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『ダイエッター典子』〜タピオカ狂想曲。

『ダイエッター典子』は、ジェニーハイというバンドの曲のタイトルである。

ジェニーハイは、元々、バラエティ番組の企画として、芸人の小籔千豊さん(ドラム)、くっきー!さん(ベース)、そして、中嶋イッキュウさんという、女性歌手で始まった。

そこへ、現代音楽家でピアニストの新垣さん、ゲスの極み乙女の川谷絵音(ギター)さんが加わり、本格的に活動を開始。

完成度の高い音楽性が、バラエティの枠を超えて人気を博している。

そこで、この『ダイエッター典子』だ。

この曲、出だしが強烈である。

すっとぼけてんじゃないわよ
あんた他の女見てたでしょ
すっとぼけてんじゃないわよ
ボンキュッボンを見てたでしょ

『ダイエッター典子』

男性は、たとえ彼女と、妻と歩いていても、
好みの美人に目が行くらしいが、
まさにこの典子の彼氏がそのタイプ。

典子は、自分磨きの努力を怠っていることを
自覚している。
何故なら、タピオカが大好きで、これが痩せない原因だと分かっていながら、
どうしてもやめられないのだ。

頑張って ダイエッター典子
頑張って ダイエッター典子
幸せ掴みたいんでしょ
お腹掴めてる場合じゃない

『ダイエッター典子』

このサビに笑ってしまったが、確かにそうだ。

何故、タピオカが太るのか、それは
タピオカの原料が、キャッサバという芋、
つまり炭水化物だからである。

炭水化物はダイエットの敵、
つまりタピオカも、ダイエットの敵。

しかし、典子は、痩せても太ってもいない、
標準体型なのである。

それ故に、炭水化物、糖質制限も挫折、
やる気が出ない。

タピオカの店の行列に、つい並んでしまう。

ここまで読んで頂いた方の中には、
痩せたいなら、少しは我慢したら?と
思う方もいるかもしれない。

しかし、人間、大好物を前に、そうそう
立ち去れないのである。

テレビでは、食べたい物食べてます、
特に何もしていません、と、笑顔で語る
モデル。

テレビを叩き割ろうかと思ったけど、
立ち上がるのが面倒くさい。

すかさず、
『ほら、そういうとこだぞ典子』
と、ツッコミの歌詞が入る。

ジェニーハイの曲は、作詞作曲、プロデュースを、川谷さんが担当しているが、
女心を良く分かっているなぁと、他の曲を
聞いても思う。

奇想天外な曲も作るが、こういう曲も
うまい。

最後はこうだ。

そうだ 私考えたの タピオカダイエット
食べ過ぎたら 奇跡的な体質変化
起こるかもしれない
奇跡を信じよう 奇跡を信じよう
科学を超える力は奇跡にしか起こせない

『ダイエッター典子』

まさかの、タピオカダイエット。

いや、絶対痩せないって、典子!

思わず言いたくなるが、典子は、
タピオカが摂取出来ないことより、
出来ることを選ぶ。

痩せてはないけど、不幸でもない。

この一行に、典子という人の
人間性が詰まっている。

科学がこれだけ進化してるのに、
どんなダイエットしても痩せない
意味ないじゃん。

分かる、典子。
私もそう思ったことあります。

でも、典子にとっては、
タピオカを摂取出来ないことが不幸。

この曲は、2019年に発表されたので、
当時はタピオカが流行っていたのだろう。

うまく流行をすくい上げて、ジェニーハイならではのダイエットソングになっている。

ご興味ある方は、ぜひ一度聞いてみて頂きたい。

小籔さん、くっきー!さんの演奏、
芸人だからと侮ってかかると、
驚かされます。

『ダイエッター典子』
作詞作曲:川谷絵音

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