はじめての恋人のこと。Part②
サザンオールスターズが好きだったFGくんは、バラッドという彼らのアルバムから、自分の好きな曲を選曲して、ドライブ用にテープを作ってた。
この作業、当時の若者なら皆んなしてたんじゃないかな。
ずーっと、そのテープを車の中で流しながら、街ぶら、遊園地、映画、海、山、公園、水族館、いろんな所へ一緒に行った。
植物園で咲いている花を見て、「綺麗なお花やね。」って、花を愛でる彼は素敵だったし、花の事を「お花」と言う彼が幼い男の子のようで愛おしかった。
ある時、「ふたりでお酒を飲んでみよう。」とイギリス風パブへ入った。
それもお昼に。笑。
その時の私は未だ20才だったし、ビールの美味しさも分からない子供だった。
だから当然、カクテルの名前なんて何一つ知らない。
彼は、お酒が得意な方ではなかったけれど、私の好みを聞いて、「ジントニック」をオーダーしてくれた。
運ばれてきたそれは、ドンピシャ私の好みのカクテルで、それはそれは彼がスマートな大人の男性に思えて、惚れ惚れした。
結局、3年付き合った頃、「結婚を意識したい」と言われ、私がヘタレで別れてしまった。
毎日、お風呂で泣いて。ベッドで泣いて。
こんなに苦しい思いをするのなら、最初から出会わなければ良かったとさえ、その時は本気で思い、明けても暮れても泣いた。
毎日泣く私を母が叱った。
恐らく、心配してくれていたんだと思う。
今は、何処で何をしているのかも知らないけれど、私の人生において、優しくて、スマートな彼と出会え、一緒に過ごした時間が沢山あった事にとても感謝しています。
あの時は、ありがとう。元気でいますか?
どうか幸せでいてください。
追伸:1991年 夏。
オムレツを作ってくれたキャンプ場。
鳥取県・石脇海岸。
2022年 夏。
記憶を辿り訪れたんだよ。
昔と同じキラキラ、静かな海でした。
それでは、また。
◇ ◇ ◇ ◇
而今(じこん)・・・今を生きる事。
過去でも未来でもない「このいま」を生きる事。母が好きだった言葉だけど、「このいま」感じた事を忘れない様にnoteします。
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