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◆作品No.261 昭和元禄落語心中 1期+OVA

🔴作品紹介🔴

放送期
2016年1月8日 冬

character
■与太郎放浪篇(OVA再編集)
▼有楽亭
与太郎、強次(よたろう、きょうじ(本名)):関智一
八代目 有楽亭 八雲(ゆうらくてい やくも):石田彰
菊比古(きくひこ):石田彰
二代目 有楽亭 助六(ゆうらくてい すけろく):山寺宏一
小夏(こなつ):小林ゆう
松田(付き人/まつだ):牛山茂
▼円屋
四代目 円屋 萬月(つぶらや まんげつ):遊佐浩二
▼その他
アマケン(落語評論家):山口勝平
ヤクザ兄貴:加瀬康之
お栄(料亭女将/えい):斎藤恵理
収容所係員:岩崎ひろし

■八雲と助六篇
▼有楽亭
七代目 有楽亭 八雲(ゆうらくてい やくも):家中宏
八代目 有楽亭 八雲(ゆうらくてい やくも):石田彰
菊比古(少年期/きくひこ):小林沙苗
菊比古(二つ目/きくひこ):石田彰
二代目 有楽亭 助六(ゆうらくてい すけろく):山寺宏一
初太郎(少年期/はつたろう):立川こはる
初太郎(二つ目/はつたろう):山寺宏一
松田(付き人/まつだ):牛山茂
小夏(こなつ):小林ゆう
与太郎、強次(よたろう、きょうじ(本名)):関智一
▼落語会関係者
落語協会会長:柴田秀勝
三代目 円屋 萬歳、淀川公男(つぶらや ばんさい、よどかわきみお(本名)): 茶風林
ぺー助師匠:岩崎ひろし
文鳥師匠:岩崎ひろし
小馬師匠:斧アツシ
▼寄席「雨竹亭」
下座(しもざ):小林優子
お千代(下座見習い/おちよ):伊藤結衣
▼置屋
お栄(料亭女将/えい):斎藤恵理
みよ吉、百合絵(みよきち、ゆりえ(ほんみょう)): 林原めぐみ
▼四国
祖谷蕎麦屋店主:四宮豪
祖谷蕎麦屋女将:三宅麻理恵
亀屋旅館大旦那:阪脩
仲居:中川由貴
▼花形鹿芝居美鈴座
文太(ぶんた):木村良平
忠信 利平(ただのぶ りへい):四宮豪
番頭:後藤ヒロキ
▼その他
アマノ(アマケン父):山口勝平
初代 有楽亭 助六(ゆうらくてい すけろく):神奈延年
樋口 栄助(学生期/ひぐち えいすけ):矢野正明

監督
畠山守
脚本
熊谷純
キャラデザ
細居美恵子
アニメーション制作
スタジオディーン

オープニングテーマ
「薄ら氷心中」-林原めぐみ
エンディングテーマ
「かは、たれどき」

★あらすじ★
噺家の愛おしき素顔と業を描くTVアニメーション作品
アニメファンのみならず落語・音楽業界からも大絶賛された第一期放送から一年を経て、この冬、さらなる感動の物語が始まる

刑務所の落語慰問会で見た大名人八雲の「死神」が忘れられず、出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。
拝み倒して八雲の住み込みの弟子となり、芸を磨いた与太郎はついに真打へと昇進する。
継いた名跡は三代目助六。
八雲師匠の為め、小夏の為め、二人の中の助本を変える為め、
与太郎が見出す己の落語とは・・・。

繊細な人間描写で高い評価を得る雲田はるこ原作による、昭和の落語界を舞台にした噺家の愛おしき素顔と業を描く期待の一作。描く期待の一作。



🔶感想🔶

<視聴日>
視聴2024.10.15

<評価:S>
※評価は物語・好みで付けています。
S:面白い・大好き A:面白い・好き B:普通・可も不可もない C:面白くな~い
(各評価+、-)

