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鶴林寺への道はきつかった 〜四国遍路日記 6日目〜


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朝を迎え、昼食を持たされ、鶴林寺へと出発する。

鶴風亭の外観

出発時、鶴風亭のおじいさんが尺八を演奏してくれた。

尺八の音が遠のき、鶴林寺道に入っていく。

坂の前の色んな道しるべ
日がのぼり始めた感じがするね

舗装された坂が続く。

一時期車椅子になったことのあるとかいう鶴風亭のおじいさんですら登れるんだ。大した坂ではないだろう。

割と急な坂


そんなことを思っていたが甘かった。


ずっと急な坂が続く。

山道っぽくなってきた。


気がつけば舗装路の幅が残り僅かとなっていた。

展望エリアからの風景
階段になった



鶴風亭のおじいさん凄くね!?

結構急な坂だったぞ!!


そして、壇家っぽいおじいさんにずーっとついていって宗教勧誘したって人も凄くね!?

結構急な坂だったぞ!!!


とりあえず着いた。

山門が見えてきた。
境内の杉がでかい。
本堂前に階段


鶴林寺のご本尊は地蔵菩薩だった。

それも「延命」地蔵尊って名前らしい。


お地蔵さん……3度死にかけたっていう鶴風亭のおじいさんが一瞬よぎる。


この日以降、お地蔵さんの真言を唱えると、なんか鶴林寺がよぎるようになったのは気のせいだろうか?


とりあえず太龍寺に向かおう。

登った山を降りていく。

整備された階段が続く


少し進むと、津波注意報のサイレンが聞こえた。

訓練かなぁって思ったが、放送を聞いても一向に「これは訓練です」と言わない。


え? 訓練でないならなんだ? マジで津波来てんの?!

マジだった。



今が高知県の海沿いではなくてよかったね。

山道らしくなってくる。


なんとなく獣が出そうな雰囲気だったので歌いながら進んだ。


ん? 足音。歌ってたのになんか来たのか?

耳を澄ますと上からだ……なんだ人か。

え! 人いたの!?


後ろから来たおじいさんは私を追い抜いた。


あのおじいさん。
私が「群青」を歌っていたのを聞いていたな?


なんか恥ずかしい。




しばらく進むと、トレラン集団が現れた。

歩き遍路の私を次々と追い抜いて行く。

道路を渡った先に急な階段


階段でコケて左足を思いっきり捻った。

この辺りで足をひねった。



あっ

まさか。

遍路終了のお知らせか?


……なぜか歩けたのでそのまま歩いた。



階段を下りきった先に休憩所があった。

本みたいな石と山茶花の看板がある。


そこからまたさらに林を抜けると道路に出た。

途中から、トイレの案内板が登場し始める。

トイレの案内板の先には小学校があった。
トイレを借りたが、結構綺麗だった。


遍路道を進むと県道と合流した。

まず、1つ目の山を越えたようだ。


休憩所で軽食を食べた。

たぬきの像が謎のモニュメントを囲んでいる



休憩を終えようと立ち上がったら猫が居た。

スマホを向けたらこっちを向いてくれたよ


いつの間に近づいてきたのか。

少し歩くと自販機があった。


鶴林寺道に入ってからここまでほぼ何もなく、さらに、ここから太龍寺までも自販機は無いので、ここで飲み物を買え! と、度々遍路情報サイトや遍路体験記で書かれているあの自販機である。

飲み物の残量に余裕があったのでスルーした。

橋を渡る


川を渡ったところに給水スポットがあった。

「お遍路さんお接待水道」だそうです。


あれ? 太龍寺まで本当に何もないと思っていたのだが。

でもスルーした。

あの石橋、ちょっとこわい。
なんか趣がある。
謎にひらけている。畑でもあったのだろうか。
川沿いを歩き続ける
苔むした川と紅葉がきれいだね。
紅葉のせいで写真が増える。



平坦で楽。

まだ撮る。



川沿いの道が終わると急な坂が現れる。

坂道の中盤で、遍路中最初で最後のロードバイク遍路に遭遇した。

太龍寺の坂で力尽きて、休憩中のようだった。

少し登ると太龍寺に到着した。

比較的急な坂
いつまで登るのだろう……。
仁王門!?
着いた!


イチョウで道が黄色い。

少し進むと階段。

階段がきつそうなので、納経所に荷物を預けた。

坂道も選べる。
階段を登り切った。

これまでのお寺の中でも屈指の観光地感が漂う。

ひろい!
紅葉がきれい!
なんかいっぱい像やお堂がある!

