ニュースつぶやき:「言葉は“なまもの”『老舗』と『老舗』」
シャワーを浴びながら音楽を聴くと、ときどきまったく別の音楽のように聞こえることに気がつきましたわ!
ごきげんいかがでしょうか、引き続きお嬢様月間の私です。
言葉は“なまもの”とはよく言ったもので、自分が正しいと思っている読み方も、昔とは違う新しい読み方だったり、自分の知らないもうひとつの読み方があったりします。
なんと……私も老舗は「しにせ」と読むものだと信じて疑いませんでした……!「ろうほ」という読み方もあったとは!
まあ、それぞれの漢字の読み方を考えると「ろうほ」と読むのが自然なのでしょうけど、もうすでに「しにせ」という読み方が染みついてしまった身にとっては、そこに行き着くまでの発想がありません。あら、もう頭が固くなってきたんですの?いやですわ……
調べてみますと、もともと「老舗(ろうほ)」という「長く続いた店」という意味の漢字があり、「しにせ」という読みをあてたようです。その「しにせ」は「仕似せ・為似せ」、つまり親から子へ、先輩から後輩へと、真似て学ぶことにより受け継がれる技術や仕事のことを指すとのこと。
つまり「仕似せて代々長く続いたお店」のことを老舗と呼び習わすようになった、ということですのね。使われ始めたのは江戸時代のようです。
では、どのくらいの期間を経れば老舗と呼ばれるようになるのでしょうか?東京商工リサーチによれば、「創業から30年以上事業を行っている企業」となっています。……私の感覚ですけど、けっこう短いですのね。100年くらいかと思っておりました……
なお、IT業界など、比較的新しくまた入れ替わりの激しい業界などでは、5年〜10年程度で老舗扱いされることもありうるそう。
話が横道に逸れましたけれども、言葉は“なまもの”ゆえに、読み方や使い方が変わっていったりもします。「新しい」などはその典型で、「新し」だったのが、平安時代初期にはもう変化していたそう。
また、私が常々気にしている「見栄えがする」と「見た目が良い」が、合体させたような「見栄えが良い」という言葉になってしまっていることも、不義理をして顔を合わせにくいという意味の「敷居が高い」が、参入・入場するハードルが高いという意味で使われがちなことも、“なまもの”ゆえにしかたのないことなのかもしれません。(ちなみに私は参入のハードルが高いことを「垣根が高い」という言葉にしています。)
知識の世界は日進月歩、昔に仕入れた知識だけで立ち止まっているのは、時代に対して後退するにも等しいこと。そして大人になったら、誰かが自動的に知識を流し込んでくれるわけもありませんので、自分から拾いにいかなくてはなりませんわ!