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「氾濫」 監督:増村保造/1959


こんなお話

真田佐平は接着剤サンダイトを発明し、一躍、平技師から三立化学の重役になった。会社の株を贈られ、立派な家も買った。種村という若い学徒の研究論文を読 まされたが、学界の雑誌に載せてもいいものだった。英訳をすすめておいた。--真田の妻文子は急に生活が変ると派手ずきになった。娘のたか子と同じに浮か れたように毎日を過す。

レビュー

増村作品で企業を扱った作品では『巨人と玩具』が有名ですが、こちらも企業のお話。

いちサラリーマン(というか技術者)の真田佐平が会社を大きく発展させる発明をしたことで、一挙に重役までステップアップ、それにより彼の周りの環境が変化していくストーリーです。


ノーベル賞の田中耕一さんみたい。


常連の若尾文子も出てますが、この作品ではそこまで存在感はありません。

むしろ、成金女学生でバカっぽさ満点!
若々しくてキュートですけどね。


作品自体は全体的に地味な印象ですが、それぞれの人物の思惑や欲望が文字通り「氾濫」していて、さながら群像劇のよう。


中でも、船越英二演じるプレイボーイ板崎と、沢村貞子演じる真田嫁とのやり取りが際立ってますね。

頬を染めて、すっかりその気の沢村貞子に「鏡、見てみろよ」と痛烈な言葉を放つ船越英二がインパクト大です。こういう役、船越英二はハマるなぁ。


様々な人間模様をシニカルな目線で楽しませていただきました。


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氾濫
1959/大映東京

<スタッフ>
監督:増村保造
脚色:白坂依志夫
原作:伊藤整
企画:藤井浩明
製作:武田一義
撮影:村井博
美術:渡辺竹三郎
音楽:塚原晢夫
<キャスト>
佐分利信
沢村貞子
若尾文子
川崎敬三
叶順子
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