Takahashi RIE

高橋里絵

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マガジン

  • ハッピー・ママ91

    91歳になる母の、ハッピー・エピソード。

  • 介護は贈りもの

    母の介護を通して得た私の気づき、そして介護をしている皆様へ贈るエールです。

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地球まるごと幸せ計画〜ハッピー・ママ

ハッピー・ママを書き始めたきっかけは、母の面白い言動を自分だけで笑っているのはもったいないと思ったからでした。 ある日、母が何かをして、それがあまりにもおかしくてお腹を抱えて笑っているときに、ふと思いました。 おかしすぎて自分一人では笑いきれない。一人で笑っているにはもったいない。 それで笑いのお福分けのつもりで母の「笑い話」を書き始めました。 一家に一台、炊飯器があるように、一家に一人、ハッピーなママがいたら楽しいだろうとも思いました。 もともと私は、自分は子供の

    • お誕生日のプレゼント〜ハッピー・ママ

      母の79歳のお誕生日の日のことです。お祝いに母を食事に連れて行きました。母を驚かせようと思って、どこに行くかは着くまで秘密。 ⭐︎⭐︎⭐︎ 自宅の駅から電車に揺られて目的の駅に到着。そこからタクシーに乗り10分もするとお店の門が見えてきた。するとママが言う。 ママ「あ、ここ?そこの坂を降りていくんでしょう」 りえ「えっ?どうして知っているの?」 ママ「だって、来たことあるもの」 りえ「ママ来たことあったの?なーんだ。」 せっかく初めての場所で喜んでもらおうと思ったのに、ち

      • スターバックス〜ハッピー・ママ

        私の週末の楽しみは、朝のスターバックスで一人、ゆっくり過ごすことでした。 ⭐︎⭐︎⭐︎ 私がスターバックスへ出かけるとき、ママはいつも「私にも買ってきて」と言った。 ある朝、いつものようにコーヒー買って帰ってくると、 「それ310円もしたのね。いつも買ってきてもらっていたけど、今度、お金を払うわ。」と言った。どうして値段を知ったのだろう。 りえ 「ママ、まさか一人でスターバックスへ行ったの?」 ママ 「そう。昨日行ってきた。」 りえ 「わー、すごい!」 ママ 「あのメモ

        • ママの感動

          社会人になって20年。勤めていた会社で希望退職者の募集がありました。 「よし、これからは自分の人生を自分で切り開いていこう」と意気揚々と辞めてはみたものの、思ったように物事はうまく進みませんでした。 それから1年、2年と過ぎ、頼りにしていた友人とうまくいかなくなり、この先どうしたらいいのかと思い悩んでいました。 そんな時、母が病気になり、日々看病に追われるようになりました。仕事を見つけなければいけないのに、母の看病が忙しくて思うように動けない。母の看病でクタクタになり、

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        地球まるごと幸せ計画〜ハッピー・ママ

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        • ハッピー・ママ91
          4本
        • 介護は贈りもの
          2本

        記事

          一緒に笑う幸せ〜ハッピー・ママ

          週末の夜、ママとファミレスで夕ご飯。いっぱいおしゃべりをして、いっぱい笑った。 さて、最後にデザートを注文しようとメニューを見ていると、ママが横から口を出す。 「りえちゃん、そんな甘いものは太るからやめなさい。それよりもこっちを食べなさい。」 そう言ってママが指差したものはフライドポテト。 りえ 「えっ?ママ、フライドポテトを食べたいの?」 ママ 「うん、だってこれはじゃがいもよ!」 じゃがいもといってもフライドポテトは426カロリー。私が注文しようと思ったプチサンデーは

          一緒に笑う幸せ〜ハッピー・ママ

          ルーシー、理事長になる〜ユーモアコミュニケーション

          ユーモアコミュニケーションのクラスを受講し始めて3年目の春、図らずもクラスで学んだことを実践する機会を与えられました。 私はマンション住まいで、十年に一度、組合役員の仕事が順番で回ってきます。役員は以前にも経験し、打ち合わせに出席して決まったことだけをすれば良いので気軽に構えていました。 ところが今回は全くの想定外。組合のトップ、理事長になってしまいました。その仕事は想像以上に大変なものでしたが、ユーモアクラスで学んだことを活かしつつ、皆さんにサポートしていただき『明るく

          ルーシー、理事長になる〜ユーモアコミュニケーション

          いつでもニコニコ〜ハッピー・ママ

          母は八十歳を過ぎた頃から、だんだんと足の力が弱くなり、電車に乗る時などは、私が手をとって引っ張ってあげるようになりました。 ⭐︎⭐︎⭐︎ ママと私は家に帰るために、中央線四ツ谷駅のホームで電車を待っていた。 ホームに電車が止まりドアが開く。いつものように私はママの手を引きながら先に電車に乗り込んだ。そのとき、握っていたママの手が私の手からするりと抜けた。 びっくりして後ろを振り返るとママがいない。次の瞬間、私は車両中に響き渡るような悲鳴をあげた。「きゃー!ママー!」

          いつでもニコニコ〜ハッピー・ママ

          悪いのはこっち〜ハッピー・ママ

          わが家のリビングに、祖父母の写真を飾っているコーナーがあります。仏壇ではないけれど、毎朝毎晩、母と私は手を合わせていました。 ⭐︎⭐︎⭐︎ ある日、私がソファーでくつろいでいる側で、ママは祖父母の写真に向かって手を合わせながら、申し訳なさそうに言った。 「りえは、いまだにお嫁に行かなくてすみません。おじいちゃん、おばあちゃん、責任を感じなくていいんですよ。みーんな、こっちが悪いんですから。」 私はソファーから転げ落ちた。 ママの言葉にノックアウトされたと言ったら、 「あ

