優|Yu

呼吸するように文字を読み、書きたい人です。

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記事一覧

自分のキャラクターを作るということーふたりのえびすー

最近のゲームソフトでは、ゲーム本編が始まる前に、アバター作りをすることがある。主人公の外見などを自分で設定し、そのキャラクターでゲームを遊ぶことで、より没入感の…

優|Yu
1年前
2

教え子の家にスマブラをしに行ったら、お母さんとパズルゲームで対戦することになった

ドアのチャイムを鳴らすと、意外なことに男性の声がした。いつもは母親と児童だけが在宅しているはずの時間帯だが、今日は父親もいるようだ。そして、男性がもう一名。家電…

優|Yu
1年前

道徳の授業で出会った、隣のクラスの女の子。

私が赴任している小学校では、道徳の授業を自分の学級だけでなく、別の学級でも行います。 国語や算数などの教科であれば、最初に全体の授業計画を考えれば、ある程度は勢…

優|Yu
1年前
8

覚えていられたら良かったのに

妻が足を止めた。 「あの人、どこかで見た・・・」 自分も知っている人かもしれない思って目を凝らしたが、私たちの視線の先にいる男性には全く心当たりがない。 数秒経…

優|Yu
1年前
13

教師は自己満足するしかないけれど

今年もまた、旅立っていきました。 思い入れのある学年ではあるけれど、自分が最後の担任ではないので卒業式の緊張や感動はほどほどに。いかに式を滞りなく進行させるかを…

優|Yu
1年前
1

ぶらずに、らしゅうせよ。

3月になりました。 この時期になると、私の心は少しふわっとします。 それが春の陽気な暖かさによるものか、にっくきスギ花粉によるものかは判然としません。 もしかした…

優|Yu
1年前
8

マッチ売りのおじさん

我が家の庭には3畳ほどの畑があって、今はそこで小松菜や玉ねぎを育てています。 初めてだから、自信はないけどうまく育つようにと奮闘しています。 特に小松菜なんかは寒…

優|Yu
1年前
3

お勧め

私が担任する学級の欠席者は6名。 つまり欠席者への連絡物を6個作る、その日にやれなかったことのフォローを後日6人分するということで、なかなか大変です。 体調不良で…

優|Yu
1年前
3

アニマルランド

あっという間に2月後半。みなさまお元気ですか。元気だといいな。そう願っていますよ。 最近の私はというと・・・文章が全然まとまらない! なんか、格好つけてしまうと…

優|Yu
1年前

教師の存在って、何だろう。最近仕事のことばかり頭に浮かぶので、いっそのことその悩みを文章化しました。

5歳の長男が脈略無く泣き出した。 訳を尋ねると、「大きいばばがお空に行っちゃったから、かかもお空に行っちゃうんじゃないかと思って悲しくなった」と言う。 妻によると…

優|Yu
1年前
9

28歳になったら完全になる気がしていた

27歳のとき、自分自身が何だか不完全なような気がしていた。 元々人間というのは不完全なものなのだけれど、それにしても、何か足りない感じ。 そして、同時に、28歳に…

優|Yu
1年前
2

我が家にルンバが来た経緯を聞いてほしい

我が家にルンバが来たのは今から6年前のことである。 正式にはルンバ980という、当時の最上級モデル。 小さなアパートで暮らす私ーー私たちには、もったいない代物であった…

優|Yu
1年前
6

歳をとっても時間を速く感じないために

時間が一気に過ぎていく。 20歳から時間が加速、30歳を過ぎたらさらに加速と聞いたことがあるが、まさにその通りだ。 中学3年生の頃、部活が終わったと思ったらすぐ…

優|Yu
1年前
1

「はろろ」って何??2歳半の次男

うちには2人の息子がいる。 長男は5歳半で、次男は2歳半。 子どもは1人でもいいなと思っていたが、いざ2人育ててみれば、また新しい発見があるものだ。 1人を育てている…

優|Yu
1年前
3

通知が気になるNOTE片思いの私へ—梅原大吾の著書に学ぶ—

スマホの通知が気になる。 NOTEアプリのアイコンにバッジがついていると、本来やるはずだったことを忘れてタップしている自分がいる。 まるで片思いの人と連絡先を交換し…

優|Yu
1年前
8

我が家の学級委員

ようやく着替えた。もう正午である。 寝たままの姿で過ごすなんて、子どもが生まれてからは珍しい。すこぶる気分が悪かった。 仕事が原因だろうか。火曜日に始業式があり…

優|Yu
1年前
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自分のキャラクターを作るということーふたりのえびすー

