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【香港-1】香港・Maid Planet~キュートな❝萌星人❞がお出迎え~【第20回】


危険人物、発見!!(いい意味で)

 
「あの子、一番宇宙人のコンセプトに合っていると思いますよ」
ひょんなことからメイドカフェ『Maid Planet』に通いつめることになった私に対し、教師をしているという日本語が堪能な常連オタクさんはそう語りかけました。
おっしゃる通り、あれほどぶっ飛んでいる子はそういないでしょう…。結局、そのメイドさんがいるおかげで私は2回の香港来訪で計5回、かのカフェを訪れることになったのでした。
キャラが立っていると注目される、その好例。勿論このカフェ自体も好きなんですが、かの女の子(私はひそかに「姫」と呼んでいます)のエピソードばかりが印象に残っています。
これから書き綴る内容も、彼女の話が中心になることをお許し願いたく…。さあ、❝惑星❞に出かけてみましょう!

アニメとゲームで日本語を覚えた関西弁少女


かのお店の最寄り駅は油麻地。A5出口からネイザンロードを北上して、香港のオタクビルという異名を持つ漫画・アニメの聖地『信和中心』を横目に進みます
ほどなくして豉油街なる小路と交差するので、そこを右折。間もなく右手側に見えてくる『福泰大廈』の11階にある(香港のメイドカフェは雑居ビルの高層階にあるパターンが多いような)のが、個人的に香港で最もキョーレツなインパクトを感じる『Maid Planet』です。

「宇宙人主題女僕Cafe」と称されるMaid Planet。可愛い萌えキャラの看板が目印です。

到着したからといって、意気揚々と扉を開けてはいけません。「ダメだよ~、やり直し!」と怒られること待ったなしだからです(笑)。メイドさん曰く、我々地球人が直接ドアに触れると「腐ってしまう」という理由で、まずベルを鳴らしてメイドさんの応対を待つ必要があるようです。

このドアは地球人が触れると腐ってしまうので、はやる気持ちを抑えてベルを鳴らしましょう。
ドア横にある「請按宇宙門鈴」と書かれた貼り紙のすぐ下にベルがあります。

 場合によってはひとしきり叱責(ご褒美とも言う)を受けた後、いよいよ店内へ。内装はかなりピンキーで、異空間を感じさせるのには十分すぎるくらいです。席数は30未満といったところでしょうか。あまり遅く行くと満席の可能性も考えられるので注意が必要です。
奥にはメイドさんのお着替え部屋とステージが。舞台は時折メイドさんが歌ってくれたり、テレビゲームを楽しんだり、チェキを撮ったりするスペースであったりします。

ここでは、特に3人のメイドさんが印象に残りました。
1人目は、茶髪で三つ編み(日によると思います)の、若干の日本語を話せるおっとりした感じの子。幼い雰囲気がまた良し。その子は某アニメの影響でカフェでの名前を決めたそうな。
2人目は、本場・アキバのメイドカフェで「可愛い!」と言われた経験を持つ綺麗系の女の子。顔立ちが整っており、ファッション雑誌にもいそうな感じです。
そして3人目。「3歳児」(発音は「さんさいご」)を名乗る自称・幼稚園生で、「友達100人できるかな♪」と話すぶっ飛び系女子です。パッチリとした目が印象的で、なぜか寄り目も上手いのが特徴。

特に3人目のメイドさんは、とにかくハイテンション! 時折放たれる暴言も素晴らしい。初回訪問時に勢いについていけず唖然とする私と同行者Aさんに、彼女は「アニメとゲームで日本語を覚えたの!特にギャルゲー!」とあっけらかんと語ってくれました。
なかなか上手な日本語を話すのですが、「そうだよ~」「~だ!」などと語感がいちいち可愛い。「敬語使わないと失礼ですか?」と聞かれたことがあるけど、全くそんなことはありません。私は「敬語は人の距離を遠ざける寂しいツールだから、日本では嫌われてるんだよ」と説明しておきました。信じないでくださいね(笑)。

ドリンクやフードが充実。ポイントカードもあります。ここはグッズ展開も積極的なよう。
右に写真がある「メイド星球」「うちゅうじん」と書かれたTシャツは持ってます(笑)。 

稀有な才能を持つハイテンションガール

 
それにしてもこの子の勢いは凄い。その上潜在的にSっ気があるらしく、意味不明な話(日本語は上手いので、本当に話の中身が分からんということです笑)を繰り広げては「そうでしょ!?」と同意を迫り、我々に「勿論ですとも!」と言わせたがります。
私はドMなので、話し相手としては相性は良いかと(笑)。いつしか私と同行者Aさん、Oさんは、彼女のことを「姫」と呼ぶようになっていました…。

夕食としてパスタ炒飯を頼んだ時のこと。例のごとくケチャップでお絵描きしてくれるそうなので、初回はドラえもん、2回目はのび太くんを頼むことにしました。
香港人にもドラえもんは有名なので、ササっと描いてくれるだろう…そう思っていた矢先に出てきたのが下の写真。姫の作品です。

