出雲神話を巡る旅のレポート6~サンライズ出雲
東京・出雲・京都の出雲神話を巡る旅(2023年5月20日~24日)
【5/20 東京編レポート❻】
旅のレポート№6 サンライズ出雲レポート
サンライズ出雲で東京から出雲に向かう
「サンライズ出雲」に乗って東京駅から島根県出雲市駅まで行きました。ちなみにこの列車は、岡山駅で出雲と瀬戸行に分かれて、それぞれ出雲と瀬戸へと向かいます。東京駅 から岡山駅間は「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」は併結して運転されているのですが、便宜上こちらでは、「サンライズ出雲」とのみ呼びます。
札幌からは出雲への直行便はありません。そのため交通手段としていくつかプランを考える中、最も行きたいと思った方法が、この「サンライズ出雲に乗る」ことだったのです。
サンライズ出雲は、東京から島根県出雲市を結ぶ寝台列車です。かつては日本国内をたくさん走っていた寝台列車ですが、現在では、毎日運転されるのは、このサンライズ出雲だけなのです。そのため激戦でなかなか予約が取れないイメージがありました。
かつては札幌駅でしょっちゅう見かけていた、大阪までのトワイライトエクスプレスや、上野までのカシオペアなど。いつか乗りたいと思っていながら、子育て中で自由に旅ができずにいるうち、それらすべてが定期便としての役目を終えてしまいました。そのため唯一残るサンライズ出雲にどうしても乗ってみたかった。
「出雲に行くなら、サンライズ出雲に乗っていく」
呪文のように私の中で膨らんでいた思いだったのです。
「くじ引きと同じなので期待しないで」と駅員さんに言われる
切符が買えるのは、一か月前の朝10時から。
ネットで自分でも購入できますが、やはり、JRの駅員さんが自社のネットワークを使って購入するほうが確率は上がるのではないか。自分でやってもたもたして買えずに終わる不安を考えたら、たとえそれで買えなかったとしても、駅員さんにお願いする方が安全だと思いました。
5月20日に乗る切符を買うため、発売日の4月20日は会社をお休みし、9時半過ぎに札幌駅に行きました。最寄りの駅でもよかったのですが、北海道で一番大きい駅のほうがいい気がして(笑)
「サンライズ出雲で出雲に行った」という言霊と、駅員さんがにっこり笑って「取れましたよ」と差し出す切符のイメージトレーニングを繰り返していた私は、20分ほど前に申込書に記入して駅員さんにお願いしたところ、
「くじ引きと同じなので期待しないでくださいね。もし取れなかったら申し訳ありません」と言われました。
「大丈夫(取れると確信していますから)です」とにっこり微笑み、駅を後にしました。
運命の時間を5分ほど過ぎた頃、切符売り場のカウンターに行くと、さきほどのお兄さんと目があいました。近づくと、「取れましたよ」とにっこり笑ってくれました。気のせいか、若干ドヤ顔だったような(笑)
あまりにも嬉しくてその足で北海道神宮まで行き、神様にめちゃくちゃお礼を伝えました。北海道神宮の神様は、出雲大社と同じ大国主命ですから。
その時のことを書いたブログです↓
サンライズ出雲の二つの注意点
出発時間は21時50分ですが、20時には東京駅の改札をくぐりました。
サンライズ出雲には飲み物の自販機しかないので、構内で駅弁と朝ご飯とおやつとコーヒーを買うためと、早めにホームに並ぶためです。
21時20分には列車はホームに来るのですが、「シャワーカード争奪戦」があるので、21時にはもうホームに上がってしましました。
サンライズ出雲の注意点の一つ目は、先ほども書きましたが、車内に売店などはなく、お水やお茶や缶コーヒーなどの簡単な自販機しかないことです。
これが実際にあった自販機。水も小さいペットボトルのみです。
遅めの夕飯や翌日の朝ご飯などの食料や、ビールなどのアルコールも車内で購入できないため、アルコールが必要な方やおやつなどは、乗る前に買っておかなくてはいけません。
なので、朝ごはんやそれらの食料は、前もって購入しておきましょう。
注意点二つ目は、シャワーカード問題です。
