
出雲神話を巡る旅のレポート4~府中熊野神社古墳と古墳展示館
東京・出雲・京都の出雲神話を巡る旅(2023年5月20日~24日)
【5/20 東京編レポート❹】
旅のレポート№4 府中熊野神社古墳古墳展示館
国内最大・最古の上円下方墳の熊野神社古墳

府中市の大國魂神社に行くと決めましたが、もう一か所くらい行く時間がありまして。どこにするかと府中市の地図を眺めていると、「古墳」という文字を見つけました。
「府中熊野神社古墳」は府中市にある国内最大・最古の上円下方墳とあります。上に円の形、下に四角い形の古墳と言う意味ですが、正直聞いたことがなくて、興味がわきました。
とりあえず見てみたい。
ということで、もう一か所は、府中熊野神社と、熊野神社古墳に決めました。
府中熊野神社古墳は上円下方墳
写真を見ていただくとわかるのですが、壁面にびっちりと、中くらいの大きさの石が貼り付けてありますよね。

上円下方墳というのは、上が丸くて下が四角ということです。
多くの方が想像するのは、前方後円墳(前が四角くて後ろが丸い、あの鍵穴のような形の古墳)ですよね。
↓無料の素材で有名な「いらすとや」さんからイラストをもらいました

ちなみにこちらの前方後円墳のことを、丸い方が前だと思っている方が多いのですが。実は後ろの丸い山がお墓で、その前にある四角い場所が儀式をする舞台です。その四角い舞台がお墓の前にあるのです。
つまり、四角い方が前といった認識なのです。
熊野神社古墳は上に丸い小山が乗り、その下に二段の四角い台があります。
写真の一番下が四角いのうすい一段目、やや厚みのある二段目が四角で、上が円形。

古墳に眠っていた人は誰でしょう
下の写真の左側、石室の入口があること、わかりますか?

この形の古墳は、国内で6例しか見つかっていないそうです。
7~8世紀頃のもので、このタイプの古墳としては国内最大かつ最古です。
被葬者は不明ですが、武蔵国府設置直前に大きな力を持っていた人物の墓と考えられるそうです。
どんな人なのか考えるとロマンがあります。国司が来るまでこの地を治めていた豪族のリーダーなのでしょうね。
出土品の中の七曜紋鞘尻金具(しちようもんさやじりかなぐ)

こちらの遺物は、刀の鞘(さや)の先端に付けられた金具です。
鞘とは、刀をしまっているケースのようなもの。お侍さんが腰に差していて、そこから刀を抜いていますよね?
チャンバラ的な物が終わったら、刀についた血をパパっと払ってその鞘に納めているシーンを見たことがあると思います。あの、鞘。
ちなみによく使われる「元の鞘に収まる」とは、刀を抜いてまた鞘に戻す動作から「本来あるべき姿に戻る」という意味なのです。
割と刀由来の慣用句とか諺は多いので調べてみると楽しいかもです。切羽詰まるとか、反りが合わないなどもそうです(関係ないけど笑)

七曜紋と七曜について
この金具は、銀象嵌という技法で「七曜文(しちようもん)」などの文様が描かれています。
七曜文は、金具のWのようになった真ん中の山のところにある、七つの〇で描かれた文様です。真ん中の〇を六つの〇が囲むように描かれています。
これは1つの星を中心に周りに6つの星を巡らせ描く「北斗七星」を象った紋です。妙見信仰の表れであり、北極星(世界の中心)と関りがあります。
ついでに、紋に描かれた七曜は、中国の天文学で日、月、火、水、木、金、土のことです。
一週間をこれらの名称で呼びますが、あれは、一週間のそれぞれの名前を、この七曜(惑星)に配して名前を付けたのです。
英語でも日曜日はSun(太陽)day、月曜日はMon(月)dayですよね。
大切なのは、この時代にこの思想が既にあったということです。ほかに環金具、刀子、釘、ガラス玉などが出土しています。
府中市さんの古墳(七曜紋鞘尻金具)推しを感じた

駅にこのような看板があり、さらに、駅から古墳までの道には

このように数メートルおきに道しるべがありまして。
しかも、そんな道しるべに七曜紋!

