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現実と虚構の狭間——モキュメンタリーホラー小説の魅力

こんにちは、低めの猫の本棚です。
今日は低めの猫たちではなく中の人からの投稿です。

普段から様々なジャンルの本をご紹介していますが、今回は特に印象深いジャンルについてお話ししたいと思います。

それはホラー小説。古くからあるジャンルではありますが、人々はこの世の未知やオカルトといったことに神秘や恐怖といった感情を抱いてきました。私もその一人です。子供の時から幽霊やお化けの類は一切信じてきていませんでした。
ですので、私の中のホラーやオカルトは、あくまで娯楽や文化といった位置づけにあります。

その文化の中でも私が今回お話したいことは「モキュメンタリーホラー」
現実と虚構の境界線を巧みに揺らめかせる、この不思議な物語たちの魅力をご紹介します。

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▼ホラーが持つ、あの不思議な魅力

「怖い」はずなのに、なぜか見てしまう、読んでしまう。
そんな経験、ありませんか?

ホラーやオカルトには不思議な魅力があります。
私たちの日常に潜む「もしかしたら」という可能性を探り、普段は気づかない日常の裏側を照らし出してくれる。

「もしかしたら幽霊がいるかもしれない」
「河童は存在しているはずだ」
「こっくりさんとか呪いの信憑性は…?」

そんなホラーやオカルトとの出会いは、いつも新鮮な驚きをもたらしてくれます!

時には社会問題を映し出し、時には人間の心の闇を描き、そして時には純粋に背筋の凍る恐怖を届けてくれる。
そんなホラー小説の中でも、特に印象的なのが「モキュメンタリーホラー」なのです。

▼モキュメンタリーホラーという世界

「これ、本当にあった話かもしれない...」

モキュメンタリーホラーの真骨頂は、まさにこの感覚にあります。
フェイクドキュメンタリーと呼ばれることもあります。
ドキュメンタリーのような描写や、現実にありそうな設定。それらが絶妙に組み合わさって、現実と物語の境界線が曖昧になっていく。

実際にあった事件の報告書のような体裁だったり、SNSのスクリーンショットが挿入されていたり。その「リアル」な演出が、物語をより深く、より恐ろしいものにしているんです。

映画や小説といった媒体でも使われる手法ですし、一時流行った「にちゃんねる」といった掲示板では、釣りや創作といったことでスレッドを見ている人を興奮させた時代もありました。

映画でモキュメンタリーホラーと言えば「パラノーマル・アクティビティ」が有名なのではないでしょうか。
カメラでホームビデオのように撮影されたその作品は、現実に起こっているのではないか、と錯覚してしまいます。

日本の作品では「ノロイ」(監督:白石晃士)が私の中では衝撃的でした。
画像かリンクを載せようと思ったんですが、怖すぎて載せれなかったです…

▼心震える三作品との出会い

ここからはモキュメンタリーホラー小説を3作品紹介します。

『かわいそ笑』

梨(なっしんぐ)先生によるこの作品は、まるでインターネット上で見つけた怪談のような語り口で物語が展開します。
日常のふとした瞬間に潜む怪異の存在。
それを読み進めるうちに、自分の周りでも...という思いが自然と湧いてくる、そんな不思議な没入感のある一冊です。


『変な家』

雨穴(うけつ)先生の作品は、一枚の間取り図から始まります。
普通の間取り図、でも何かが違う。その「違和感」を丁寧に紐解いていく過程が、まるで実際の事件記録を追いかけているような感覚を呼び起こします。
YouTubeで話題になった作品が書籍化された経緯も、このジャンルならではの面白さかもしれません。


『残穢』

小野不由美先生が紡ぐ物語は、東京郊外のとあるマンションが舞台。
実在の作家が登場するという設定が、より一層リアリティを深めています。
単なる怖い話ではない、その奥に秘められた物語の深さに、心を揺さぶられる作品です。


▼おわりに

「これ、本当にあったのかな...」

そんな余韻とともに本を閉じる瞬間。それこそが、モキュメンタリーホラーの醍醐味だと思います。
今回ご紹介した作品たちも、それぞれの形でこの魅力を存分に見せてくれます。

もし興味を持っていただけましたら、ぜひ手に取ってみてください。
そして、現実と虚構が溶け合う、その不思議な読書体験を味わってみてください。

「低めの猫の本棚」では、これからも様々な本との出会いをお届けしていきます。
YouTubeチャンネルでも、本の魅力を日々お伝えしていますので、ぜひ遊びに来てくださいね!

それでは、また本でお会いしましょう。

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