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「保護犬だった僕と植物人間になったパパ」創作大賞2024感想
「保護犬だった僕と植物人間になったパパ」創作大賞2024 感想
この作品が投稿されて1ヶ月以上経った今、やっと、この作品を読了した。
と言うのは、このタイトルを目にした時、(自分自身が犬を主人公にした作品を書いている途上で)
この「リアルの作品」を読んだら自分の筆が止まるのではないかと予感したからだ。
たぶん、そうして正解だったと思う…
作者であるsanngoさんの想いが迫ってくる。
主人公ゴンちゃんの生い立ちの不遇。
傷ついたゴンちゃんを引き取った新しい家族『ダーちゃん、さんちゃん』がどれだけ愛情深く、『傷ついた保護犬ゴンちゃん』を育てていたか。
バディであるダーちゃんの職場にも『専務』として出勤するゴンちゃんの愛らしい姿。
一回も見たことのないワンちゃんなのに、見ていたかのようにこの子の二十年が文章から伝わってくる…。
ある日、襲った悲劇…。
『ダーちゃんの異変』を、『臭いの変化』として気づき、舐め回し手当てしようとするゴンちゃんの様子には心を鷲掴みにされる。
ダーちゃんが倒れた…
救急車で運ばれ入院した後、何回も脱走して職場にダーちゃんを探しにいくゴンちゃん…。
犬としての寿命からしたら、二十年という高齢までがんばったのは『大切な家族』のさんちゃんに寄り添い、護るためだったように思う。
犬は言葉以上に心を理解する
だからゴンちゃんは、sanngoさんがどれだけ悲しみ、辛い思いでいたかをわかっていただろう。
昨夜5話までを一気に読み中断した。というのは、とても最終話を夜に読む自信が無かったからだ。
今読み返した、このダーちゃんの言葉に涙が止まらない…
「ゴン、徳を積めよ。徳を積んで、今度生まれて来る時は人間に生まれておいで。出来れば俺の息子にな」
って。
「徳」って分からないけど、ボクはいつもパパの話を一生懸命に聞いていた。ボクは徳を積めたんだろうか?ねぇ、生まれ変わったらパパの息子になれるかな?
パパ、パパ、ずっとずっと一緒だよ。ボクは何処にも行かない。パパだけのバディになるって決めたんだから。
第3話#創作大賞2024
さんちゃん、二人の分、120歳くらいまでは長生きしてね。
そして素敵な文章をたくさん書いてほしい。
ダーちゃんとゴンちゃんをここまで愛情深く語れるさんちゃん。
そんな想いも引っくるめて愛してくれる誰かと素敵な恋をするかもしれない。
それもまたダーちゃんとゴンちゃんの思いでもある気がする。
だって、二人はさんちゃんを大好きだから…。
何度も言う。
素敵な文章をどんどん書いて、私たちに読ませてほしい。
「そして星がいくつも巡るように、何回も生きる中で、
いつか再び、『三人が家族として生きる人生』があったらいいな…」
私は、そんなことを想像している。