徳島旅・体験クーポンの恩恵〜四国遍路日記 5日目〜
前回記事
朝起きると、ホットサンド用の食料品とゆで卵が用意されていた。
無料で朝食を作る形式だった。
調味料とキッチンも使い放題。使うことはなかったけど。
徳島旅・体験キャンペーンのポイントが使える店舗を確認すると、大抵が10時から開業だった。
しかし、本日は移動距離が少々長い。10時まで待っていては日の入りまでに宿に到着出来なくなる。
駅構内のお土産屋が早朝から空いている上、ポイント使用可だったので、そこに行くことにした。
とまぁ、そんなことを調べていたのは当時の朝。
もうすぐ8時。
次のバスは8:20からか……
金ちゃんヌードルでも食べるか。
徳島駅に向かう。
数日前に来た風景、なんか不思議な感じがする。
お土産屋さんに向かい、家族と研究室とサークル員用にお土産を買い込んだ。
送料込みで実質タダ。
コンビニにも寄り、実質タダで食料も買う。
ポイントは余った。1000円分くらい。
バスを待っている間、小銭を確認していた。
「小銭の枚数、かなりギリギリだな……。」
ふと呟いた。
おばさまに声をかけられた。
遍路経験者らしく、お接待させてくださいとのこと。
現金300円を握らされた。
え……。
徳島駅前、9:00発のバスに乗る。
四国には、なぜかたぬきが多い気がする。
ここから恩山寺まで、2kmちょい歩かなくてはならない。
こうして記事にまとめると、歩いている道のりのごく一部しか切り取れない。
遍路中は歩くのに忙しくて、暇はあまりない。
なにせ1日中歩くのだから。
宿でゆっくりってのも思ったよりできない。大抵疲れてぐったりしているか、プランニングしてるか、同泊者とおしゃべりして時間は消える。
ゆっくりできる遍路はきっと、交通機関に乗ってる時か、運転しない車遍路ぐらいだろう。
ここから恩山寺本堂まで少々坂を登る。途中で舗装がなくなる。
納経後、立江寺方面の遍路道に入る。
車道を下った後、牛舎が見えてくる。
「牛舎には近づくな(意訳)」との看板。
間違えて近づくと犬に吠えられるらしい。
この道、「義経ドリームロード」とかいう名前がついているようだ。
恩山寺から立江寺にかけてのこの道は「弦巻坂」というらしい。
源平合戦の地、義経が向かったという「屋島」は遍路終盤に行くことになるよ。
もう少し進むとコンビニのようなものを見つける。
実は、100円ショップのライターが新品なのに寿命を迎えた。
まだ遍路序盤なのに。
歩き始めて手袋がないことに気付く。
小屋へ戻ろうと歩いていたら
「逆打ちですか?」
声をかけられた。若い男の子だった。私が出会った遍路の中で最年少っぽい見た目をしていた。同じ大学生だろうか?
「忘れ物を取りに戻っているだけです」
手袋をこれ以上なくすわけにはいかない。
既に片手分を無くしているし。
しばらく歩いて、昼時に。
お昼が食べれそうな場所を発見。
お店に入ると、近くに夫婦のお遍路さんが居た。横浜から来たそうだ。
「1人で来たの? 若いね~」
そんなことを言われて、その後ダラダラと話した。
そして、「明日は山茶花って宿に泊まるといいよ」って言われた。
今になって思えば、夫婦の歩き遍路はこれが最初で最後の出会いだった。
壁面に納札。
壁に納札が飾ってあると、何となく納札を渡してしまう。
店を出て少し歩くと立江寺に着いた。
しばらく、こじんまりとした寺が続いていたことを考えると、立江寺はちょっぴり立派に見える。
立江寺を出て、また歩く。
ここから先が長かった。
途中から山っぽくなってくる。
本日の宿、鶴風亭に到着したのは日の入りギリギリだった。
またか。
この日も5000円分のポイントを貰うことに。
そして、このキャンペーンはこの日をもって終わった。
さて、5000円分のポイント、使える場所は近くの道の駅のみ。
しかも、明日は道の駅になんて寄る余裕などない。
鶴林寺へ向かう道に入ったら、途中に店も宿もない。そんな場所を歩く。
とりあえず、みかん5kgをもらうことにした。
後日、みかんが届いた。
受け取る時に
「徳島行ったらタダでもらったみかんだ!」
って言ったら、
宅配のお兄ちゃんに
「はぁ!?」
って顔をされた。
味は普通のみかんだった。
なんなら愛媛県のみかんの方がうまい。
「これに5000円は出さないなぁ」と、思ってしまったが、おいしい普通のみかんだった。
鶴風亭はどんな宿だったか。
鶴風亭のおじいさんの「先入観をもつのはもったいない」という言葉から、
それについては書かないでおこう。
ただ、長話を聞かされたことぐらいは書いてみようと思う。
話を要約すると
3回くらい死にかけた。1回目は脊椎がやられて、2回目はがんで、3回目はコロナでICUに入って。
この世界はバーチャル。自ら切り拓く人生もそれはそれで一興だが、天に流れを任せて縁に身を委ねた時、今まで見えてこなかった、或いは知らない世界が見えてくる。
鶴林寺までの道を歩いていたら宗教勧誘にあった。ずっとずーっとついてきた。最初は面倒に思ったが、「自分の知らない世界に気づかせるための存在かもしれない」と思ったら、感謝の気持ちが湧いた。気づきとは「面倒に思った自分自身」のことらしい。宗教勧誘に乗った訳ではない。
勝浦のこの辺りの集落は真言宗の伝統が残る集落らしい。
般若心経の「羯諦羯諦」は「井の中の蛙の鳴き声」説。
などなど。
おばあちゃんからこう言われた。
「若い子が大好きだから舞い上がってるのよ」
そうなのか……。
「流れに任せよ」
この日も含めて、何度も遍路中に見聞きすることとなった言葉である。
かつて、頑張っても頑張っても報われないと嘆いた私へのメッセージだったのだろうか?
この日、遍路初の水ぶくれが左足のかかとに出来ていた。
明日はこの水ぶくれと共に、3つの山を越えなければならない。
そーいや、明日の宿、「山茶花」を勧められたけど、鶴風亭のおじいさんに「パンダ屋🐼」を勧められてそっちにしてしまったな。
まあいいか。これも縁か。
◇プランニング◇
ホステルPAQ→徳島駅
徳島駅前 9:00 → 南小松島駅前 9:35
○徳島バス・橘線 330円
南小松島駅→18→19→鶴風亭
☆本日の歩数☆
34873歩
*かかった金額*
食料 496
Region ペイ -496
お土産 2816
Region ペイ -2816
食べ物と水 200
洗顔料 290
おやつ 180
エビピラフ 850
ライター 100
交通費(バス) 330
納経 600
賽銭 320
接待 -300
宿 5000 (鶴風亭 素泊まり※建前)
計 7570
ちなみに、サムネイルは鶴風亭の部屋にあったお花である。
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