          悪いのはこっち〜ハッピー・ママ

          幸せを体に染み込ませなさい

          ある夏、知人からナイトウェアをプレゼントされました。彼女はお金持ちで、いつも高級品を贈ってくれました。 ⭐︎⭐︎⭐︎ そのナイトウェアはフランス製のコットンで作られた高級品だった。暑い夏の夜もそれを着れば涼しくて快適に寝られる。一度これを着ると、他のは着られないと彼女は言った。 リボンを解き、包装紙を外して箱を開けると中から真っ白なナイトウェアが出てきた。レースのフリルがいっぱいついている。 箱から出してみたけれど、あまりにも素敵で、そのまま元通りに畳んで箱に戻した。も

          幸せを体に染み込ませなさい

          アロンアルファ〜ハッピー・ママ

          母を歯科大学の病院へ連れて行ったときのことです。 ⭐︎⭐︎⭐︎ 大学病院は同じ歯科でも細かく科が分かれている。まずはどの科を受診するかを判断するため総合診断を受ける。 問診に当たった若い女医さんが、現在治療を受けている病気や服用中のお薬などを聞いてきた。ママは特に病気はしていないが、骨粗しょう症の薬を飲んでいると伝えた。 すると、骨粗しょう症の薬といってもたくさん種類があるので、名前を教えてくださいと言われた。うっかりお薬手帳を持ってこなかったので名前がわからない。

          アロンアルファ〜ハッピー・ママ

          身振り手振りを大きく〜ユーモア・コミニケーション

          ユーモア・コミュニケーションを学んで良かったと思う出来事がありました。クラスで練習した「身振り手振りを大きく」を、日常生活で、思わずしてしまった時のことです。 長年、会社経営をされ、今も現役で活躍している知り合いの女性、Aさんが初期ガンの手術をしました。手術は無事成功、転移も無いとのことでした。 退院後、お目にかかるとひとまわり小さくなって、全く元気がありません。でも時間が経てばまた元気に戻るだろうと思いました。 けれどその後、いつ会っても元気がなく声も弱々しい。「体力

          身振り手振りを大きく〜ユーモア・コミニケーション

          いのちの歌〜ハッピー・ママ

          夏のある日、母は通っていた合唱教室から帰ってくると、1枚の楽譜を見せてくました。それで珍しく、母はちょっと真面目な話をしました。 ⭐︎⭐︎⭐︎ 「今日はね、新しい歌を習ったの」と言いながら、ママが見せてくれた楽譜は「いのちの歌」。 この歌はNHK朝の連続ドラマの挿入歌で、ちょうど私もじっくりと歌詞を聞いてみたいと思っていたところだった。グッドタイミング。 数日後、CDを買ってきてママと一緒に聞いた。するとママは静かに語りだした。 ママ 「最近はこういう歌詞、多いわね、

          いのちの歌〜ハッピー・ママ

          白菜のお漬物

          目の前に並ぶご馳走。大好きなものを最初に食べるか、最後に取っておくか。母は大好きなものを最初に食べないなんて考えられない!と言っていました。 ⭐︎⭐︎⭐︎ ママは白菜漬けが大好き。冷蔵庫に隠しておいても必ず見つけ出して全部食べてしまう。塩分の摂りすぎが心配だから、時々ご褒美に買ってきたあげた。 夕ご飯に白菜漬けを出してあげた日。食事を終えて、台所で洗い物をしていると、ママが来て冷蔵庫を開ける。白菜漬けをもう少し食べたいと言う。 「ママ、ダメよ。塩分の取りすぎになるから、

          白菜のお漬物

          じゃんけん✊✌️✋〜ハッピー・ママ

          私は気分転換に母とじゃんけんをするのが好きでしたが、いつも私が勝つので、母は、じゃんけんが好きではありませんでした。 ⭐︎⭐︎⭐︎ りえ 「ママ、じゃんけんしようよ。」 ママ 「いやよ、いつも負けるから。」 りえ 「楽しいから、やろうよ、やろうよ。」 ママ 「いやよー、疲れるから。」 りえ 「一回だけでいいからやろう、お願い!」 ママ 「もぉー、一回だけよ。」 りえ 「わーい、やったぁ!」 じゃんけんをすると決まったら、ママも全力集中。私が腕を振りながら、「じゃんけん…」

          じゃんけん✊✌️✋〜ハッピー・ママ

          あいうべ体操〜ハッピー・ママ

          母は私が新しいことや面白そうなことを教えるとすぐに真似したり実行しました。 ⭐︎⭐︎⭐︎ 歯科医師が考案した「あいうべ体操」というのを知り合いから教えてもらった。 口を大きく開けて、ゆっくりと「あ〜、い〜、う〜、べ〜」と言う。「べ〜」と言うときは舌を思いっきり出す。 口周りの筋肉のトレーニングになり、免疫アップ、美容効果もあるし、脳の血管も良くなるらしい。 ママにも教えてあげて2人で始めた。ママが1人でもできるように、説明の紙を洗面所に貼ってあげた。 数日後、洗面所

          あいうべ体操〜ハッピー・ママ

          Mama in Paris

          母の初めての海外旅行は、1ドルが340円の時代。病院の視察と観光を兼ねたヨーロッパ旅行でした。旅から戻った母は、スイスアルプス山脈の最高峰ユングフラウヨッホに感動したと、目を輝かせながら何度も話してくれました。 ⭐︎⭐︎⭐︎ 旅の最終日はパリ。ホテルでディナーを終えた後、オプショナルで添乗員さんがディスコ(クラブ)に連れて行ってくれると言う。日本ではディスコブームが始まる前のこと。 どんなことでも一つ残らず体験して、思いっきり楽しもうと思っていたママは、もちろん行った。