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【マレーシア-1】ミリ・Sunny Meido Cafe~まさかの場所にある楽園~(第109回)


マレーシア唯一?のメイドカフェ


皆さんは、マレーシアのミリという場所を知っていますか? 私は知りませんでした。カフェ探しをするまでは。
どうやら、マレーシアにはメイドカフェが一軒のみ存在し、それも首都クアラルンプールではない街に位置するよう。それが「ミリ」なのです。

もう少しイメージを明確にしましょう。ミリがあるのは、首都とは別の島・ボルネオ島。お隣にはブルネイという国があります。ミリにしてもブルネイにしても日本からの直行便はないため、アクセスとしてはクアラルンプール経由が一般的だと思います。クアラルンプール~ミリ間は2時間半ほどで結ばれる直行便が1日に複数便運航されているので、比較的便利と言えましょう。

とはいえ、情報があまりにも少ない地方都市に、しかも飛行機で向かうというのは多少なりとも緊張するところ。下調べを入念にした上で、ボルネオ島はミリへ飛ぶことにしました。

Grabを駆使してたどり着いた楽園


ミリ空港を降り(国内線を利用したのになぜかパスポートに入境スタンプを押される)、目的の『Sunny Meido Cafe』へ向かいます。
こじんまりとした地方空港から、市中心部への路線バスは私が調べたり見たりした限り運行されていない様子。皆、車を使うのでしょうか。ケチらずに、東南アジアでは必須の配車アプリ「Grab」を行き帰りとも利用しました。ちなみに空港からの距離は15分ほど。べらぼうに遠いわけではありません。


南国らしい、庇が続く商店街の中に原色系の異彩を放つ『Sunny Meido Cafe』がありました。
かなり凝って書かれたことが分かる看板。「おいしいい」と日本語も書かれています。
ここにあるように、お店のおすすめメニューはシェイクヨーグルトなどの各種ドリンク。

「あ、あった…!」 開いててよかったメイドカフェ。さすがにここまで足を運んで見つけられなかったら目もあてられないですからね。外観・内観共にピンクの可愛い雰囲気なのでかなり目立ちます。開店時間の13時に、昼食目的も兼ねて乗り込みました。
おそらく完全にローカルなメイドカフェ。突然の異邦人の訪問にメイドさん、お客さん共に戸惑う様子が見られましたが、淡いピンクのメイド服を着たメガネっ子の店長さんが応対してくれました。有難いことに、かなりカタコトながら日常的な日本語は話せるようです。「日本語、ヘタ」と言ってましたが、私の中国語レベルより相当上です。この子とは、終始❝日本語教室❞を繰り広げることになります。

ゼロから始める異文化交流!


さて、メニューはというと、フードはカレーかつ丼、トマトかつ丼、トムヤムクン、チキンパスタと種類が豊富。16.9リンギットは安いですね。ドリンクは大体15リンギットです。逆にチェキが30リンギットと他より割高なのが印象的でした。店長さんのおすすめは各種ヨーグルトドリンクということです。
店内にある和室は貸切もできる模様。300~1,000リンギット(食事やチェキも含む)ということで、6名までと20名までの部屋があるそうです。グループで訪れた際は適しているのではないでしょうか。

20人くらいが入れそうな店内には家族連れも来店していました。普通の可愛いレストランとしても認識されているのでしょう。おばちゃん達がしきりに私の方を見ていました。まあ、地方都市にアニメTシャツを着た得体の知れない外国人がいれば、嫌でも気になるものかもしれません。オルゴールで流行曲をアレンジしたBGMの流れる店内は、どこかゆったりした雰囲気が流れています。

1回目の訪問(昼、夜に2回訪問しましたw)で注文したトマトかつ丼(だったか?)。
右に写るヨーグルトドリンクは冷え冷えで提供してくれ、濃い味でどれも美味しかったです。

食事が一通り終わると、店長さんがほぼつきっきりで接客してくれました。この子は「ソードアートオンライン」がきっかけで日本語を学び始めたそうで、イベントではコスプレも披露しているそうです。
夢は東京のコミケに行くことだと語る彼女は、決して公用語ではない日文を懸命に話してくれました。蛇足ですが、彼女達が日常会話で使うのは中国語とのこと。書き言葉でも簡体字を駆使している様子で、確かに街中でも簡体中国語の看板が散見されたのを思い出します。
マレー語でも英語でもなく、なぜ中国語なのか…? その辺もしっかり取材しておくべきでした(笑)。

ワニワニパニックのような定番やUNO、カードゲームなど遊び道具も充実しています。

彼女と話していると、明らかに日本語を「耳で覚えた」のが分かりました。私が単語の発音を教えると、ブロークンなローマ字でメモを書き留めています。枚数は10枚くらいにのぼったでしょうか。上から目線になりそうですが、本当はローマ字の基本から教えたかったです。
また、音で覚えているため例えば過去形、現在進行形のような変化形があまり分かっていない様子です。ただ、音で覚えるのが苦手な日本人にとって、彼女の学習姿勢は心から見習うべきだと思いました。まずは単語さえ覚えれば何とかなるのですから。

2時間以上滞在したでしょうか。さながら日本語教室でしたが、大変面白い有意義な時間を過ごせました。近くに「テントの夜市があるよ」と教えてもらったので、そちらを散策した後…再び夕食時にカフェへ戻ってきました(笑)。観光もしようかと思ったのですが、バスもなさそうなので諦めたのです。

2回目はカレーかつ丼とメロンヨーグルトを頂きました。こちらも美味。
トムヤムクンも気になりました。「少し」辛いそうですが、基準が違うかもなので控えました。

先ほどの店長さん(「ネムイ~」とのことで、途中まで仮眠していました)やスラッとしたメイドさん(先ほどまでコスプレイベントに出場していたそう)が出迎えてくれました。スタッフにはお兄さんもいるようです。
当然ながらチェキも再度撮りました。♥のポーズを、映える角度で撮るのは案外難しいものだと知りました。
終盤には2グループが来店。やはり夜の方が盛り上がるのでしょうか。夜は「いっぱいの野良犬がいる」そうなので、気を付けて退店することにしました。実際に街を散策していた時に野良犬は見かけたので、この辺は注意が必要かもしれません。

まるで桃源郷のよう、とも称せました。果たして、このボルネオ島・ミリを再訪する日は来るのでしょうか?
あまりに時間のかかる環境を思いながらも、日本語を勉強する店長さんがコミケを満喫できる日が来ることを願わずにはいられませんでした。


★お店の情報★

アクセス:ミリ国際空港から車で15分
住所:Lot 2484, Boulevard Commercial Centre, 98000 Miri, Sarawak, Malaysia
営業時間:13時~22時


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