坂道を上から見た様子

納経し終わったので、納経所に戻る。

帰りは坂を下ってみる。
そこそこ急な坂だった

納経所に戻り、荷物を回収し、お昼ご飯を食べ始めた。

……お寺の住職っぽい人がやってきた。

「ロープウェイ駅の中が休憩所になっているから、そっちに行くといい。ここは寒いし、お接待でお茶も配っているよ」

確かに寒かった。
この日、山道の途中でユニクロのライトダウンを着る程度には寒かった。

ロープウェイ駅に向かうことにした。

ひとつ前の写真の右手の坂をさらに下る
ロープウェイ乗り場が見えてきた

ロープウェイ乗り場は売店になっており、座れるスペースがそこそこあった。

きのこ茶を貰って飲んでいたら、お接待を貰った。

買ったけど食べきれなかったサンドイッチらしい。

きのこ茶はお茶というより、お吸い物みたいな味がした。


休憩後、舎心ヶ嶽へ向かう。

「お大師様がお迎えにこられます」だそうだ……。

「ご宝号を唱えながら登りましょう」と書かれている。

本日、登山道を登りまくった1日だったはずだが、この日一番”のぼりがきつかった”坂はここだった。

この坂はえげつなかった。

坂を登る途中、「歩き遍路なんてすごいねぇ。車で来たけど、こりゃあキツイ」と言われたが、

「いや! この坂はきっついから!!」と内心思った。

坂を登り切ったら空海像の背中が見える

事前情報によると、あの像の真ん前に行けるらしい。

近づくと岩に鎖が掛けられていた。

(……むりでは?)

さらに近づくと、右手に脇道のようなものがあった。

進んでみた。

道はないに等しかった。
岩に張り付き、縄を掴みながら進んだ。

この時、手袋を付けず素手で行ったら、手をすりむいた。

像の正面に出た。

確かに行こうと思えば、あの像の真ん前に行けそうな気はするが、ちょいと大変そうだし、手もすりむいている。

前方の風景はこんなかんじ

ここで引き返した。

なんとなく、いつかリベンジしてみたい気もする。
そんな機会があるかは謎だが。

賽銭箱の場所まで戻り、舎心ヶ嶽の奥へ進むと、下山ルートに入る。

案内板があった

少し進むと警告文が

この時点で時刻は13:37だった。
土石流の跡みたいな道
細い道 + 崖……。
ここは冗談抜きで身の危険を感じた急坂だった

(まぁ、私が底がつるつるのランニングシューズを履いているせいかもしれんが。)

とてもたいへんな遍路道だった。

とあるサイトにて

『国指定史跡 いわや道』は、2013年に『国指定史跡 徳島遍路道』として復活。江戸期の丁石等がある。私はこのコースを推奨する。阿瀬比東屋までの遍路道は、よく整備されていて、一番最短コースだ。

21番~22番札所平等寺 歩きへんろ道 | とある歩き遍路の道しるべ (ohenro.jp)


これでよく整備されているってどーいうことなのだろうか? と、当時の私は真剣に思った。

いわや遍路道、現時点で「個人的一番やばい遍路道」に認定した。


しかし、後ほど「【ルート3】中山道コース:11.6㎞ (※引用部リンク先参照)」を通ったお遍路さんが、

「坂の傾斜が常軌を逸しており、道しるべも無く、恐らくコースアウトしてしまった。なんとか下山できたが、あそこはとんでもない道だった。たぶん、いわや遍路道はマシな方だ」

と聞くことになるなんて、当時の私はまだ知らない。

下山後すぐに表れる遍路小屋

お接待で貰ったサンドイッチをここで食べようとしたが、

よくわからん虫がいっぱい飛んでたので断念した。

やっと山道終わった!

と、思ったのも束の間

え!?

宿まで行くには大根峠という250mの山を越えなけばならないようだ。

この時点で16:08。

まずい、日が沈んでしまう!

ヘッドライトを装着し、薄暗い山道を急ぎ足で登る。

30分で山を越えた。

ここでお接待で貰ったサンドイッチを食べた。

この小屋で宿に電話を入れようとしたが、繋がらない。

圏外と表示されていた。


少し進むと電話が繋がった。

ラストの峠を越えてすぐのところに居ることを伝えた。

暗い。

17:00をまわった。

なんとか着いた。

着くと足をマッサージする機械があったが、私にはデカすぎて使えなかった。

なんか残念。

ユニクロのライトダウンが世にも恐ろしいにおいを放っていたので、速攻で洗濯した。

ユニクロのライトダウンは登山では着てはいけないってことを学んだ……。


まだ翌日の宿が決まっておらず、宿の主人に相談した。

宿の人に翌日の宿として、「さくら庵」と「南天」を紹介された。
私は「南天」の方を予約した。

加えて、徳島旅体験クーポンのシートを貰った。
ギリギリ期限内に予約した為、この日の私の宿泊は対象内らしい。

「このクーポン、2500円で買い取ってあげるよ」と言われ、本日の宿代は2500円引きとなった。

そして、夕食がめちゃくちゃ量が多かった。

お接待で貰ったサンドイッチで腹が膨れていたので、あまり食べられなかった。


夕食で同席したお遍路さんはお遍路2回目らしく、

先述の太龍寺を下るときにコースアウトした話や、

「足摺岬の金剛福寺を打った後、海岸沿いを歩いて次の寺に向かった。その時、近隣の小学生が書いたメッセージや絵が並んでいるエリアがあって、とても勇気づけられたのが印象的だった。」といった話を聞いた。

長い一日が終わった。

◇プランニング◇
鶴風亭→20→21→パンダ屋

☆本日の歩数☆

37676歩

*かかった金額*

納経 600
賽銭 20
洗濯 100

宿 7500 (夕食朝食付き パンダ屋)
クーポン買い取り -2500

計 5720円


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