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濃い人々に遭遇しまくった日 ~四国遍路日記 15日目~

前回記事

朝食前、竹林寺で貰ったりんごを机の上に置いたら、宿の方がりんごを切ってくれた。

泊まったみんなで分け合った。


民宿なずなには歩き遍路3周目の人も居れば、息子と一緒に車遍路をしている人も居て、色んなお話を聞けた。

ただ、今日の予定が私と同じお遍路さんは居なかった。

私は歩いたり公共交通機関を使ったりを繰り返しているので、歩き遍路あるある「ずっと一緒のお遍路さんが居る」現象は今のところ起きていない。

出会って分かれてを繰り返す。そんな長旅。

民宿なずなの入り口

なずなのおじさんに案内され、巡行船乗り場に来た。

たまに見落とす人が居るらしい
ここで船を待つ
船の中

お遍路さんが私以外に一人だけ居た。

横波半島の湾内
窓についた水飛沫
船の見た目はこんなかんじ

深浦から横波まで35分。

船着き場から登るときがちょっと怖い
こんな感じの道を歩く

鳥坂トンネル付近、おじさんに話しかけられた。

どこから来たの? 
1人なの?
前を歩いていた人は知り合い?

旅行で来たの?
遍路はよくないぞ。
若くて可能性があるのにもったいない。
(……あれ? まさか?)

とても聡明そうなお嬢さんだ。だからこそ日蓮大聖人って人を調べてみなさい

(はい! 宗教勧誘フラグ回収しました!)


宗教勧誘おじさんは私がトンネルに入ると、サッとどこかへ行った。



地域住民のおばちゃんと出会った。仕事に向かう夫を送りにきて、帰る途中らしい。

先程の巡行船に乗って土佐市街方面に向かったらしい。

霧が出ている

しばらく一緒にお話しながら歩いたが、ここで別れた。

実のところ、私はこの地元住民をお遍路さんと勘違いして、極楽寺の原付おばちゃんからもらったオールレーズンをお接待として渡してしまった。

ここで帰宅してびっくりしてしまった。

なお、この時にこの地元住民のおばちゃんから500円玉を貰った。

あとこれも貰った
歩道が狭い
工場が見える。セメント工場かな?

今日は電車に乗る予定だが、時間が余ったので、須崎方面に向かった。

須崎駅に着いた

須崎は鍋焼きラーメンが名物だそうだ。

丁度昼時なので、鍋焼きラーメンで有名だという「まゆみの店」に向かった。

休業していた。

がろーって店に入る
鍋焼きラーメン再び

Line登録でシメのご飯が無料になるとのことで、ご飯も貰う。

高知駅で食べた鍋焼きラーメンよりも圧倒的にうまかった。

思わず店員さんに「高知駅の鍋焼きラーメンよりも美味しかったです!」と言ってしまった。

須崎の歩道。ちょっとおもしろい道。
目の前を猫が横切る
土佐新庄に近づくと急に山が近くなる

歩き遍路の場合、ここから先は難所なので、大補給エリアである。通常は。

「かわうその里すさき」という名の道の駅
ローソンの上にしんじょうくんが居る

しんじょうくんが頭の上に載せているものは鍋焼きラーメンらしい。

だし巻き卵が美味しいと噂のたけざきショップに向かう
内装はコンビニっぽい

おにぎりセットを買って駅方面へ戻る。

土佐新荘駅にもしんじょうくんが居る
びっくりするほど本数が少ない


別格札所の大善寺に行こうか迷ったが、時間に余裕がなくなってしまったので行くのは断念。

電車がきた

13:55の電車に乗る。

ちなみに、この電車でショートカットしたエリア、歩き遍路の難所の一角で2通りの道がある。

1つは7.7kmに渡る山道を行く焼坂峠ルート。地図に「道に迷いやすい」と注意書きがある。

もう1つはかなり遠回りになる海沿いルート。いずれも補給場所が乏しい。

海沿いルートの方がトイレが多く、海も見れる為、海沿いルートの方が人気そうな予感がする。

この2つのルートは久礼って町で合流する。

その先また分岐があり、「そえみみず遍路道」と「大坂遍路道」の2通りのルートがある。どちらも7km以上ある遍路道で、どちらかと言うと「そえみみず遍路道」の方がキツイらしい。

