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「はろろ」って何??2歳半の次男

うちには2人の息子がいる。
長男は5歳半で、次男は2歳半。

子どもは1人でもいいなと思っていたが、いざ2人育ててみれば、また新しい発見があるものだ。
1人を育てている時には当たり前だと思っていたことも、2人目を育てるとその認識が全くの検討外れであったことに気付かされる。

長男は、1歳の時には「パン」と自分の好きな食べ物が言え、2歳になる頃には、「でぃーじぇぇ」と口にした。何を言っているのかと思っていたが、機関車トーマスを見るたびに言うのでついに分かった。
ディーゼル、と言っていたのである。

ディーゼル

ディーゼルは『機関車トーマス』で特に意地悪な機関車だ。
色々ひどいことをするが、大抵最後にはバチが当たる。
たまにディーゼルが大活躍する話があり、普段とのギャップに多くのトーマスファンがメロメロになってしまうのである(誇張)。

長男は0歳から電車が大好き。根っからのトーマスファンだ。
現在は5歳になり、すっかりスーパーマリオに魅了されているが、今でもトーマスの新シリーズを鑑賞するくらいには愛している。

2023年より新シリーズ放送

長男を見て、私はこんな風に思い込んでいた。

  • 男の子は、プラレールやトミカが大好きである。

  • 2歳になる頃には、多くの言葉を覚え、喋り始める。

でもそれは大きな間違いであった。


次男は、おもちゃに興味を示さなかった。遊んだとしても10分後には飽きて立ち去るか、投げ始める。
自宅には次男のために買ったおもちゃは数えるほどしかない。
私たちには、彼の欲しいものが分からなかったのだ。

それに、次男はほとんど喋らなかった。
正確には、何かを言っているが、何を言っているかは分からない。喃語というやつだ。
2歳になりたての頃、彼は「ばいばーい」「ばぁ!」「ないねぇ!(お菓子とか)」「ちゃちゃ(お茶)」それから、「ぼいて」くらいしか話さなかった。

「ぼいて」と言う時には、相手に向かって必ず片手を伸ばした。
状況から察するに、どうやら「どいて」と言いたいらしいことが分かった。
それって、人生序盤で覚える言葉か・・・?

2歳半になった現在も、彼は喃語を使いこなして生活している。
「あいじょーぶ?(大丈夫?)」など、少し語彙は増えたが、半分以上は何を言っているのか分からない。「ぼいて」は言わなくなった。

同い年の子と一緒に遊ぶと、「これは私のだからね!」などと言われているが、その言葉が理解できずにおもちゃを持って行こうとしてしまう。
言葉では伝えられないからか、とりあえず相手を叩いたり押したりしてコミュニケーションをとろうとし、相手を泣かせてしまう。

国語教師の子どもが全然喋れないなんて・・・いや、そんなふうに考えてはいけない。
自分の子だから、自分の子なのに、という先入観は何の意味もないし、むしろ子どもにプレッシャーを与え、悪影響を及ぼしかねない。

ここは良い風に捉えて、私たちのために赤ちゃんの時期を延長してくれていると思って可愛がっていこうと思う。
迷惑をかけられている彼の兄をはじめ友達のみなさんには本当に申し訳ないが、親の立場としては、そういう気持ちでいかせてもらいたい。

妻は、次男の行動を理解ができなくて、度々困っている様子だ。妻自身は3姉妹の末っ子。両親や姉たちの言うことをよく聞いて育ってきた。
私は長男。母が言うには、幼稚園で周りの子を押しのけながら靴を履く子どもだったらしい。迷惑なやつである。しかし当時の私にその自覚はなく、ただ早く靴を履きたかったのだと思う。
自由奔放な次男に翻弄されながらも、どこか自分の子どもの頃を見ているかのような気がしている。

拝啓 次男様。
もしかしたら君の人生は、思いの外理解者が少ないかもしれない。そういう点では苦労をするかもしれないが、人生の結果というものはすぐに出るものじゃないよ。
まずは30年くらい、その調子で過ごしてみてはどうだろうか。理解者が少ないというのは、悪いことばかりじゃないよ。本当に自分のことを分かってくれる人だけがそばにいてくれるということだからね。君には次男ならではの愛嬌があるから、案外多くの人に好かれるのかもしれないけれど。
そういえばこの前、うちに赤ちゃんが遊びに来たそうだね。しかし慣れない場所だからか、来て早々大泣きした。
君はバタバタと家の中を走り回って、しまじろうのぬいぐるみを見つけ出し、その子に渡した。それでも泣き止まない赤ちゃんのために、君は家にあるおもちゃを持って来ては置き、持って来ては置いた。赤ちゃんの周りがおもちゃで溢れ、何かの儀式みたいになった。
まだまだ喋れなくても、君は立派な2歳だと私は思うよ。敬具


数日前、次男は「はろろ」と言った。
何のことだろうと思っていたが、これのことだった。

ハロルド

彼にこんな日が来ようとは。
今回はその記念だ。

それにしても、機関車トーマスで一番のお気に入りが、まさかの飛行機。
そんな珍しいケースがあることも、君がいなけりゃ知らないままだった。

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