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ニュースつぶやき:「Lightning Blast,アニサキス!」

 アニサキスに電撃を食らわして安全に刺し身を食べられるようにする取り組みの話。


 みなさまは寄生虫のアニサキスというものをご存知でしょうか。サバなどの魚介類に生息する寄生虫で、お刺し身などといっしょに生きたまま経口摂取してしまうと、


・食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。(急性胃アニサキス症)
・食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。とアニサキス症として急性の強い腹痛と吐き気、嘔吐を引き起こす。(急性腸アニサキス症)

厚生労働省ホームページより


 と、かなりの痛みをともなう症状を引き起こしてしまうんですね。くわばらくわばら。

 生食文化の宿命であるこのアニサキス症を完全に防ぐ手立てはなく、お刺し身などを食べるときには目視で確認するくらいしかできなかったところ、アニサキスに強い電撃を食らわして「感電死」させ、品質を落とさずに食べられるようにしようという取り組みが、熊本県の熊本大学産業ナノマテリアル研究所でなされているとのことです。すでに開発した殺虫装置で処理し、試験出荷したお刺し身が小売店や試食会で好評を得ているそうですわ。

 アニサキス症を防止するために、厚労省は目視確認のほか60度以上の温度で1分間加熱するか、マイナス20度以下で24時間以上冷凍させる方法を推奨しております。アニサキスの耐寒レジスト強すぎませんこと?(-_-;)



 ただ、これらの方法を取れば当然、加熱はもとより冷凍でも食感や食味に違いが生じてしまいます。そこで、電気の力を利用するというわけですね。それもただの電流ではなく、ここで使われるのは「パルスパワー」と呼ばれる高電圧大電流。
 パルスパワーとは、蓄積した電力を一気に短時間で放出することで、身近な例で言えばカメラのフラッシュとか、AED(自動体外式除細動器)など、発動にチャージが必要な機械に用いられておりますわ。どれくらい短時間かと言いますとなんとマイクロ~ナノ秒(マイクロ秒は100万分の1秒、ナノ秒は10億分の1秒)!想像を絶します!(⁠@⁠_⁠@⁠)

 ただ、アニサキスを取り除いているわけではないので死骸は残ります。生きたアニサキスでなくとも、アニサキスそのものにアレルギー反応を起こしてしまう方は、過信は禁物ですわ。

 お魚に限らず、いつでもどこでも、安全で安心な食べものを享受できるのは、それに従事している方たちの努力のたまもの。常に感謝の心を持ちつつ、科学の挑戦にエールを送りたいものですわね(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)




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酎 愛零(ちゅう あいれい)
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