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《実話》認知症の人への対応:M.Jが行なった対応
はじめに
改めまして、M.Jです。
「お母さん、私の名前覚えている?」
「お母さん、また同じこと言っているよ!」
「お母さん、しっかりして!」
こんなことを言っている、息子や娘に「喝(カツ)」を入れたいと思います!
認知症になった親に対して「どうしても言いたくなってしまう言葉」なのですが・・・、認知症の人に対する対応としては「明らかに不適切」としか言えません!
上記のような言葉を言ってしまうと、認知症の人の「精神状態が悪化する(興奮するなどの行動が出る)危険性」が高くなります。
こんな息子や娘に対して、M.Jはものすごく「言いたいこと」があります!
「認知症の知識と認知症の人に対する接し方を勉強しましょう!」
勉強をしていないと上記のような「不適切な接し方」をしてしまうのです。
今回は、認知症に対する知識と接し方について、M.Jと一緒に学んでいきましょう!
認知症の症状
認知症の知識ですが、今回は「知識の一部」を紹介します。
認知症は、脳の病的変化や脳の障害によって脳の細胞が壊れてしまう病気です。
認知症の症状は、物忘れなどの「中核症状」と徘徊などの「周辺症状」があります。
【認知症の症状】
◎中核症状➖
①記憶障害 ②見当識障害 ③理解・判断力の障害
④実行機能の障害 ⑤失行・失認 など
◎周辺症状➖
①不安・抑うつ ②睡眠障害 ③徘徊 ④失禁・ろう便
⑤帰宅願望 ⑥幻覚・妄想 ⑦暴言・暴力 など
認知症を「何気なく見ていく」と「中核症状」である「物忘れ(記憶障害)」ばかりを見てしまうことが多いです。
しかし、認知症には「周辺症状」である「徘徊」「失禁・ろう便」「暴言・暴力」といった症状があるので注意して見なければなりません。
周辺症状に対して「適切な対応」をしないと、家庭や施設での「問題行動」は解決していかないのです。
「中核症状」をコントロールすることは難しいですが、「周辺症状」は周囲の対応(接し方など)によって少なくすることが出来ます。
「周辺症状」をしっかり見て「精神状態の悪化」を防いでいきましょう!
次の項では、実際に認知症になった母に対しての「M.Jの接し方」について書きます。
参考文献:⑴
参考:認知症ねっと:認知症の中核症状と行動・心理症状(BPSD/周辺症状)
母:認知症に・・・、早期に病院受診出来ない
8年前、一家で「母の兄」が亡くなって熊本に「通夜」に行く時に「?」という感じの「違和感のある出来事」が起こりました。
母は、いつもできていた「身支度」にかなりの時間を要するようになったのです。
姉が「しっかりして、お母さん!」というものの、通夜用の衣装に「着替えることが出来ない」という状態でした。衣装を探すことが出来ず、着替えようとしても「ダラ〜っとした感じ」になっていました。
その後、何とか着替えたものの「会場に入る道を間違える」といったことがありました。
この出来事以降、姉は母に対して「今日は何月何日〜!」と会うたびにきくようになりました。姉は「母が日付を間違える」たびに、私に対して「もう、お母さんボケたしまったね〜」と言っていました。
その一方で、私は「母の認知症」を認識することが出来ずにいました。おそらく「そんなはずはない!」と思っていました。
母の兄の死後、2ヶ月が経過した時に「母の行動の異変」を感じました。
会話などのやり取りがないのに、突然、身近にある物を投げて「死にたい」と何度も叫ぶようになりました。
「さすがにまずい・・・」と思い、私は「母の認知症」を認識しました。
この数日後、父に「お母さん、精神科の病院に診察に連れていこう!」と言いました。しかし、父は「妻(私の母)の認知症」を認識することなく、首を横に振っていました。
何度も話してもうまくいかず、1年した後「母の興奮」を私と一緒に見た結果、「確かにこれは・・・」「〇〇(母の名前)を病院に連れていこう」と言って、精神科の病院に母を連れていきました。
受診して1週間後、「精神科のデイケア(以下、デイケア)」に通所することになりました。
実際にM.Jが行なった接し方
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デイケアに通所して1年半経過した頃、母は突然「腰の痛み」を訴えるようになりました。湿布で様子を見ていたが、徐々に「動きづらさ」が出て「日常生活に支障を来たす」ようになりました。
腰の痛みが出て2週間後、母はついに「まったく動けない状態」になりました。
◇病院の整形外科を受診した結果、先生(医師)が「骨粗しょう症が進みすぎている、即入院しましょう!」ということになりました。
1週間入院した後、精神科の病院に1ヶ月入院しました。
精神科の主治医から「もうこれ以上は入院させられない」と言われて、施設を紹介されました。しかし、父が施設入所に「反対」したため、自宅でみることになりました。
母は、腰の痛みで入院した後「認知症の症状」は少しだけ悪化しましたが、歩行は何とか出来ていました。
歩行は出来ていたものの、時々「転倒しそうになる」ことに加えて「目を離すとどこに行くかわからない」という「徘徊」が多くなりました。
《精神科病院の入院時、母が自宅に帰るための練習をしていました。そこで、ケアマネジャーに相談しました》
私は「常に母の状態をみることは出来ない!」とケアマネジャーに伝えて、母の介護保険を申請しました。要介護の判定の結果、◯クリニックのデイケアに「週1回」、●クリニックのデイサービスに「週4回」通所しました。これに加えて、2週間に1回は「ショートステイ」を利用していました。
《実際に母を自宅で観ることが出来たのは、30日間です。》
《その後、施設入所するまで「ショートステイを1年間(月1度自宅で観ること)」していました》
ただ、母がデイケアに通所している時以外は、私が「母の見守り」をしていました。
「母の見守り」は、皆さんの想像以上に大変なものでした。
トイレに行った後、母は「オシッコ!」と言うので、何度も一緒に「トイレに移動」しました。《1日に15回以上トイレに移動していた》
この時、私は「以下のような接し方(=通常の家族がしない接し方)」をしました。
◎「また、トイレ、さっき行ったよ〜」と絶対に言わないこと!
