未熟な大人/こどもの暴力③
思春期の暴力~序章~
前回はこちら
つづきより
そんなこんなで小学校入学となる
みんなバラバラの小学校だったので
離れ離れになることに
抵抗はないようだった
お友達と遊ぶ時間が少なかったからか
お友達と遊ぶのが楽しそうだった
お隣に住む1歳上の男の子(タロウくん)に
いつも遊んでもらっていた
家では週末おでかけの回数は減ったが
月に1、2回はどこかへ出かけた
職場の人の勧めもあり
スポーツ観戦もするようになっていた
学校へは行きたすぎて
お友達と遊びたすぎて
6:30とかに行ってしまうほど
学校は好きだったようだ
勉強も問題なさそうだったが
たまによく分からない癇癪を
起こすようになった
漢字をなぞって練習する宿題
うっすら書いてある文字をなぞるアレだ
簡単だしいつもやっていた
ある日机に向かって宿題をしていると
「うー、うー」と
顔を真っ赤にてうなだれていた
そして「宿題ができない」と大泣きした
グッと我慢するような泣き方から
地団太を踏み顔を真っ赤にして
わーわーと泣いた
「いつもと同じでいいんだよ
この線を上からなぞるだけだから」
と言っても「できない!できない!」と
数時間大泣きをした
上からケンタの手をとり
一緒になぞる真似をしても振り払い
手を付けられなかった
祖父から「甘えんな!」と怒鳴られ
私もこれ以上どうしていいか分からず
泣きやむのを待った
数時間泣いたあと
さっさと宿題を済ませたもんだから
やっぱり何かの甘え現象なのかと思った
でもこの現象がたまに起こるようになった
よぎったのは
AHDHや知能障害などの文字
相談所や知能テスをした方がいいのか?
そういう子のママにも話を聞いたり
情報収集をした
癇癪は強かったが
学校生活も普通、先生の話からも良い子
家では我は強く、遊びも戦いごっこなど
やんちゃだったが男の子だからと思っていた
無料相談メール、こどもの悩み相談室に電話など
何かしなくてはと思っていたので相談をした
どこからも言われるのは決まってこうだった
「まだ小さいから様子を見て」
「ママに甘えているだけ」
「そのうち収まる」
「両親との同居をやめた方がよい」
引越すること以外
やれることが無く
引越できる経済力が無かったので
ただひたすたその癇癪に耐えた
気が高ぶると
宿題のページを破ったり
ぐしゃぐしゃにしてしまい
さらにそれが
ケンタを絶望へ導き
泣きわめいた
段々と自分の腕を引っ掻き始め
掻きむしるほど高ぶることも
増えた
教科書を破ってもテープで貼ればいい
ぐしゃぐしゃでも伸ばして読めればいい
また買えるからね
そうなだめても必ず言うのが
「先生に怒られる」だった
このころから気づいたのはその言葉が増えたのと
みんなと同じでなくてはいけないという
気持ちが強かった
どちらかというと
開き直りの私はそんなの気にしなかったし
遅刻してもまあいいやという子供時代だったが
ケンタは真逆だった
先生に相談しても
悪いこともしないので叱ることもないし
何かを注意することはあったかもしれないけど
ケンタだけにきつく、というのはないらしい
例えば赤線を引く場所に青線を引いてしまい
「ここは赤だよ、今は良いけど次は問題を
ちゃんと読んでみてね」と言われたら
本人にしてみたら
「怒られた」ことになるようだった
すごく人一倍繊細な心を持っていた
本人にしてみれば
皆の前で怒られ辱められている状況
私も繊細な方なのだが
そのはるか上を行きすぎていて
どうしてよいか全くわからかった
どこかへ相談しても「様子を見て」
様子をみても変わらないし
本人がこれだと辛いだろうと思うと
何もできる事が見つからず辛かったし
癇癪をされるたびにゲンナリしていた
つづく