自分のキャラクターを作るということーふたりのえびすー

最近のゲームソフトでは、ゲーム本編が始まる前に、アバター作りをすることがある。主人公の外見などを自分で設定し、そのキャラクターでゲームを遊ぶことで、より没入感のある体験をすることができる。

もちろん、ゲームの世界観に合うキャラクターの追体験を目的とするゲームにはアバター要素は必要ないし求められてもいないが、以前に比べて現在のほうが、アバター作りに期待されており、何万通りの組み合わせがあるだとか、

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教え子の家にスマブラをしに行ったら、お母さんとパズルゲームで対戦することになった

教え子の家にスマブラをしに行ったら、お母さんとパズルゲームで対戦することになった

ドアのチャイムを鳴らすと、意外なことに男性の声がした。いつもは母親と児童だけが在宅しているはずの時間帯だが、今日は父親もいるようだ。そして、男性がもう一名。家電量販店の営業だと父親は言い、「今日は立て込んでて。最初、先生の顔を見て、誰が来たのかと思っちゃいました」と屈託なく笑う。

私はリビングに入れてもらい、しばらく一人で過ごした。リビングのテレビからは、ワイドショーが流れている。画面には歌舞伎

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道徳の授業で出会った、隣のクラスの女の子。

道徳の授業で出会った、隣のクラスの女の子。

私が赴任している小学校では、道徳の授業を自分の学級だけでなく、別の学級でも行います。

国語や算数などの教科であれば、最初に全体の授業計画を考えれば、ある程度は勢いに任せて授業をしていけるところがあるのですが、道徳はそうはいかないので厄介です。

道徳の授業では毎回テーマや教材が変わるから、その都度授業の内容を考えなければいけません。どんな内容の授業をするかは割と自由である一方で、学級の成長や実態

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覚えていられたら良かったのに

覚えていられたら良かったのに

妻が足を止めた。
「あの人、どこかで見た・・・」

自分も知っている人かもしれない思って目を凝らしたが、私たちの視線の先にいる男性には全く心当たりがない。

数秒経って、妻が目を大きく開いた。
「高校生のときに、教育実習に来ていた人だ」

妻が出歩けば人に出会う。まるでことわざみたいな言葉がふさわしいほどに、妻は交友関係が広い。
出産・育休のため、教師として働いたのは6年くらいで、今は同じく6年の

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教師は自己満足するしかないけれど

教師は自己満足するしかないけれど

今年もまた、旅立っていきました。

思い入れのある学年ではあるけれど、自分が最後の担任ではないので卒業式の緊張や感動はほどほどに。いかに式を滞りなく進行させるかを意識して過ごしました。

子どもたちにとっても、6年生の担任は特別だと思います。
しかし、それでも数人の子が、式の片付けをしている私のところまであいさつに来てくれました。

不登校傾向だった子の両親も来てくれました。
その子は、5年生だっ

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ぶらずに、らしゅうせよ。

ぶらずに、らしゅうせよ。

3月になりました。
この時期になると、私の心は少しふわっとします。
それが春の陽気な暖かさによるものか、にっくきスギ花粉によるものかは判然としません。

もしかしたら、卒業式&修了式目前で、いよいよ終わるぞという思いつつも、一か月後にはもう次年度が始まるぞと思っているから、心が1つに定まらないのかもしれません。

きっと、教師である私だけでなく、子どもたちも同じでしょう。

3月になると、さまざま

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マッチ売りのおじさん

マッチ売りのおじさん

我が家の庭には3畳ほどの畑があって、今はそこで小松菜や玉ねぎを育てています。
初めてだから、自信はないけどうまく育つようにと奮闘しています。
特に小松菜なんかは寒い時期は全く成長が見られず、ようやく大きくなってきたと思ったら鳥に葉っぱのやわらかいところだけを見事に食べつくされるなど、苦難続きの人生です。いや、葉生です(犬生とか猫生みたいに言うな)。

全ての小松菜が茎だけになったのを目にした瞬間、

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お勧め

お勧め

私が担任する学級の欠席者は6名。
つまり欠席者への連絡物を6個作る、その日にやれなかったことのフォローを後日6人分するということで、なかなか大変です。
体調不良で休んだ子たちの何人かは、明日も欠席します。翌日来てまた次の日に休む子もいるでしょう。日に日に訳が分からなくなってきます。
楽しいことならいざ知らず、子どもは勉強のことなんて忘れていたほうが都合良いわけですから、細かいところまで教師が把握し