◎「お母さん、今日は何月何日」ときかないこと!
◎「お母さん、私の名前覚えている?」ときかないこと!
◎語尾を柔らかくすること!《母を興奮させないために・・・》
◎心の中で「私は、コンピューターだ」と言い続けること!
◎母のことを「家族」というよりも「年上の尊敬する人」と常に思うこと!
上記のことを行なった結果、母は「異常な行動(興奮する・怒るなど)」をほとんどしなくなりました。
母にとっては、「日時をきかれること」「昔のことを覚えているかどうかきかれること」「また、同じことをと言われること」がすごく苦痛だったようです。
これらのことに加えて「言葉づかいが丁寧でないこと」に対しては、すごい嫌悪感を感じていたようです。
前述したように、姉は母に会うたび、母に対して「今日は何月何日〜」「私の名前はな〜に」ときいていました。姉と会った後、母は「顔の表情が険しい状態」「イライラした状態」で「物を投げようとする行為」が多く見られました。
母に対する「接し方」で、母の「精神状態が大きく変わる」というのを感じさせられました。《精神状態が悪化すると問題行動が多くなるのでわかりやすい・・・》
対応の方法について考えよう!
記事をご覧の皆さん、いかがでしたか?
認知症のかたに限らず「高齢者への対応」は、簡単なことではありません!
ただし、認知症の場合「精神症状が強く出ることがある」ので「接し方」は重要です。
基本的には、どのような対応をすればよいのでしょうか?
【認知症のかたに対する会話の方法】
《1》本人の話をよく聴く
《2》本人のペースに合わせる
【認知症のかたに対する接し方】➡︎ してはならないこと!
①本人の言動に現実を突きつけない
➖例「さっき食べたばっかりじゃない」と言わないこと!
②間違いを無理に正さない
➖例「それは〇〇〇じゃないよ」と言わないこと!
③強制しない、脅かさない、突き放さない
➖例「いいから〇〇〇して」と言わないこと!
④急かさない
➖例:「早くしてよ」と言わないこと!
⑤責めない
➖例:「そんなこともできないの」と言わないこと!
⑥出来ることを奪わない
➖例:「私がやるから・・・」と言わないこと!
★接し方の基本としては「怒る」「叱る」ことは極力避けること!
★認知症のかたは「怒られる」と「不快感・悲しみ・怒り」が強く残ってしまう。
前述したM.Jの母は「精神状態の悪化がひどいタイプ」の認知症だったので、M.J自身「接し方」にはものすごく気をつけていました。
具体的には「M.J(介助者)自身がコンピューターになりきる」「母のことを年上の尊敬する近所の人として接する」ことを「常に意識」していました。
その理由としては以下の通りです。
◎コンピューターになりきることで「何度同じことを言っても、新しく聴いたことのように・・・」対応することができる。
◎尊敬する近所の人にすることで「丁寧な言葉づかい」ができる。
認知症に限らず「精神症状が強く出るかたに対する接し方」にも、上記の方法は適しているようです。
《ですので、精神症状が出ないタイプには、適していないのかもしれません。》
中年以上の方に対する「接し方」は、丁寧に行なったほうが「精神状態の悪化」は防ぐことが出来るようです。
ご覧いただき、どうもありがとうございました!
今後とも、M.Jの記事をよろしくお願い致します。
参考文献:⑵
参考:認知症ポータルサイト:認知症の人との接し方?「言ってはいけない言葉」とは?
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