<感想>
**ざっくりあらすじ**
人の性分ってのは、どうもこうなんだ。。愚者たちのそんな物語。

見終わりました~!!いや~!面白かったよぉおお!!!またまた想像していたのと違った笑。キービジュの二人が師弟関係で、弟子が師匠を目指す話で落語をひたすらやっていくと思っていたけど・・・
それもあるが!!全然!!!こんな人間ドラマ作品だと思わなんだ。情・情・情。
人の深い深い業と俗の話でぐちゃぐちゃで感情を動かされる。
心情感情好きとしてはグイグイのめり込んでしまった。
人間関係の部分と子供に隠し通す謎もあり非常にドロドロで人間臭くお腹いっぱいになる。
ただ困っているのは2期作品で、どこをどう分けて書こうか悩んでしまった。
いや!ちゃんと分かれているが、結果一人の男の一生の話なのでどの話をどう切り取るか迷ってます。ww
1期は、前日譚のようなもので八代目八雲(菊比古)の若かりし頃の話が中心です。
初めて落語を1席聞いたけど、落語を知らなくても楽しめる。
実写化もされるのが分かる。とても良い作品です。


<感じた伝えたい事・テーマ>
本作に感じたテーマは「情念」です。
◆テーマ:「情念」
まず情念の意味から書きます。

情念: 心の働きと思い。 また、強くとらわれて離れない愛憎の感情。知、情、意によって代表される人間の精神作用の総体、またはその中心にあるものを指します。また、恐怖や憎悪、不安、絶望などの感情も情念と呼ばれます。

なぜ情念と感じたかというと、本作は菊比古の人生物語で菊の人生で心を強く捕われ恐怖・感動などの精神の作用されたものが【落語】。落語への執着と愛情が強く描かれている。
それはまさに「情念」。愛しくも憎たらしいでも手放せない。自分にはこれしかないと柵に捕われる菊の心の動きがこの作品のおもしろさと思いました。
少し物語を振り返ります!!
踊りの家元の菊は事実上捨てられた形で七代目八雲の元に弟子入りをする。
落語には興味がなかったが、同時期に入門した助六の落語に惹きつけられた。この出会いが菊に落語を始めさせるきっかけになった。初めは上手く出来ず助六との差に落胆もしたが、鹿芝居で女形を演じた事で色気のある噺が自分の得意だと分かり、始めて客が自分を見ていることに感動を覚えた。そこから菊は容姿が良いことも相まって落語が好調になる。その間に七代目師匠から紹介されたみよ吉という愛人と芸の肥やしということで純粋な関係を持つも結果的に菊が選んだのは落語だった。
恋の相手をも捨て進む事を決めた落語への思い。愛情、憎悪が表裏となって菊が捕らわれ一生を生きたのを見てそれだけ菊にとって大事なものなのだと感じた。

菊だけではなく各キャラの思い入れるものへの思い。念。情。それらに名前をつけるなら「情念」が思い浮かびました。(※みよ吉の情念については二期の方で書きます。)

