ニュースつぶやき：「山の上ホテル、休業する」

　文豪の定宿として知られる東京のホテルが休業を迎えた話。

　山の上ホテルは、東京都は千代田区、御茶ノ水にある、部屋数35室のクラシックホテル。いわゆるヴォーリズ建築のひとつで、アール・デコ風の意匠を取り入れたデザインがレトロおしゃれなホテルですわ。

　このホテルは35室すべて異なる間取りであることと、ホテルの規模にしては料飲部門が充実していること（飲食施設が8つ）、名だたる文豪たちがよく利用していたことでも知られておりますわね。

　ただ、下水道の不正利用で行政処分を受け、未払金1800万円、過料3600万円、計5400万円もの支払いをするハメになったこと（2012年）、喫煙禁止であるはずの従業員休憩所である機械室からタバコの火の不始末によると見られる火災を出したこと（2013年）で、私わたくしの中では隠蔽体質の企業、従業員の質の低いホテルという印象──バレなければいい、という態度の印象が拭えません。表向きどれだけホスピタリティが高いふうに見えていても、です。

　私わたくしもかつては泊まってみたいホテルの筆頭として挙げるほどの場所でしたけれど、どれだけ歴史や名声があろうとも、不祥事でそれらが地に堕ちるのは一瞬。ホテル自身のPRや周りの評判などに流されずに、よい施設を見極める目を持ちたいものですわ。