地は、喫茶店のモーニングなどもそうですが「損して得とれ」のユニーク且つ独自の商売を展開する土地柄ではありますが、これには正直驚きました。立ち読みするお客さんを歓迎しないという当たり前の考え方の逆転の発想で、名古屋の商売って凄いなぁと感じたのを覚えています。当時はいつ行ってもたくさんのお客様で賑わっていました。ちなみに、僕は今でもTSUTAYAなどで新品の本をコーヒーを飲みながら読むのは苦手なのですが・・・ページに折り目がつきそうだし、コーヒーの滴などで汚しそうだし。ですが多くのお客さんは、手にとって座って読んだ本は結局買っていたのかもしれません。

そんならくだ書店の東郷店がこの6月に役目を終えて閉店したということをたまたま知りました。25年前はあの辺りには団地とスーパーぐらいしかなくて他に娯楽施設が無かったのですが、最近は遊ぶところも増えたようで、1つの役目を終えたのかもしれません。残念なことですが、お店を閉めるということは、つまりは地域の人に必要とされなくなるということなんですね。

当社のお店も、いつまでも地域の人に必要とされるお店でありたいものです。そのためにできること、やらなければいけないことってなんでしょうか?真剣に考えて行動に移さなければいけません。


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