未熟な大人/子供の暴力12
苛立ちの爆発
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つづき
その喚きの間にも
祖父が助けに入るのだが
段々と邪険にするようになった
教えようと一緒に教科書も開くのだが
もちろんそんなことしてては宿題も進まず
苛立ちはおさまらない
私とケンタの部屋は別なのだが
私の部屋に来て
ベッドの上に宿題を広げ
ここでやるとゴネるようになった
自分の空間でそう言うことをされるのが
私はすごく嫌で嫌で
毎日がそんな生活なのに
布団の上まで汚されて発狂しそうだった
いや、発狂していた
でもただ同じ空間にいて
終わるのをひたすら耐えて待つ
というのも気に入らないらしく
とりあえず暴言と共に
「宿題やれ、お前がやれ」と
小突くようになってきた
手だったり足だったりで小突く
それが段々と強くなる
人間寝れないとほんとに全てが
どうでも良くなる
私は同じことを繰り返し言う
「宿題やりたくなかったらやらなくていい」
「先生が怒るなら言い返してやる」
「お前はバカじゃない」
苛立つと物を投げてくるようになった
ハンガーや本、リモコン
部屋を出て行こうとすると
ドアを塞いだり
手を離さなかったり
力が強くアザにもなった
要求が通らなくてイライラしてるのはわかる
でもこんなの聞いてあげるものではない
そう思っていたから私は絶対宿題はやらなかった
もう嫌すぎて私は外へ逃げるようになった
振り切って何時間も外にいたこともある
アルバイトをわざとラスト(AM1時)に入れた
何時間も呪文のような悪口を聞くより
ずっとよかった
そう言う時は帰ると
私の部屋はメチャクチャになり
棚やクローゼットの中の全てが放り出され
ゴミ屋敷のようにあたりに散乱していた
ご丁寧に小物たちには「死ね」と
マジックで書かれていた
小指ほど小さな物にまで
そして待ち構えてたケンタに
結局、数時間の喚きと
強制的に起きていなきゃならない時間が
始まるのだった
しんどい
私が悪いのか
もう疲れた
なんで働いてるんだっけ
もうどうでもいい
全部投げ出して
どこか誰も知らないとこで
ひとりで暮らしたい
そう毎日そう願った
本気でどうしたらそれが出来るのか
具体的に考えたりもした
つづく