列車内にシャワーがあるのですが、それを使用するのに必要なシャワーカードを購入しなくてはいけません。車内で使用できる水の量に限りがあるため、当然、シャワーカードの枚数には限りがあります。シャワーカード販売機は、3号車と10号車にあります。そのため、列車に乗る時は、自分の乗る車両ではなく、シャワーカードに最も近い4号車と11号車の入口から乗るのがベストなのです。どちらに並ぶのかは、実際に自分が乗る車両の近いほうでいいのかな、と思います。
それらを踏まえて、しっかりと食量を購入し、列車にホームが入ってくる時刻は21時20分でしたが、念のため、21時過ぎにホームに上がったのです。
しかし、すでに11号車の入口前に15人以上並んでいました。
慌ててその後ろに並ぶと、次々上がってくる人たちが、「もうこんなに並んでいる!」と驚いている声が耳に入ってきました(私も心の中でまったく同じセリフ言いましたから)
サンライズ出雲に乗り込みます
列車がホームに入ってくる時間になりました。ワクワクしながら、列車が入ってくる方にカメラを向けて待っていると、クリーム色とマジェンダ色の二色に分かれたサンライズ出雲が到着しました。
実物を見るのは生まれて初めてです(*^_^*)
さてさて、いよいよサンライズ出雲に乗ります。
列車はこんな感じで二色に分かれていて、二階建ての寝台車となっています。クリーム色のあたりが1階、マジェンダ色のあたりが2階でした。
私は2階のお部屋でした(*^_^*)
下のお部屋だと、ホームに着いた時に窓の外を見ると、ホームに待つ人たちの足しか見えないとネットに書いてあったので、上のお部屋が取れて本当によかったと思いました。
シャワーカードを買いました
こちらはシャワーカード販売機です。ちなみに6分間使用できてお値段は330円。ひとり一枚のみ購入できます。
おつりは出ないので、ちょっきりの金額の硬貨を、旅行に行く前から用意して小銭入れに入れておきました。
列車が到着すると、みな粛々と乗り込み、入ってすぐの場所にあるこの販売機でひとり一枚ずつシャワーカードを買っていきます。
出入口が狭いので、誰かがカードを買っている間は、立ち止まって待つことになりますが、さすがカードを買うために並んでいる皆様。誰も文句を言わず、自分の順番が来るまで静かに待っていました。
このカード一枚でお湯が出るのは6分間。それだと足りないかもしれないと、使用中にお湯を何度も止めて浴びたのですが。実際はラストの2分近く時間があまり、無駄にお湯だけ浴びました(笑)
シャワールームはこんな感じ。奥の壁についている、緑と赤いのが、お湯を出したり止めたりするボタン。壁の中央にドン!と存在感を醸し出している白い棒は、車内が揺れるので、つかまるための物なのです。シャワーを浴びている間、結構なスピードで走っている車体がかなり揺れるので、この棒に助けられました。
こちらの写真では、自販機の前で撮影している私が鏡に映って見切れていますが(笑)
脱衣室はこんな感じで、狭さは仕方ないとして、思っていたより広くて清潔だったので、まあまあ快適でした。
ただ、結構揺れるので、つかまり棒的なもの(カゴの上の横棒)があってよかったです(笑)
車窓を眺めてひたすら幸せな気持ちになる
2023年5月20日、21時50分にいよいよ東京駅を発車しました。
乗り込んだ時間は夜なので、窓の外で勢いよく通り過ぎていく町の灯りとが情緒があって、電気を消してずっと眺めていました。
横浜や熱海などで停車するたびに、ホームの人から見えないようにカーテンを降ろして、隙間からそっとホームを見ていたりしていました(笑)
横浜も熱海も、これから向かうであろう名古屋も、新幹線でも通っているし、はじめてではないのですが、いくら眺めても見飽きなくて。
疲れてきたので、歯を磨いたりコンタクトを外し、一応寝る用意をしてから、寝台に横になりました。
実は二階の寝台車の窓は、若干空にもかかっているため、寝転んだ時に夜空が見えるのです。
ですが、曇りのため星は見えず。残念だなあと思ったあたりまでは記憶があるのですが、やがていつの間にか眠ってしまいました。