他の遍路体験記でも「そえみみず遍路道」がキツイって内容の記載を見かける。だが、「大坂遍路道」も楽では無さそう。

そして、四万十町に入っていく。


事前情報や他の歩き遍路の話を見聞きして、びびった挙句、公共交通機関を使用しようとしたが電車が無くてどーしよってなった遍路、居そうな気がする。

通常このエリアを越えるのに1泊はするらしい。

そんな過酷なエリア飛ばしてしまえ! と、私は電車に乗った。

安和駅までは海
田んぼ? 畑? 茶色い。
もはや私は何を撮りたかったのだろう
窪川駅についた
大量の文旦が売っている
岩本寺に着く

ここでびっくりな遍路に遭った。

足袋のようなものを履いているおじさん遍路。
古道を好き好んで歩いているそうだ。

横波半島エリア以降、船を使わず湾沿いを歩き、7.7kmに渡る山道を行く焼坂峠ルート、7.1kmの山道を行くそえみみずルートを歩いてここまで来たらしい。

1日で

何を言っているのだろうか。

横浪半島エリアからここまで20km以上あるはず。平地ならまだあり得るペースだが、約15kmは山道なのだ。

今が夕方でもうこの町で泊まるとかならまだ分かる。

だが、まだ昼だ

私が船と電車を使ってきたルートを徒歩かつ私とほぼ同じ時間で到達するとは一体どーいうことなのだろうか?

鍋焼きラーメン食べたり、街中フラフラしたりはしたとはいえ、いくらなんでも早すぎる。

江戸時代の人は1日35kmペースで歩いたという。

江戸時代のひとなのだろうか?

酷道を教えて欲しいと言われたので、「篠山ルート」を紹介した。


「篠山ルート」とは、昨日泊まった民宿なずなで出会った歩き遍路3週目のおじさんが最も過酷だったと語った道である。

札所40番観自在寺から41番龍光寺へは古代から連綿と続く古道が3筋あった。

(中略)

篠山道 67.2㎞

標高1065mの篠山を越えるルート。篠山は古代から修験道の霊場とあがめられており、初めての遍路は篠山に参る習わしもあり、利用者が相当あった。

現在も古代の習わしにより篠山を訪れる遍路もいるが、数は少ない。

札所40番観自在寺から41番龍光寺への古道(「3筋のへんろ道&中道」) | とある歩き遍路の道しるべ


篠山ルートの遍路体験記はネット上に存在するものの数は少なく、何周も遍路して普通の道に飽きたり、遍路を愛しすぎて古道を制覇しようとしているような、相当な変人お遍路さんの話が出てくる。

道しるべは少なく、坂は急で、遭難しやすいとされている。

民宿なずなで出会った歩き遍路3週目のおじさんは、登ったものの、日の入りに間に合わず、山の中で日が沈んでしまい、管理者に無理を言って山小屋で泊まったとか言っていた。

私が使った遍路地図には「Experienced hikers only」と赤文字で警告文が記載されている。

酷道を教えて欲しいというリクエストに対して、これ以上の道はないだろう。

歩いたこともないし、歩く予定もないけどね!



岩本寺を出発し、来た道を引き返した。

なんか風情がある
愉快な柄の電車
窪川駅を出発する
……田舎
建物が増えてきた
海が見えてきた
中村駅に到着
今日の宿

本日は男性の集団宿泊者が居て、部屋の前で、「なんか若い女性が一人で泊ってるぞ!?」ってなったり、夜遅くまで酒盛りしてたりしてた。

とても安くて部屋も広くて鍵もついているが、この日の晩は変な緊張感があった。

何事もなかったけど。

今日の夕食はたけざきのおにぎりセット。おなかがすいてたので写真がぶれている。

こんな見た目なのにとても美味しかった。

たけざきショップ、さすがテレビ放送で紹介された店なだけある。

ちなみに、ここの宿、洗濯機の洗剤が見当たらず、近くのドラックストアに買いに行った。私が見落としていただけかもしれんが。

◇プランニング◇
民宿なずな →

深浦 7:25 → 横波 8:00
〇須崎市市営巡行船

→須崎駅→

土佐新荘 13:15 → 窪川 14:12
○土佐くろしお鉄道 中村線

→ 37 →

窪川 15:30 → 中村 16:37
○土佐くろしお鉄道 中村線

→民宿こばん

☆本日の歩数☆

16983歩

*かかった金額*

巡行船 540
電車 630+1110

食料 211+246
鍋焼きラーメン 880
おにぎりセット 435

ミニ洗剤 217

納経 300
賽銭 15

接待 -500

宿 3000(民宿こばん)

計 7083

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