【香港-2】香港・Papillon 帕比安紅茶書室~本格派英国風ティーハウス~【第21回】
まずは発見することから!
ある香港の方に、「旺角と油麻地エリアは香港一の繁華街だよ」と教えてくださいました。
確かに、メイドカフェが集結するこのエリアはとにかく人通りが多いです。元々限られた土地の中で発展した700万都市・香港。その中でも随一の人口密集地帯というわけですから、休日ともなるとエリアを南北につなぐ大通り、彌敦道(ネイザンロード)は身動きが取れないほどになります。
一方で、このエリアに全てが集結しているメイドカフェは、まるで姿を隠し行動する秘密結社のごとく見つけにくいのが特徴です。台北・西門町の『萌姫女僕咖啡』辺りなら偶然「あ、こんな所にメイドカフェがある!」と発見し、好奇心で入店してみる観光客もいそうなもの。
ですが、香港でそのような事は100%起こりえません。店先にでかでかと看板が出ている事がそもそもないからです。今回紹介する『Papillon 帕比安紅茶書室』も例外ではありません。(2024年追記:2019年時点での情報です。現在は香港島の上環付近に移転しています)
接客・サービス精神は日本のメイドカフェ由来
私が訪れた2019年当時は、旺角駅の北西側に居を構えていた帕比安紅茶書室。現在は移転しており、MTR上環駅A2出口から徒歩5分の場所にあるようです(再訪問できていません…)。
いかに怪しげなビルに入居していようとも、メイドカフェとなるとどの店も可愛らしく内装がいじられています。ただ、帕比安紅茶書室はどちらかと言うとシックで落ち着いた内装が施されているのが印象的でした。
雰囲気としてはカフェ、いやティーハウスとでも形容した方が適切かもしれません。さすが元英国領といったところでしょうか。
それでいて、奥には日本式の畳スペースが設けられているのも日本人的に好感度が高いです(移転後の店舗については不明です)。
私は夜7時過ぎに訪れましたが、店内はほぼ満員でした。どうやら、予約してから行くのがベターとのこと。ただ、メイドさん(というより由緒正しき店員さん?)が機転を利かしカウンターへ通してくれました。それも、完璧な日本語で。
聞いたところ、このカフェは一部ネットでは「メイドカフェ」として紹介されているものの「それとは少し異なりますかね~」ということでした。なんでも、店長さんは日本のメイドカフェの精神、接客・サービスに感銘を受けてカフェを開業したらしいです。
一方で、ここは日本のメイドカフェの雰囲気とは一線を画しています。やはりお洒落なカフェという方が近いかも。受け継がれているのはハード面ではなく、主にソフト面…特に接客と言って良さそうです。
その証拠に、女の子3人はとても丁寧な日本語で色々な問いに答えてくれます。時に日本へ紅茶を仕入れに行くこともあるそう。
私が訪れたのは2019年11月。まさにデモが活発化していた時期ですが、「こんな時期に大丈夫?」と言いながら、翌日は選挙があるためより危険であること、また近寄るべきでないエリアなどを教えてくれました。危ない時期に入国し、予約なしで突然入店し申し訳なかったなと思います。
優雅なティータイム、ディナーを
せっかく初めて来たのだからと、ドリンクと食事を頂いてみました。ここは「紅茶書室」と名乗っていることもあり、飲み物は紅茶を注文。さすがに種類が豊富、本格的です。
自分は貧乏舌のオタクであり、紅茶に詳しくないと伝えると「茶葉の匂いを嗅いでみますか?」と。名前だけで分からなければ、茶葉の匂いで気に入ったものを注文できるわけです。ホスピタリティもしっかりしている…。
ちなみに頼んだ紅茶は、当然のように美味でした!
ここは食事もおススメ。悩んだ末に、お肉とキャビア(!)が載った炒飯を頂きましたが、結論としては最高と言うしかありません。
口当たりがまろやかで、じわじわと漂ってくる肉とキャビアのハーモニー。いい値段ですが、それに見合った価値があります。
ちなみに、この時期は香港でも映画「天気の子」が流行しており「陽菜(※)のチャーハン定食」(※映画のヒロインの名前です)なる限定メニューも。そちらにも後ろ髪を引かれる思い…。もう一日滞在期間があれば、間違いなく再訪していたでしょう。
思わず食後のデザートまで頼んでしまいました。カボチャのケーキ、まさに初冬という季節感を活かした素敵なメニューです。外は場所によっては緊迫した空気が流れているご時世でしたが、ここは全くの別世界。
メイドカフェならではのキャピキャピした空気を期待していくと面食らうかもしれません。しかし、親切さとおもてなし、食事は一級品です。普通のメイドカフェに食傷気味という方は是非訪問を。
なお、時折店員さんたちがトラディショナルなメイド服を着用するイベントもあるそうです。
★お店の情報★
アクセス:MTR上環駅A2出口徒歩5分
住所:香港中環安和里6號
営業時間:12時~19時(月曜定休)
(新型コロナウイルス流行後は訪問できておりません。あくまで最終訪問時の情報であることをご理解願います)