この日は朝は4時半起きで新千歳空港まで列車で揺られ飛行機に乗り東京へ飛びました。飛行機から降りてすぐに向かった東京駅で、広島サミット真っ只中の厳戒態勢に巻き込まれたり、大國魂神社とか、武蔵国府跡とか、熊野神社古墳とかを巡ったり。府中市でイタリアンなランチを食べたり、東京駅界隈を散策して、アフタヌーンティーでたくさんおしゃべりしたり。
楽しかったけれど、きっと疲れていたのでしょう。
そのため、熱海(神奈川)から吹田(大阪)までの景色、ひとつも見ることができなくて残念ですぅ(涙)
サンライズ出雲で、サンライズ(夜明け)を見る
朝は窓から夜明けが見えると知っていたので。日の出の時間は場所によって違うので、この日の日の出ジャストがどの場所になるのか、その正確な時間をあらかじめ調べておきました。
まあ、場所とか調べなくても夜明け前から窓を見ていればいいだけの話なのですけどね。
何でも調べることが好きなのです(笑)
夜明け前に起きられるようタイマーをセットしてあったのですが。早寝をしたため、それより1時間早く起きました(笑)
夜明けの撮影をした後に浴びる予定だったシャワーを先に済ませまして。準備を整えて、食堂車まで出向いて夜明けを待ちました。
私の部屋は夜明けの反対側で、部屋からは朝日を撮影できなかったので食堂車に行ったのですが、そこにはすでに数人の女性がいました。
やがて朝焼けがはじまりました。まだ朝日は見えていないのに、列車が動いて景色が流れていく中で、世界が信じられないくらいキラキラと輝いていました。
実際に日が登り始めたのは明石からでした。
(調べていたから知っていたけど笑)
明るい石。いい名前。
撮り鉄さんと車窓からの風景
夜が明けると景色がはっきり見えてきました。
部屋に戻り改めて車窓を眺めていると、結構あちこちで撮り鉄さんが、サンライズ出雲を撮影しているのを見かけました。私はガッツリ窓から外を見ていたので、誰かのフイルムの中に収まってしまったかも(笑)
撮り鉄さんにちょいちょい撮られたので撮り鉄さんのことも撮りました笑)
4時に起きて朝日を撮影し、朝ごはんを食べた後、島根に着く10時まで、ただただ車窓を見て過ごしました。そんな車窓の一部を貼っていきます。
鳥取の名峰大山(だいせん)が見えてくると、車掌さんがアナウンスをしてくれたので、部屋からは見えなかったので再び食堂車に行きました。
夜中はアナウンスを控えますとアナウンスのあと、一切何もなかったのですが、朝になると通り過ぎる名所や停車した場所の観光名所の案内をしてくれました。
サンライズ出雲とのお別れ
もうすぐ終点のアナウンスが流れると、とても寂しくなりました。
12時間乗り続けるうちに、すでに自宅にいるような居心地の良さを感じ、美しい景色にじっと目を凝らし、ただただ楽しかった列車の旅。
ああ、名残惜しい。
だがしかし。
これから希望溢れる出雲神話を巡る旅が本格スタートなのです。
いよいよ列車を降ります。準備をして部屋を出ました。通路は結構狭いので、キャリーバックを運ぶの結構大変。
切符さん、バイバイ。4月20日朝の10時過ぎにあなたを手渡された時の感動、忘れないよ。
駅員さんグッジョブ!!
降りたーーー!
出雲の地を初めて踏んでる!!!
泣きそう!!
ふう。深呼吸です。
さあ、改札に向かおう。
さあ、いよいよ出雲の旅がスタートです。
それにしても列車の旅は良いですね。
また乗ります!
皆様も機会があればぜひ!
サンライズ出雲の詳細
サンライズ出雲
東京駅から出雲市駅間を、東海道本線・山陽本線・伯備線・山陰本線を経由して運行している寝台特別急行列車
運行開始:1998年7月10日
起点:東京駅
終点:出雲市駅
営業距離東京出雲間:953.6 km
平均所要時間:約12時間
「サンライズ出雲」遊月的まとめ
・パワスポ お勧め度合い:★4つ【★★★☆☆】
パワースポットという定義では、ちょっと違うのかもしれませんが、パワーをもらえることは間違いないです。固定された場所ではなく、移動することによって生まれる景色の美しさや旅情が、心の元気をアップしてくれます。
たまにはゆっくり寝台列車で旅をするのは超お勧めです(*^_^*)
ブログ(遊月の日々これ修行なり~)の記事紹介
ブログでも、もう少し長めにおもしろおかしくレポートしています(リンクで飛びます)