熊本の大学生によるスポーツ語り!④-2
こんにちは!
今回は前回に引き続き
「スポーツ✖歴史」というテーマで、近現代スポーツの起源と変遷を紐解いていきます。
前回までのおさらい
前回はスポーツの起源について、先史時代、古代、中世と近代の初期にまたぐスポーツの変遷をまとめていきました。
先史時代に余暇活動として行われていたスポーツは、古代になって劇的に増えた「戦争」と結びついて軍事訓練として行われるようになり粗暴さを増し、今では考えられない激しい活動が行われていました。やがてスポーツという概念が西欧を中心に広がると、ルールが画一化されてグローバル化が進行し、中世にはアマチュアリズムの考えのもと、スポーツが貴族の道楽と化していきました。
グローバル化を推し進める2大スポーツイベント
貴族の道楽と化したスポーツを今一度、プロ・アマ関係なく誰しもが取り組める形として復興させた要因のひとつは、1896年にピエールド・クーベルタンの主導で開催された近代オリンピックだということはもはや疑う余地がありません。しかしここにもう一つ、スポーツのグローバル化を推し進め貴族の道楽を誰しもが取り組める活動へと昇華させた要因があります。
それが、オリンピックとならび世界の2大スポーツイベントといわれる、「サッカーW杯」です。始めたのは、当時のFIFA会長であるジュール・メリ。当時のオリンピック・サッカー競技にて、二大会連続で優勝したウルグアイ代表を見て
「本当のサッカーNo,1を決めるために、欧州と南米がともに参加できる大会を開催しなくては」と考え、1930年、全種目初の世界選手権として、サッカーW杯をウルグアイで開催しました。
ここには、「アマチュアリズム」へのアンチテーゼとしての「プロ・アマ共存」の理念が掲げられており、オリンピックとともにスポーツのグローバル化を推し進めながら、サッカーW杯は「アマチュアリズム」の考えを少しずつ撤廃していきました。
近代スポーツのゆくえ
先史時代から古代、中世、近代と変遷を遂げてきたスポーツは、現代においてさらなる変化を遂げようとしています。
かつて、ただひたすら「成長すること」が求められていた時代から、今は成長はほどほどに「資源の枯渇」を恐れ、自然を保護・加工することが最重要目的となりつつある時代。スポーツにおいては特に競技スポーツ文化が大きく変容し、今や一般市民のスポーツ活動の中心は自らを加工して健康を保つフィットネスやエクササイズへと変化しています。こと、フィットネスは外見の改善だけでなく内面の成長をももたらすと信じられており、人々をより引き付ける活動となっています。また、競技志向から離れて自然や人工物との衝突や一体化を最大目的とする「ライフスタイルスポーツ」も、特にスノーボードやサーフィンなどにおいて、競技人口が増え続けています。
加えて、近年ではスポーツの場における暴力事案やいじめ問題、薬物、ドーピングに規定違反や故意のラフプレーなどの問題も顕在化してきており、ますますスポーツの現状が混沌としたものになっていることを表しています。
古代の粗暴なスポーツは中世の上流階級者によって画一的にルールが整備され、その後オリンピックやW杯等のスポーツイベントによって多くの世界中に波及しました。プロ・アマ関係なく、誰しもがスポーツに取り組める現代において、この過程はまさに文明化の過程、近代の産物であるでしょうが、それによって生じる問題も様々です。
これからはよりいっそう、「私たちがスポーツとどう向き合うか」が試されることとなるでしょう。
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