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アニマルランド

アニマルランド

あっという間に2月後半。みなさまお元気ですか。元気だといいな。そう願っていますよ。

最近の私はというと・・・文章が全然まとまらない!
なんか、格好つけてしまうというか、ちゃんとした文章を書かなきゃと思いすぎてぐちゃぐちゃしてしまって、完成前に挫折する日々。2週間考え続けて結局完成を諦めたものもあります。

仕事から帰ってきて、書いた文章をこういうふうに直そう、とか思うけれども時間が過ぎて、そのう

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教師の存在って、何だろう。最近仕事のことばかり頭に浮かぶので、いっそのことその悩みを文章化しました。

教師の存在って、何だろう。最近仕事のことばかり頭に浮かぶので、いっそのことその悩みを文章化しました。

5歳の長男が脈略無く泣き出した。
訳を尋ねると、「大きいばばがお空に行っちゃったから、かかもお空に行っちゃうんじゃないかと思って悲しくなった」と言う。
妻によると、実家で、3年前に亡くなった曾祖母の話をしたそうだ。ツーショットの写真は残っているが、記憶にはほとんど残っていない様子の長男。それでも「大きいばば、好きだったなぁ」と懐かしんでいたらしい。

私が死というものの存在をはっきり認識したのは、

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28歳になったら完全になる気がしていた

28歳になったら完全になる気がしていた

27歳のとき、自分自身が何だか不完全なような気がしていた。
元々人間というのは不完全なものなのだけれど、それにしても、何か足りない感じ。
そして、同時に、28歳になれば、自分は完全になるだろうと思っていた。何の根拠も何の兆候もなかったけれど、ただそう思った。

28歳になり、結婚相手を見つけた。
そこから、結婚式、息子の誕生、家づくり、次男の誕生と、休む間もなく生活は変化した。

確かに28歳は節

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我が家にルンバが来た経緯を聞いてほしい

我が家にルンバが来た経緯を聞いてほしい

我が家にルンバが来たのは今から6年前のことである。
正式にはルンバ980という、当時の最上級モデル。
小さなアパートで暮らす私ーー私たちには、もったいない代物であった。

当時28歳だった私は、教師になって初めての転勤を経験した。
教師なんてどこに行っても仕事は同じだろ、と思われるかもしれない。まぁ確かにそうなのだが、それでも職場が変わるというのは、それなりに負担があるものだ。

例に漏れず、しば

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歳をとっても時間を速く感じないために

歳をとっても時間を速く感じないために

時間が一気に過ぎていく。
20歳から時間が加速、30歳を過ぎたらさらに加速と聞いたことがあるが、まさにその通りだ。

中学3年生の頃、部活が終わったと思ったらすぐに次の日の部活がやってきて、もう24時間経ったのかと思っているうちにまた次の日がやって来るような感覚に陥ったが、それがずっと続く感じ。

楽しいことをしていると時計を見る回数が減るから速く感じやすいとか、新しい経験がなくなってくると速く感

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「はろろ」って何??2歳半の次男

「はろろ」って何??2歳半の次男

うちには2人の息子がいる。
長男は5歳半で、次男は2歳半。

子どもは1人でもいいなと思っていたが、いざ2人育ててみれば、また新しい発見があるものだ。
1人を育てている時には当たり前だと思っていたことも、2人目を育てるとその認識が全くの検討外れであったことに気付かされる。

長男は、1歳の時には「パン」と自分の好きな食べ物が言え、2歳になる頃には、「でぃーじぇぇ」と口にした。何を言っているのかと思

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通知が気になるNOTE片思いの私へ—梅原大吾の著書に学ぶ—

通知が気になるNOTE片思いの私へ—梅原大吾の著書に学ぶ—

スマホの通知が気になる。

NOTEアプリのアイコンにバッジがついていると、本来やるはずだったことを忘れてタップしている自分がいる。
まるで片思いの人と連絡先を交換したての若者のように。

・・・などと、36歳男性(既婚)が言っているのだから呆れる。

これまでに投稿した記事はわずか3記事(2023年1月21日現在)。
3つのうち「読書感想文」について書いた記事が20スキを超え、残り2つは0である

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我が家の学級委員

我が家の学級委員

ようやく着替えた。もう正午である。
寝たままの姿で過ごすなんて、子どもが生まれてからは珍しい。すこぶる気分が悪かった。

仕事が原因だろうか。火曜日に始業式があり、久しぶりに教師としての生活が始まったと思ったら、金曜日までの空き時間(他の教師が授業をしてくれる時間)が、たった1時間しかないという正露丸も驚くほどのブラックな労働状況だった。一応1時間とは言っているが、小学校の授業は45分間だ。

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