誰だこいつら。

ツッコミどころしかないのですが、どちらも初めて見るキャラなのは気のせいでしょうか?
下がのび太らしいのですが、目が殺気立っていて夢に出てきそうなレベル。そういえば、ここは宇宙人をコンセプトとしたメイドカフェ。地球のコンテンツはご存知ないのだろうと思うことにしました。ただその割に、他のメイドさんは真っ当なイラストを描き上げているような気がするんですが…(笑)

ここで売っているオリジナルTシャツを買おうとした時のこと。既にメタボな私はXLサイズを必要としていたのですが、その場ではMしかなかった(翌日、無事XLを入手)。すると、「ドMだけどMじゃ小さいね!」と、日本人顔負けのジョークを繰り出す始末。
なぜかロボット声で接客してくれることもあり、これがまた萌えます。

もちろんキャラづくりの側面は大いにあるでしょうが、不思議ちゃんの側面も持っています。
3人で来店した時のこと。うち1人はアニメショップ巡りで後に合流することになりました。しかし彼女はまだ到着していない彼を「透明人間」とみなし、「君の友達(私のこと)、変だよ♪」と語りかけていました…。
4回目の来店時に彼女がシフトに遅刻してきた時は「異星人と戦っていて遅れた!」とのこと。ある時は「香港の歌で料理が美味しくなる魔法をかけよう!」と言い、「メリーさんの羊」(広東語バージョン?)を延々と歌わされることに。絶対香港の歌じゃないでしょうよ(笑)。

謎発言の数々は見逃せません。ダイエットの秘訣を聞くと「銃で贅肉の部分だけ撃つ、1秒で痩せられるよ!」。
私の故郷・旭川で雪まつりが開催されるのを知ると「雪だるま(氷入り)を作って人に当てたい!」と笑っていた。さすが南国、怖いもの知らずですな…。(なお北海道は一年中雪が積もっていると思っていたらしいです。ネタかと思いつつ、案外マジだったかも)
また「肉を食べに」中国・深圳へ出かけることが多いらしく、「深圳は泥棒ばかり! それを一人一人倒していくのが楽しいんだよ!」ということでした。

かように、この子の話題や性格のレパートリーはとにかく広いのが特徴です。こちらが話したい内容を口にする前に彼女のペースに巻き込まれてしまうのですが、それがかえっていいのかも。
いつも会話や返答が斜め上で、全く喋っていて飽きないんです。人見知りで何を話せばいいかわからない私のような男性も安心ですわな。
その上「え~、もう帰るの? もう少し話そうよ!」と言われると「まあ、少し予定を変えれば問題ないわな」とあっさり従ってしまう男の性。そして、チェキを乱発するという…。

宿題チェキを受け取りにまた来訪するのもアリ?


ここのチェキシステムは特殊で、経営的にもよく考えられていると思います。
撮影後当日すぐにお絵描きしてくれる通常のチェキの他に、❝宿題❞と称する翌日仕上げのチェキもあるのです。試しに宿題を頼んでみると、仕上がりが全然違っていました(通常チェキが手抜きということは全くありません)。通常のチェキより少し値は張りますが、頼んでみる価値はあるでしょう。
受取に再来店するので、お客の側としてもよりお金を落とすことになります。
一つだけ注意したいのはメイドちゃんの出勤日。これによっては、旅行中に❝宿題❞を受け取れないリスクもあるのでよく確認しておくことが必要です。まあ、宿題を受け取りに翌月とか翌週にまた渡航しても良いのでは? 知らんけど(笑)

結局『Maid Planet』というよりあるメイドさんのエピソードばかりになってしまいました。彼女が喜ぶワードやモノも紹介しておきましょう。
自らは「おしとやかな文学少女」と称しているので、そう言ってあげると嬉しがるはず。もっとも、文学少女の証拠として見せられたのは電子書籍の漫画でしたが…。そして甘いモノが大好きなようで、日本のお菓子をお土産に持って行くと喜ばれます(これは割とどこのカフェでも通用するかと)。

Instagramや17LIVEを駆使している彼女。外国人ならではの「の」の誤用がやはり可愛いものですが、あまり日本語を解さない香港人や外国人からは、日本語で投稿するだけで日本人だと勘違いされることも多いのだとか。
最近では「香港人です!」と白状(?)している様子。何にせよ、稀有な才能を持つ不思議ドSメイドちゃん。その動向にはこれからも目を離すことができません。
(2024年追記:コロナ禍以後、現在の動向は確認できていません。いつの日か再会してみたいものです)


★お店の情報★

アクセス:MTR油麻地駅A5出口徒歩5分
住所:旺角豉油街24-26號 福泰大廈11樓
営業時間:15時~22時(月曜定休)


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