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泣きたい夜

今年最後にセックスするのは、りょうくんかなと思っていたけど、こうくんだったのかな。

りょうくんは約束していた日、無理やり時間を空けたみたいで今年中に会えるかはちょっと怪しそうである。

私ね、年末年始ってキライなんですよ。

師走というだけあってみんな忙しそうでざわつく感じが苦手なのかな。

少し気分が落ちたりもして。

そんな感じでどんよりしていたけど、こうくんに会えるのはたのしみだった。

昨日のこうくんはまた、雑誌から飛び出して来ちゃったのかしらと思うような素敵な感じ。

〝今日もかっこいいね“

綺麗な女の子につい言ってしまうおじさんみたいな発言する私と

「ありがとぅぅ」

ゆるーく笑って喜ぶこうくん。


こうくんと会う前から、なんだかお腹の中がふつふつするような不快感があって今にも爆発しそうな気配があった。

だから、彼の言動に少し反応して感情的になってしまったのは多分八つ当たりだった。

なのにこうくんは、ふてくされる事もなくすごく考えて、

「、、今帰ったらaoiさんもう会ってくれない気がするから聞きたいの。僕どうしてあげればよかったのかな」

と私に聞いた。

反応したことは確かにあったけど、ただ感情的になってしまったのだから適切な言葉で説明出来ない。

大人なクセにちゃんと伝えられない事がはずかしくなった。

思えばいつも私はこうやって、自分の気持ちを伝えることを怠って切り捨てて、コミュニケーションを放棄してきたのかもしれない。

そんな事を頭の片隅で気づきながらも

“なんでもない。ごめんね、、私が悪かった“

そう答えるしかなかった。

「なんでもなくないでしょ?」

〝なんか私今日おかしくてうまく話せない“

その瞬間涙ぐんでしまって、やばいと思って離れようとしたら腕を掴まれて

「泣いてるじゃん」

〝泣いてない“

そこらへんのドラマにあるようなやりとりに

いい歳した自分が痛過ぎて頭を抱えたくなるが、

言ってるそばからぽろぽろ涙が溢れてくる。


こうくんは私を抱きしめて

「泣かないで。僕まで悲しくなってくる」

そう言って驚いたことに彼まで泣いている。

「思ってるけど我慢して言わないから伝わらないし、悲しくなっちゃうんじゃないの?」

〝そうだけど、こんな風に若い子の前で泣いて私すごくダメな大人だ“

更に号泣する熟女。

うん、わかってる、痛いのは重々承知だが涙が止まらない。

着てる服の袖を萌え袖にして涙を拭いてくれるとか、この子はホストか何かなのかと勘違いしそうになるけれども、いたって普通の大学生だ。

ただ、普段からすごく目の前にいる人の事を思って、見て、考えて行動してるんだろうなと。そんな風に思った。

私だったらこんな面倒くさい人に優しくなんて出来ない笑

泣き止んでずっとそばにくっ付いていたこうくんに恥ずかしさを誤魔化すように

〝私メンヘラなのかもしれない笑“

と言ったら

「僕の知ってるメンヘラと違う。新手?笑」

と笑ってた。


この日は自分が私を泣かせてしまったと思っていた彼は、終電ギリギリまで一緒にいて、私を沢山笑わせてくれた。


なんだろうね、この日は誰かにそばにいてもらって泣きたかったのかな。

駅まで送って別れ際、いつものようにキスされて

「aoiさんはダメじゃないよ」

とか。

君がメンヘラ製造機なのではないかね?


今年の締めくくりに相応しい、こうくん。

熟女の完敗ですわ。



※40歳から私の人生は変わりました。

その時の自分の決断と起こった出来事を、また別のnoteに書きたくなってきました。

表のSNSからしたら、このnoteは裏になるんだろうけれど、次に書くのはウラの裏になるのかな。

人間って奥深いですよね笑

相互フォローの皆様は同じaoiっていう名前でまたフォローさせて頂きたいと思うので、よろしくお願いします^ ^











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