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ニュースつぶやき:「奈良県立美術館の観覧料、“外国人は無料”に関する声」
外国人は奈良県立美術館の観覧料が無料であることが日本人差別ではないかと論議を呼んでいる話。
奈良県立美術館は、常設展、特別展ともに外国人は観覧料が無料とされています。確認しましたら実際にその通りでした。
これは別に今に始まったことではなく、常設展は2008年から、特別展も2014年には観覧無料にしているとのことです。ではなぜ、外国人を優遇する料金体系なのか。理由は、当時の奈良県が外国人観光客の誘致に力を入れていたからとのこと。ただ、無料によってどのくらい外国人観光客が増えたのかは「わからない」とし、この無料制度を使って美術館に行った外国人の数は「把握していない」とのことでした。
私は美術館・博物館によく行きますけれども、寡聞にして外国人が入場無料であるという館にはお目にかかったことがありません。逆ならわかりますけど。この施策、一見して問題だらけの話であることがわかりますわね。
まず「外国人観光客」ではなく「外国人」としているところ。日本に住んで、日本で収入を得ている外国人も無料になります。
次にこの施策によってどれほど外国人観光客が増えたのか「わからない」としているところ。効果のわからないルールをなぜいつまでも適用しておりますの?
さらに、この制度を使って美術館に行った外国人の数は「把握していない」というところ。施行前と施行後とでカウントしておりませんの?
いちばんまずいのは、16年も前の施策を今でもそのまま適用し続けていること。ここに、この問題の最もダメなところが出てしまっていますわね。
まさか日本国民の税金で運営されている県立美術館で、その日本人から料金を徴収して、外国人は無料で入れているとは……そしていけしゃあしゃあと「効果はわからない」「把握していない」と答えるとは。
これがもし、県立美術館を無料にすることで外国人が大挙して押し寄せ、周辺地域に入場無料を相殺してあまりあるほどの利益をもたらしてくれていたのなら、日本人差別と謗られることはなかったでしょう。むしろよき餌になってくれた、と称賛されたかもしれません。しかし効果測定していない、統計とっていない、ゆえに意味があったかどうかわからない、というものを今この時も漫然と続けていれば、無能の烙印を捺されて当たり前でしょう。このお仕事にたずさわる職員の意識の低さには嘆息せざるをえません。ミュージアムを愛する者のひとりとして、改善を切に望みます。
それにしても……少し考えれば、無料の外国人だけ来て、お金を落としてくれる日本人は来なくなる、という地獄絵図になるのがわかると思うんですけど。現に奈良県立美術館の公式Xは何を告知しても炎上してますし。まあ16年間話題にならなかったことからお察し、ということなのでしょうね……
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