※ここからネタバレです。本作に関しては作品を先に見てください。

<気になった事(良し悪し)>
・全体を語るよりも人間ドラマなので一人の一人のキャラの心情を細かく語りたくなる作品だなと思った。1期は非常に大人の話なので、少年誌で登場するヒロインはいません。それがまた艶と色気、人間の卑しくいやらしい部分が表現されて魅力。大好物の恋愛と痴情のもつれ。ここを語りたい!!非常に語りたいwwwドロドロ~。。。
生真面目な菊比古と大雑把な初太郎の前に現れた女性、みよ吉。元は七代目八雲の愛人だ。
八雲は菊へみよ吉を紹介した。みよ吉も美男子の菊に興味を惹かれた。みよ吉の経歴をいうと戦争で満州で娼婦として生きながらえていた。みよ吉は相手が求める女性像になれる才能を持っていて様々な男の元を転々としていたと思われる。そんな過去があり菊の生真面目さと色目で扱わない態度にのめり込んでいった。作中、私は「菊はどっちなんだい?」と思いながら見ていた。キスはするんだよな~。って事は気持ちがあるのか?でも冷たくなったり体の関係までは行かないし。。とモヤモヤしていたwwwしかーーーーし!!
8話ではっきりします。はい。ネタバレすみません。私の心の声を聴いてください。
『はぁあああああああああああ?すきなんかよ!!!はあああ?いやいや!ちゃんとはなせよ。おい菊よ。』
と叫びましたwwこの8話がまたね、いいのよ~!!落語の仕事が忙しくなっていた菊はみよの誘いも断り逢う事も減っていた。なんなら街で見かけたのに見て見ぬふりをするの。それでもみよは変わらず愛想を振りまいていつもの対応をするの。泣けてくる。決定打は落語の巡業が決まりそれをみよに言っていなかった。後から知ったみよがショックを受けた所に初太郎が居合わせて泣くみよを抱きしめるんだよ~。離してというみよ。そこに菊が来るんだよ~巡業から帰って来たんだよ~。それを見られて一悶着。だけど怒らないの菊が。みよからすると他の男と何かあっても怒ってもくれない=自分の事はどうでもいい。悲しいだろよ~。みよが走って行ってしまったのに追いかけないの。
それにも理由がある。これから落語が軌道にのり昇進していくなかで師匠にちゃんとした女を娶れと言われる。考えた菊が出した答えが「落語を破門になでまってまで彼女ととは思えない。別れを決めている男が追いかける。こんな酷な事あるかい」ということでした。
あ・・うううううまぁそう言われると追いかけられた方がムカツクな。と思う気持ちとでもやっぱり気にかけて欲しい女心が交差してグチャってなったwww

・新旧の難しさもテーマとして入っている。歴代の落語家が作って来た古典落語。伝統になると古典は重要視されるが、戦争が終わり経済成長した日本では娯楽が増え始めた。人の噺で笑うだけの時代じゃない事に誰よりも危機感を感じていた助六。新たな噺や見せ方様々なことへチャレンジするも師匠をはじめ落語界から毛嫌いされる存在になっていた。毛嫌いは助六の性格もありますww誰よりも落語を愛していて落語が他の娯楽に負けないようにしたいと考えていたからこその行動は理解できる。そんな男に憧れた菊がその男が落語を出来ず辞めてしまうかもしれないそんな姿は身を引きちぎられるような思いだったのだろうね。人間は変化を怖がるからね。
古きものを壊したいのではなく進化をしないと生き残れない。これは様々なものと同じだなって。実際歌舞伎は古き伝統を持ちつつ現代と融合している。来客減少の危機から脱し成功したと思う。伝統は守りつつ変化・進化も必要だなと。

・最後衝撃的すぎない??ww急に。。良い感じだったのになんでそうなった。。小夏が不憫すぎる。

<タイトルについて>
【昭和元禄落語心中】
以下のように考えてみました。※全て憶測です。
・これは考察とかではなくタイトルの「心中」に注目しました。タイトルだけ見た時にしんじゅうなのかしんちゅうなのか気になっていてしんじゅうの方でした。なぜシンジュウなのか?「見ればわかる奴やん」でした。落語と共に死ぬ思いが散りばめられていた。

<映像、音楽>
映像:とても綺麗だった。背景が綺麗な作品は最後まで綺麗なのよ。建物細やかさとか凄い。スタジオディーンさんは安定だよね。キャラデザも好きなタイプでした。

音楽:もう~驚いた!!!
「薄ら氷心中」
林原めぐみ←!!??作詞・作曲・編曲 椎名林檎←!!??
これだけでもビックネーム過ぎて驚くのに実際聞いたらもうもうもう。流石の林檎様。めぐみ様。このジャズスイングほかにもジャンル入ってると思うけど曲調にめぐ様の可愛いけど色気がある妖艶な歌声が合い過ぎてぶっ飛んだwww歌詞もみてぶっ飛んだ。林檎世界(ワールド)な当て字。
幸せ=仕合わせ・・・偶然の巡り合わせや、相手や周りのために仕え合うことを意味する
これも仕合わせがみよ吉の行動になってるんだよね。この歌詞はみよ吉の心中で、タイトルも春先に薄く張った触れただけで壊れるそんな儚くて脆くでも綺麗なこころ。心中(しんちゅう)を表現しててスゲええええええってなりました。

<声優及びキャラ>
・まあああ声優陣がビックネームだらけ!!実力派の声優さんばかりで見応えありすぎます!!

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