ほら、わかっていらっしゃる。
古墳の中でもこの金具が一番魅力的な遺物でであることを!
なんなら展示館の入り口にもこの七曜紋のイラストが。

ここまで推しているのだから、このモチーフのグッズ、ほんと、作ってください。クリアファイルなどが売られていたら、100%買っていました。七曜だって、単なる刀の鞘の飾りなのにもかかわらず、私は意味もなくこのレプリカ欲しいと思いました。
土偶ガチャで土偶レプリカや、縄文企画で飲んだ縄文土器タピオカの器になっていた北大式縄文土器マグカップなどを持っている私は、ほんとうに欲しいのです。
せめてクリアファイルにして売ってくれたら買うのに!
府中市さん、ぜひ、レプリカやレターセットなどを作ってください(*^^*)
熊野神社古墳がある場所と東京オリンピック

道路のそばから見るとこんな感じです。

「甲州街道」という響きが、北海道人の私には、もうクラクラするほどかっこよく聞こえます。(「街道」と言う言葉に弱い笑)

甲州街道から一本中に入った通りに面していて、すぐ前を新しい府中街道が通っています。つまりこの古墳があるあたりは、古くからずっと、文化の中心地にあったのです。
この公園入口に、こんな写真がありました。

オリンピックの聖火の儀式が行われたようです。
府中市のサイトによると、
熊野神社古墳公園でパラリンピック聖火(府中市の火)を採火したのち、都内全ての区市町村の火を一つに統合し、パラリンピック聖火(東京都の火)を誕生させ、その後その火を分火し、市内で展示(聖火ビジット)します、
とありました。
こちらの府中市熊野神社古墳公園で、パラリンピック聖火(府中市の火)を採火し、その後、東京都の聖火をビジット(展示)していたとのこと。
このような看板がなければ調べることもなかったので、旅して初めて知ることがたくさありました😊
国史跡 武蔵府中熊野神社古墳 展示館
熊野神社のすぐ横に「国史跡 武蔵府中熊野神社古墳 展示館」があります。墳丘土層標本、調査中の写真、解説パネルなどで、わかりやすくこちらの古墳を紹介している施設です。
その資料館には実物大の石室があり、受付で申し込めば、ヘルメットと懐中電灯を貸してもらい、中に入れるのです!

ヘルメットをかぶり、ペンライトを片手に、この中に入って探検気分を味わいました(笑)
ご一緒していたお二人も楽しんでいたご様子でよかった!
時間があれば(そして体力があれば)ほかの古墳も見てみたかったとまで言っていただき、ここに来るまでは縄文も古墳もあまり興味がないようだったので、実物の影響力はすごいと思いました(*^_^*)
こんな素晴らしい古墳とその実物大で体験できる展示館があるのだから、お近くに住んでいる方は、ぜひ!!!
府中熊野神社古墳と展示館の詳細
府中熊野神社古墳
住所:東京都府中市西府町2丁目9
アクセス:
JR南武線西府駅より徒歩約8分
京王線府中駅から京王バスで『西府町2丁目』バス停下車徒歩約4分
府中熊野神社古墳展示館
開館時間:
4月1日から10月31日 午前9時から午後5時
11月1日から3月31日 午前10時から午後4時
休館日:
月曜日(祝日・振替休日に当たる場合は直後の平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
料金:無料
「府中熊野神社古墳と展示館」遊月的まとめ
・パワスポ お勧め度合い:★3つ【★★★☆☆】
大和朝廷ができる前の有力者の古墳と考えられることから、権力や仕事運などのパワーが得られると考えられます。
神社も、熊野(イコール素戔嗚)の古くて強いエネルギーを感じました。
男性エネルギーが強いと思いきや、神社には小鳥たちが飛び回り、穏やかで静かなエネルギーなので、以外でした。
歴史のことがわかる場所なので、パワーを受け取るついでに、展示館でかつてこの地に生きていた人たちのことも知る機会にもなります。
ブログ(遊月の日々これ修行なり~)の記事紹介
ブログでも、もう少し長めにおもしろおかしくレポートしています(リンクで飛びます)
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